STERFIELD

2020/06/12

【書評】「すぐやる」思考法

【書評】「すぐやる」思考法

はじめに

皆さんは仕事を進める上で「すぐやる」を徹底できていますか?
業務に追われて問題解決を先延ばしにしたり、リスクを恐れて調査にリソースを大きく割いたりして、
行動に取りかかるまでに時間が掛かり、「すぐやる」を実践できない状態に陥ることもあるかと思います。
※私自身も優柔不断かつリスクを恐れるあまり、「すぐやる」を徹底できないことが多いです。

「すぐやる」思考法 (アスカビジネス)
「すぐやる」思考法 (アスカビジネス)

今回は「すぐやる力」を高めて問題解決スピードを上げるべく読んだ本、『「すぐやる」思考法』の紹介です。
著者は塚本亮さんです。

「すぐやる」に必要なものとは?

「すぐやる」を徹底するには「すぐ判断する力」=「思考」が必要になってきます。
前もって思考の型をある程度決めておくことで、いざ問題に直面した際に
あれこれと立ち止まって考え込まずに即断即決を下すことが可能になります。
本書ではこの思考の型が以下の7つほど紹介されています。

  1. アクシス思考
  2. エクスペリメント思考
  3. インボルブ思考
  4. アップデート思考
  5. シンプレスト思考
  6. マルチプル思考
  7. センサリー思考

今回はこの中から3つの思考を紹介致します。

エクスペリメント思考

「エクスペリメント(experiment)」は、日本語に訳すと「実験」です。
簡単に言ってしまえば、「とりあえずちょっとやってみる。」という思考法です。
前例主義に囚われてPDCAサイクルの「P(計画)」に固執し、一歩も踏み出せぬまま時間を消費してしまうより、
最低限の小さな仮説を立てて、すぐに行動に移し、その検証結果を基に改善を行った方がはるかに効率的です。
いくら時間を掛けて入念な計画を立てても、それは過去の経験に基づいたものでしかありません。
今回のコロナ禍のように我々を取り巻く状況が一変してしまうような事態起きた場合、
膨大な時間を掛けて練りに練った入念な計画が無駄になることもあります。
それよりも「とりあえずやってみよう」で日々こまめな仮説立てと「実験」を行なって、うまくいった方法、
うまくいかなかった方法をどんどん蓄積していくことで、建設的な改善や成長に繋がっていきます。

時間の流れがとても早い現代社会では「PDCA」でなく、「D(実行)」を第一においた新しい考え方、
DCAP[Do(実行)→ Check(評価)→Act(改善)→ Plan(計画)]サイクルを意識することで、
刻一刻と変化する状況に適応していくことが可能になります。

インボルブ思考

「インボルブ(involve)」は、日本語に訳すと「巻き込む」です。
簡単に言ってしまえば、「他人を巻き込む」思考法です。
「すぐやる」と一口に言っても、周りの物事全てを「すぐやろう」と背負い込んでも、すぐに潰れます。
自分ができることには限界がある現状を認識し、不得手なことやできないことは、
一旦割り切って、それらが得意な人に任せる、という方針を取りましょう。

シンプレスト思考

「シンプレスト(simplest)」は、日本語に訳すと「最もシンプルな」です。
簡単に言ってしまえば、「シンプルに考える」思考法です。
「すぐやる」為に重要なのは、むしろ「何をやらないか」を見極めることです。
自分の頭で「なぜこれをやらないといけないのか」をじっくり自問自答して、明確な答えが
出てこない場合は「そもそもやらなくてもいいかもしれない」可能性があります。
その次の段階として「もしこれをやらなかったとしたら、どんな影響が出るか」を考えます。
「意外になんとかなりそう」と感じたのであれば、その仕事は「やらないことリスト」に入れてしまいます。
「やらないこと」を見極めることで、対照的に「本当に自分がやるべきこと」の重要度が可視化されます。

まとめ・所感

本書を含め、問題解決・ロジカルシンキング系の書籍を立て続けに何冊か読んだのですが、
どの書籍にも共通して書いてあったことは、「仕事の取捨選択を行い、対象を絞り込むこと」でした。
組織で働く以上、手持ち業務の取捨選択を行うことはなかなか難しいように思えますが、
これらを常に意識し続けていくことで効率的に業務をこなしていくことができるのではないでしょうか。

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著者近影

スターフィールド編集部

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