2016/05/12
知らないと怖い目みるアカントアメーバの脅威
なんだか物騒なタイトルですが、要はコンタクトレンズを正しく使用しましょうというお話です。何度かこういった記事は書いていますが、最近知ったアカントアメーバという存在を皆さんにお知らせしたいがために書きます。
アメーバ
皆さんのアメーバに対するイメージはどういうのでしょうか?アメーバで画像検索してみると
・・・サイバーエージェントさん。
何枚かちゃんとしたアメーバの写真もありますね!皆さんのイメージはこの通りだと思います。ちなみにアメーバ自体の生態は以下の通りです。
肉質類の原生動物の総称。単細胞で、大きさは0.02~0.5ミリ。増殖は分裂による。たえず形を変えて、仮足とよばれる原形質の突起を伸ばして運動・捕食する。淡水・海水・土壌中に広くすみ、また寄生性で病原性をもつものもある。
アカントアメーバの侵入経路
※ こちらの動画にアカントアメーバが登場します。
アカントアメーバは、0.05mm程度の小さなアメーバ(ちなみにコンタクトレンズ直径は、14.0mm~14.5mm)で、肉眼では確認できません。また、一度感染してしまうと眼科医でさえ見つけるのが大変だと言われているコワ~イ生物です。
実はコンタクトレンズを使用している人がかかる 「アカントアメーバ角膜炎」 の感染経路はまだ完全に明らかになっていません。ですが、この微生物達は「水分」を非常に必要とする生物であり、普段は細菌や藻類などを食べながら暮らしています。
1日しか使えないコンタクトレンズは使用後は捨てますので、用法を守れば大丈夫だと思いますが、2週間や1ヶ月のレンズは保存液が必要となります。この保存液を「1日くらいいっか~」とアカントアメーバが生息するといわれている水道水などで賄ってしまうと感染してしまう可能性のひとつと言われています。
他にも考えられる感染経路
・手洗いを怠った手で使用
・※1 シストとなったアカントアメーバが空気中に漂うため自然感染(ごく稀)
※1 乾燥から自身を守る状態に変身した状態 堅い膜に覆われており、その中に休眠状態となったアカントアメーバがいる。
アカントアメーバのアメーバ状態とシスト状態(神戸大学・洲崎研究室にて撮影)
こちらから画像をお借りいたしました!ありがとうございます ⇒からだのなかの微生物
正しく使用しないと本当に怖いコンタクトレンズ
私の周りでもコンタクトレンズを使用している人は多数いますが、
ワンデーを何日も使っている
水道水を保存液代わりに使用している
ソフトコンタクトレンズの洗浄を水道水で行っている
手洗い十分ではない手で装着している
こういう話は本当に良く聞きます。
アカントアメーバは、目には見えませんが人間と出会う機会の多い微生物の一つです。基本的には、アカントアメーバが人間の体内に侵入しても病気を引き起こすことは滅多にありませんが、アカントアメーバ角膜炎というのは「アカントアメーバが角膜を食べてしまう」から起きる病気です。アカントアメーバが悪さをするというよりは、人間が食べ放題の場所に連れてきてしまったが故です。そりゃ食べますよね。
必ず用法容量守ってコンタクトレンズは正しくお使い下さいね。
最後に
アカントアメーバ角膜炎について
【自覚症状】
・強い痛み
・涙目や目脂
・充血
・白濁
・重度状態だと視力障害、失明
【検査方法】
膜の悪くなっている部分(角膜)をこすり取り、アカントアメーバを検出するが特殊な病原体なため大きな総合病院でも検査が困難
【治療方法】
アメーバに対する特効薬がないため、抗真菌薬を使用。それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療が必要
どうしても治らない場合は、角膜移植を余儀なくされる
画像はかなりひどいため、割愛します。どういう状態になるのか気になる方は自己責任でお調べ下さいませ。
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スターフィールド編集部
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