【書評】世界一やさしい問題解決の授業
はじめに
仕事などで大きな問題に直面した際、みなさんはどのように解決への道筋を立てるでしょうか?
- 精神論重視、気合と根性でなんとかしようする
- 口ばかり達者、具体的な行動を起こさない
- 「自分にはどうせ出来ない」と早々に諦めてしまう
問題の難易度が高ければ高いほど、よく考えずに上記のようなあまり褒められないアプローチを取ってしまい、
問題の本質を見誤り、解決に辿り着くことができない、といった事態が発生することがあります。
※私自身も頭でっかちになり、2つ目や3つ目の状態に陥ってしまうことが多いです。
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
今回はそのような不本意な状況に陥ることを防ぐために読んだ本、
「世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく」を紹介します。
著者はデルタスタジオ代表取締役社長 渡辺健介さんです。
問題解決までのアプローチ
この本では問題解決までに取るべき有効なアプローチの方法が紹介されています。
その中から代表的な「分解の木」をご紹介します。
分解の木
いわゆるロジック・ツリーの考え方です。
例えば「数学のテストの成績が良くなかった。」という問題があるとします。
この問題を解決する場合、よく考えずに「今までの倍の時間を掛けて数学の勉強を頑張る。」といった
闇雲なアプローチを取ると、問題の本質を理解しないまま突き進むことになり、遠回りで非効率です。
まずは問題を細分化することで、自分にとっての課題を炙り出すことが重要です。
- 時間が足りず解き始めることができなかったのか、解いてみたけど解けなかったのか
- 方程式の問題が分からなかったのか、図形の問題が分からなかったのか、その両方か
- 公式を忘れたのか、公式が理解できていないのか、公式の応用力がないのか
- 問題を解くスピードが遅かったのか、スピードは問題ないがミスが多かったのか
といったようにまず「数学のテストの成績が良くなかった。」という大きな問題を小さく分解します。
更にその分解した問題を分解…という過程を繰り返すことで、自分にとっての課題が浮かび上がります。
当然、課題一つ一つによって取るべきアプローチは異なってきますので、徐々に打つべき手が見えてきます。
医師が患者を診断して治療の方法を考えるように、まずは原因を見極めて仮設を立てる、
次に適切な情報を集めた上で分析、最後に最も有効な打つべき手を考えてから計画的に実行する、
というプロセスを踏むことで、スムーズな問題解決を実現することができます。
打つべき手が複数出てきた場合は、それぞれのメリット・デメリットを一旦図表化してから、
天秤にかけてみて、最も効率的で有効と思われるものに取捨選択をするようにしましょう。
まとめ・所感
主に中高生に向けて書かれた書籍ですが、問題解決に関する本質的なアプローチが多数盛り込まれており、
大人(主にビジネスパーソン)の方々からの評価が高いのも納得の一冊でした。
働き方改革により業務効率化が叫ばれる昨今、今回紹介した「分解の木」を始めとした
問題解決への効率的なアプローチは、より重要視されるようになってくるのではないでしょうか。
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スターフィールド編集部
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