2019/12/11
【書評】なぜ、あなたの仕事が終わらないのか?
はじめに
指定された納期に成果物を間に合わせることは、どんな仕事においても大前提です。
しかし、当初の想定以上の時間が掛かったり、想定外の業務の発生で計画が狂ってしまい、
気付けば納期は既に目前、「こんなはずじゃなかったのに…」と頭を抱えてしまった。
といったような経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?
今回はそういった悩みを解決するべく読んだ本、
「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」を紹介します。
著者は米国のマイクロソフト本社で、Windows 95などの開発に携わった中島聡さんです。
仕事が終わらない理由
本書では冒頭に、納期内に仕事が終わらない理由が3つ挙げられています。
それぞれ簡単に説明していきます。
①安請け合いしてしまう
仕事を振られたときに、深く考えずに「はい!できます!」と即答してしまうことです。
学校のテストに例えるなら、序盤に出てくる基礎的なサービス問題をざっと見ただけで、
テスト全体が簡単なものだ、と早合点して安心してしまうようなものです。
まず意識すべきはテストの後半に出てくる時間の掛かる応用問題であり、
前半に出てくる基礎的なサービス問題ではありません。
②ギリギリまでやらない
いわゆる「尻に火が付いてから」行動するという状態です。
火事場の馬鹿力だとばかりに、納期ギリギリになってからラストスパートを掛けても、
連日の徹夜による睡眠不足で、日を追うごとに作業効率は低下していきます。
心理的負担から集中力も持続せず、結局納期に間に合わないという最悪の事態に陥ります。
③計画の見積もりをしない
締め切り直前に予定にない機能を追加するなど、思いつきで無計画な行動を取った結果、
納期に間に合わなくなるといった事例です。
特に①と②は思い当たる節がある方は多いのではないでしょうか。
「締め切りは絶対に守るもの」と考えよう
では、納期を守るにはどうすればいいのでしょうか。
著者が提唱する方法を順を追って確認していきましょう。
A.すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す
前項①の安請け合いからの破綻を避ける目的で行います。
しっかり時間を貰って、正確な納期を測定します。
B.最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える
モックアップやプロトタイプなど簡易的なものでもOKなので、
納期序盤に仕事全体を最初に一旦形にしてしまいます。
形にすることで仕事全体の構造やメリットデメリット、問題点が浮き彫りになります。
残りの8割の期間は仕事の完成度を上げるためにじっくりと使います。
そもそも最初から完成度100%の仕事などありえませんので、
完成度を上げるのは全体を形作ってからでも、遅くはありません。
C.最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう
納期の2割で仕事の全体像が構築できなかった場合は、納期の延長を申し出ます。
何故なら残りの8割の納期を使っても、終えることが難しい可能性が極めて高いからです。
2割と言っても納期全体で見ればまだまだ序盤です。
納期終盤になって延長を申し出るのに比べれば、周囲の理解を得ることも容易です。
まとめ・所感
「筆者の能力が高いからこれらを実現できるのでは?」と本書を読みはじめましたが、
我々の日常業務にも落とし込めるレベルの具体的な説明がされており、参考になりました。
「納期の2割で8割の仕事を終える」という習慣づけは大変だと思いますが、仕事全体に
余裕を生み出す為にも、Googleタスクなどを活用し、自分なりに常に意識していきたいと感じました。
著者は今回の方法を「ロケットスタート仕事術」と名付け、1日単位で実行していくことを推奨しています。
Author Profile
スターフィールド編集部
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