ミャンマーのAmazon!本のECサイトがふつうに成立していた
先週はじめてミャンマーを訪れた。
新しい発見や驚きは到るところに多々あったが、仕事に関係する部分で一番驚いたのが現地でECが成立していたことだった。
ミャンマーはまだまだECは難しい。
これまで人から聞いた情報や先入観でそう思っていた。
しかし、今回ミャンマーを訪れて、実際に現地企業が、自社でECサイトを立ち上げて、広告を出して、利益を上げているのを目の当たりにして、自分の認識の甘さを知った。
「ミャンマーでECやって成功しているなんてすごい!どんな会社がやっているんだ?」
そう思われた方も多いでしょう。
正解は…
スターフィールドのミャンマー支社でした!!
なんだかすごくつまらない冗談を言ってしまったようですが、言い訳させてもらうと、私自身今回ミャンマーオフィスに行くまで、ミャンマー支社がECサイトを運営していることを知りませんでした。
ミャンマーの支社は、ふだん東京本社のオフショアで開発行ってくれています。それ以外にも独自に事業をしているとは知らなかったのです。
※このサービスはあくまでミャンマーの国内ECでして、越境ECではありません。
商材は本
販売しているのは本です。
実際のサイトはこちら。
本の中でも新刊を多く扱っていて、売上の多くはヤンゴンなどの都市部ではなく、地方在住の方たちとのことでした。
その理由は、ミャンマーのなかでも地方にいくほど流通網が発達しておらず、新刊本が本屋になかなか出回らないという事情があるからです。
新しい本を読みたい地方の読書家たちのニーズにばっちりマッチしたこのサイトは、予想以上の反響がありました。
サイト公開からまだ間もないですが、月間売上は、1000万チャット〜2000万チャットで、
目指す売り上げは3000万チャットだそうです。
物流
こんな感じで社内の一角に在庫が積み上がっています。
近い内に専用の倉庫を借りるそうです。
注文があってから梱包し、毎朝スーツケースに詰めてどこかに持っていっていました。近くに集荷してくれるところがあるのでしょう。
実際配送してくれるのは、ミャンマーポストという国の郵便サービスです。なんと代引きも行ってくれるそうです。
決済
代引き以外では、MPUという決済サービスが一般的です。
ミャンマーにおけるキャッシュレス・サービスは MPU(Myanmar Payment Union、以降、MPUと表記)設立がその始まりだ。MPU は 2011 年にミャンマー中央銀行と現地の銀行 17 行によって設立されたコンソーシアム的な企業である。設立の目的は、加盟銀行間の電子金融ネットワークを利用して金融の近代化を図りAPN(Asian Payment Network)のような国際金融システムと連携した取引実施により、ミャンマーを現金社会からキャッシュレス社会へシフトさせることにあった。
これはECサイト上ではデビットカードのような役割かと思います(不確か)。
広告
主にインフルエンサーによる投稿を、Facebook広告で拡散する方法が取られているようです。このあたりは他の東南アジアと変わらないですね。
実際の投稿ですが、この女性インフルエンサーがオススメの本を次々を次々と紹介し、
最後に、「えっ全部、このECサイトで購入できるの?!なんて便利!」という構成です(たぶん)。
実際に、インフルエンサーを取りまとめている企業はミャンマーにすでに数多くあるそうです。
たまたまモバイル系の新サービスを発表するお披露目会のようなイベントが開催されていたので、覗いてみたのですが、インフルエンサーらしき人がたくさん集っていました。
記念に一枚。
ミャンマーで有名なモデルだそうです。
まとめ
LaunchCartの利用企業は現状日本の国内企業だが、近い将来、アジア各国の現地企業への売り込みたいと思っている。その最初の対象国として、ベトナムやタイ、マレーシアなどを想定していたが、ダークホースとしてミャンマーが大外から駆け上がってくる可能性もあると思った。
Author Profile
HASHIMOTOHIROKI
1984年香川県生まれ。 早稲田大学第一文学部哲学専修卒。 三味線奏者、豆腐屋、八百屋を経て、現在はスターフィールド株式会社で、あらゆる日本企業を世界進出させるべく越境ECの普及に力を注ぐ。 特に中国、台湾向けECカート導入がメイン業務。
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