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なぜVODのコンテンツに日本のテレビ番組が少ないのか?

2014.03.17Cat:その他 デザイナー

ここ数年で「Hulu」や「ひかりTV」といったVOD( ビデオ・オン・デマンド)サービスに加入してスマホやタブレット端末で映画やドラマを観ているという人はかなり増えたという印象を受ける。通勤の電車や駅のホームで動画を観ている人は珍しくなくなった。

約1年前の数字では有料の動画配信サービスの利用率は5.8%(出典:動画配信ビジネス調査報告書2013)、単純計算で少なくとも750万人以上の人が利用している事になる。

筆者自身もHuluに加入して海外ドラマなどをよく観ているが、VODサービスを利用している人なら一度くらいは疑問に思った事があるのではないだろうか?「日本のテレビ番組が充実していないな」と。最近は少しずつ増えてきてはいるものの、海外の映画やドラマに比べると、需要が高そうなバラエティ番組や過去に高視聴率を記録したようなドラマはほとんど観る事ができない。

DVD販売で記録的なセールスを出しているバラエティ番組はたくさんある、DVDを出して売れるならVODでもコンテンツとしてアップすれば人気が出て稼げそうなものだがなかなか増えない。

これには日本のテレビ業界特有のライツ契約が理由のひとつにある。

ここで言うライツ契約とはテレビ番組の制作側(テレビ局側)と出演者側との間に交わされている契約の事だ。通常、日本の芸能界で芸能プロダクションに所属しているタレントたちは「日本音楽事業者協会」や「映像実演権利者合同機構」といった団体に加盟している。

これはタレントの著作権・肖像権を守ったり雇用環境を改善する為のもので、テレビ業界では「日本音楽事業者協会」は「音事協」、「「映像実演権利者合同機構」は 「プレ(PRE=Performers’ Rights Entrustment)」と呼ばれることが多い。

この音事協やプレを介した出演者側とテレビ局側の契約というのは、平たく言うと「再放送をする場合にもきちんとギャラを払ってね」という事。実は過去にオンエアされた映像を再び放送で使用する際、テレビ局から出演者に再びギャラが払われている。

なぜ再放送にもギャラが発生するのかというと、地上波のテレビでは放送枠に限りがあるので再放送で時間が埋められてしまった場合、その分タレントが新たに出演する枠が削られてしまう。タレントの雇用を守るという理由で、そういった契約が結ばれているのだ。

これは番組をまるごと再放送する場合も、過去のVTRを一部だけ使う場合でも出演していたらギャラが発生する。テレビ業界で働く制作の人間は「音事協」と聞くと、ちょっと気が重くなるものだ。それは音事協やプレといった団体はかなり力のある存在だからでもある。制作の現場に入ったばかりのADは先輩から「音事協は怒らせるな」とよく言われたりするものだ。

こういった契約の存在がタレントが出演する映像の二次使用でネックになっているのである。VODの場合、何万回も再生されることになりその度にギャラを払うわけにもいかないので新しい形の契約を作る必要があるだか、その動きが鈍いのが現状だ。

新番組の制作が決定してタレントに出演を依頼する際にも、番組を動画配信するとういう契約になっていない場合は多い。過去の番組はもちろんだが最近の新番組でもヒットするかどうかは放送してみないと分からないという事もあり、なかなか難しいようだ。

中国など海外の動画投稿サイトには次から次へと日本のテレビ番組がアップされ、今ではかなり色んな人気番組が観られる。早めに手を打たないと、わざわざお金を出さなくても中国のサイトで何でも観られる状況になり日本のテレビ業界は大損することになる。(既に手遅れかもしれないが)

今後テレビ業界が地上波以外で業績を伸ばせるかは、こうした契約の形を柔軟に変えられるかどうかにかかっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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