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Sensory Marketing in ad

Sensory Marketing in ad

「日本のマーケティングは米国と比べて10年遅れている。」

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学部生時代よく耳にしたフレーズだ。今回は米国での会社では当たり前に取り組まれており、日本語にまだそれほど翻訳されていないマーケティングの中で、僕が特に興味をもった「感覚マーケティング」を取り上げる。

従来のマーケティングはどのような手法で、いかに多くの潜在顧客から注目を集めるかに焦点が当てられてきた。(SEOマーケティング、口コミマーケティングなど)

感覚マーケティングはその更に先の意思決定における潜在意識に訴求するマーケティングだ。

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感覚マーケティングとは

感覚マーケティングは、上の例の様に消費者の感覚に働きかけ、知覚や判断、行動にまでも影響を与えるマーケティング戦略である。

感覚マーケティングは、ホテル産業などのホスピタリティーが求められる場面において大いに力を発揮する様で、「おもてなし」を大々的に訴求した日本はオリンピックで来日した外国人の満足度を高める一つの策になるかもしれない。

また、ECでのCVRを上げる為の一工夫に成り得るかもしれない。

 

まずはこちらの写真を見て、どちらを食べたいか考えて頂きたい。

また、この二つの時計の広告を見て、直感的にどちらに惹かれるだろうか。

 

上の二つのケーキの写真の違いは、ケーキの向きとカトラリーの位置である。ElderとKrishnaの実験によると右の写真の方が、無意識的に脳内でその商品を試すシミュレーションを促進し、購買意欲が高くなるという。

下の時計は、振り子の様な鉄球に動きがあるかどうかである。この2つの写真では右の写真の方を見る時間が長かった様だ。

他の事例

他にも、ダイエット系サプリは軽くなるイメージを持たせるために、LPの上部にイメージを載せCVRが向上したり、チョコチップクッキーの画をパッケージの下部に載せる事によって、チョコチップが沢山入ってそうだと思わせたり、米国では様々な取り組みが行われているようだ。

 

米国企業はここまでに注力している。

確かに日本のECモールより、米国のマーケットプレイスの方が直感的に使いやすく、ストレスが少ない。

潜在的承認欲求をターゲットにしているInstagramやFacebook等のSNSの考え方も同様なのかもしれない。

越境ECカート市場も飽和してきたら感覚レベルでの競争が起こるのかもしれない。

 

五感の機能と特徴の紹介

視覚

-情報の8割はこの視覚から取り入れられる。

-五感の中で一番のkeyであることは間違いない。

-色の効果や物的体感距離

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聴覚

-音楽のBPMによってお客さんの店舗内滞在時間に影響を与える。

-場合によっては、消費者の購買意欲に、製品以上に大きな影響を与える。

-音楽の色やスタッフの声のトーンにより、独自のブランドイメージを確立することができる。(ホテル内の環境音楽や高級レストランでのウェイターの声)

独特な民族音楽によってブランディングされる無印良品。
(自然を感じさせる視覚的色使いやディフューザーから出る香りまで。)

嗅覚

-記憶との一番の結びつきが強い。(おばあちゃんちの匂いと景色)

-また、顧客の感情にも大きく関係し支払意思額にも影響を与える。

店商品の洋服にブランドオリジナルの香水が香り付けされており、
街中ですれ違った人からこの香りがしたらブランドを想起すると多くの生徒が回答していた。

味覚

-他の感覚器官の影響を受ける。
(・着色料で赤みを増したオレンジジュースはより甘く感じる。・高く盛り付けられたチャーハンは一層おいしく感じる。・ポテトチップスの音など。)

触覚

-お客さんと接触したウェイターはチップを多くもらえた傾向があった。

-暖かい温度に触れているだけで人に対して親しみを抱く。

-交渉するとき、柔らかい椅子に座っている人は相手の提案に応じやすくなります。

 

越境ECに因んで。FedExのLOGOに隠された動きを出す工夫。

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感覚マーケティングをEC販促のクリエイティブや、営業活動、LCへ応用

LaunchCartは既に感覚マーケティングに力を入れていた?

弊社のLaunchCartは無意識の内に感覚マーケティングを取り入れていた。現地のEC慣習に合わせた顧客情報入力フォームの順番、確認ページを踏まないストレスの少ないカートシステム。直感的に操作が分かるシンプルな管理画面。今後更に各国のEC慣習にローカライズし、ユーザーの感覚を注意深く意識した開発を行っていく。

感覚マーケティングを営業へ取り入れる

無形商材の為、展示会や販促物への応用は視覚的要素ばかりになってしまいそうだが、無形だからこそ製品イメージに直接繋がる私たち営業チームは身だしなみは勿論、声のトーンや姿勢や何気ない仕草まで気を遣う日が来るのだろうか。

 

参考文献

[sensory marketing in advertising]

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2759399

[五感に訴えれば無意識に人は動く]

https://perigee.yomiuri-is.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/8rJya

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スターフィールド編集部

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