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世界の決済サービスの今とその構造

2019.05.14Cat:EC 決済

少々専門的なので避けてしまうことが多い決済業界について、研修という意味でも最低限知ってもらうためにまとめてみた。

 

クレジットカード

上位レイヤーは

ブランド

イシュア

アクワイアラ

で構成されており、その下に決済代行会社(PSP)と店舗(マーチャント)がいる。

普段EC業界としてはPSP以下しか意識することはなく、上位レイヤーについては知らない場合が多いので簡単にまとめ。

ブランドは国際ブランドという意味だとVisa/MasterCard/JCB/American Express/Diners Club/中国銀聯/Discoverの7社のみ。

要はカードブランドで、一言で言うとそのブランドが使える環境を運営している。

利用環境のシステム運用を行ったり、使える場所を増やす/減らすということを行っている。

 

イシュアは一言で言うとカード発行業務を行う会社。

日本だと例えば、三菱UFJニコス、クレディセゾンなどだ。あと、りそな銀行、UFJ銀行などもアクワイアラとしての契約を持っており、直接クレカを発行している。

余談だが日本は少し特殊でイシュアの下にそれを取り次ぐ二次カード会社という存在がある。

ビューカードや地銀発行のクレカ、東急や出光カードなど非金融大手企業の発行元がこれにあたる。

更に、ルミネカードやパルコカード、dカードなどは名前を冠しているだけの提携カードというものになる。

イシュアは入会の審査、管理が主な業務。カード会員からの料金の徴収も行っている。

 

アクワイアラは一言で言うとマーチャントの開拓をする会社。

日本はイシュアとアクワイアラ業務を兼ねる会社が多くややこしいのだが、代表的なのは

JCB、ニコス、ライフカード、セディナ、イオンクレジット、楽天カードなど。

アクワイアラはマーチャントを開拓し、利用開始後は加盟店がイシュアを意識することなく売上を受け取れるよう、各イシュアから代金を改修してマーチャントに支払うという業務を行っている。

 

この流れでPSPも説明しておくと、PSPはアクワイアラにとってはマーチャントとイコールの位置づけ。

ただし一般的なマーチャントよりも流通額が多額になることが多いので、特殊なマーチャントという位置づけになる。

直接のマーチャントが加盟店と呼ばれるのに対してPSPは包括加盟店とと呼ばれている。

実店舗が主流だった頃はアクワイアラと加盟店の契約が多かったが今はPSPを介すことが一般的で手数料もこの方が安いことも多い。

 

第三者決済

AlipayやPayPalが代表的。

個人的な見解としては第三者決済は2種類の起源を持つ。

自然な流れだと、決済がIT化すると銀行等金融系サービス会社IT化し、決済サービスが乱立してそれを取りまとめるために第三者決済が普及する。

2019年の日本がまさにその状況だ。

しかし実際には先述のとおり銀行系サービスよりも先にAlipayやWechatPayが普及した。

これは言うまでもなく中国銀聯という統一仕様がいち早く浸透したため且つ中国という世界最大の人口に支えられた膨大な利用者がいて初めて成り立つという少し特殊な事情がある。

基本的には先進国は前者のタイプの第三者決済、新興国は後者のタイプであると個人的に分類している。

特に後者は非常に興味深く、新興各国では、Alipay、PayPalのような既存の大手第三者決済に組み入るケースもあれば、新たな第三者決済として各ローカル決済をまとめる動きも活発だ。

 

銀行決済

本来であれば先述の第三者決済の前に起こるべき流れで、銀行のIT化により銀行口座自体のアクセシビリティが高まり、非ITの口座よりも多機能化とともに利便性を増したサービスを提供するものである。

要はネットバンクというか最近では銀行のアプリをインストールすれば、個人間での送金や支払いとしての振込、残高確認などができるサービスだ。

マレーシアなどはこのサービスが乱立というか各銀行が必ずと言って良いほど提供している。

しかし銀行間を接続している第三者サービスで唯一のものが現時点では無く、今後できていく可能性は高い。

 

現金決済

ドイツや日本のような先進国にもかかわらず現金決済が主流な老害な例は除外して、新興国で銀行口座を持つこと自体が普及していない場合には現金決済が当然主流となる。

CODや代引きと言われる決済もこれに含められる。

今までの例だと最低限銀行口座が無いと銀行決済も第三者決済もクレカも使用できなかった。

しかし今それすらも不要な決済が登場しており、それらはモバイルマネーと呼ばれている。

代表例はケニアのM-PESAだ。これは銀行口座が不要でスマホアプリだけあれば加盟している実店舗に現金を預けて送金したり、それを受け取ったりができるサービスだ。個人間の送金だけでなく支払いにも利用できるのでECでも利用されている。

 

まとめ

ネット普及前までは

現金取引 → 銀行 → 信用取引

という流れで決済は進化してきていた。

しかし今世界中で同時にスマホが普及したことにより決済で良い意味でおもしろい歪が生じている。

信用取引が普及している国では新しい第三者決済が、信用取引は普及していないが銀行口座は普及している国では銀行のIT化と決済サービスの提供がされ、またそれが乱立してしまった国ではサービスの統合がされている。

そして銀行口座すら普及していない国ではダイレクトにサービスから現金を出し入れできるようにまでなっている。

グローバルで見ると、各決済がこのあとどうつながっていくのか、またはビットコインのようにそれすらもぶち壊してしまう概念が台頭するのか、とても興味深い時代だ。

 

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hoshino
ECのことを中心に書きたいと思います。 ネタが無いときはプログラムやデザインのことも書きます。
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