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株式会社ビーボ様

株式会社ビーボ様

酵素ドリンク・サプリメント・洗顔など幅広い商材を台湾で展開する株式会社ビーボ様。 稲田様は、2018年からビーボ台湾支社責任者に就任し、赤字続きだった台湾支社を黒字化、今後の事業展望にも大きな志を抱かれています。今回は、そんな稲田誠也様に台湾のEC事情やLaunchCartについてお話を伺いました。

最初の3か月は新規顧客ゼロ

台湾に就任された頃の状況を教えてください。

 実は私、3人目の台湾支社責任者です。しかし、当時は代理店様のコネクションや、パートナーとの関係が出来ていなかったので、全て1から作り始めるような感じでした。準備に時間がかかるため、最初の3か月くらいは新規顧客は0でしたね。

そこから売り上げを上げる秘訣はありますか?

 とにかくやるべきことを愚直にやりました。特に、スピード感はめちゃくちゃ大事にしていました。例えばオファーはCVRに関わってくる重要な要素ですが、多いときには1日に5回オファーを変更して効果計測をしていました。メンバーは混乱していましたが、立ち上がりの時期はそれくらいのスピード感でPDCAを回し続けることが大切です。

 そして何より、支社単体で利益を出すのが当たり前の目標です。「越境」や「台湾」となると、利益度外視で広告を出して、売り上げだけを作る戦略を取る企業さんもありますが、長くは続きません。すぐ利益を出すことは難しいので、長期投資として見て、地道に行動していくのが大切だと思います。

台湾では、「まとめ売り」をどのようにプッシュしていくか

台湾特有の商慣習や文化とかはありましたか?

 まとめ売りですね。日本ではまとめ売りが売れるケースは少ないと思いますが、台湾ではまとめ買いをして友達とか家族とかシェアする文化があります。また、高齢の方だとネットショッピングに慣れていない方も一定数いらっしゃり、友達にまとめて買ってもらったりすることが、かなり普通に行われています。他には定期購入があまりメジャーではないため、毎月の定期配送ではなく一括配送を希望されるお客様もいらっしゃいます。転売対策は必須ですが、多い人では20個、30個買われる方もいらっしゃるので、まとめ売りをどのようにプッシュしていくかは重要になってきます。

 まとめ以外の文化だと、サイトからではなく直接FacebookやLINEで注文してくださるお客様も多いです。買1送1 (1個買うと一個無料でもらえる)といった文化に代表されるように、セールやおまけが好きな方が多いため、Messengerで値引きやおまけの相談をされる頻度は日本より多いかもしれません(笑)

2回目継続率55~60%!(平均40~45%)

御社の事業の中で大切にしていることはありますか?

 弊社は、「〝なりたい〟に本気」というビジョンを掲げ、「Customer Success(以後CS)」、つまり、お客様の成功体験作りを一番に考えています。ビジョンを達成するためにCSチームによる顧客サポートの体制を自社で整えており、お客様の目的達成のために日々様々なご提案やCRM施策を実施しております。

 例えば、サプリメントを購入してくださったお客様であれば、まず商品購入の目的をヒアリングから始めます。弊社のサプリメントであれば、健康、美容、ダイエット、便秘解消など商品をご購入いただく目的は様々です。その後、お客様の目的に沿ってサプリメントの飲み方、管理栄養士作成の食事のレシピや運動方法のシェアなどを行っております。

 上記のような取り組みで効果を実感していただいたお客様は継続率が高い傾向にあり、弊社の定期でいうと二回目継続率は55~60%くらいです。台湾だと定期モデルの継続率は40%~45%と言われていますが、CSの効果もあって、この数字になっているのかなと思います。

LaunchCartのユーザーにとってもローカライズされているLaunchCart

LaunchCartを選んで頂いた理由は何ですか?

 まず、1番はコストパフォーマンスです。台湾現地のカートも含め様々なものを検討したのですが、日本のカートと比較するとコストが高いものが多かったです。売り上げの1~3%がコストとしてかかったり、注文件数に対する従量課金制だったり、固定費だとしてもかなり高額な金額だったり。そのようなカートが多い中で、これだけは欲しいという機能が盛り込まれつつ、リーズナブルだったため選ばせていただきました。

 また、言語設定が簡単に変更できることも重要でした。台湾の現地メンバーは日々中国語で操作していますが、私は日本語での操作です。台湾現地での運用を考えると、日本語オンリーのカートを使うわけにもいかないので、LaunchCartのユーザーにとってもローカライズされている点は魅力的だと思いました。

ECモールに出店せず、独自サイトにこだわっている理由はありますか?

 そうですね、理由は3つあります。1つ目は、価格をコントロールできない点です。台湾のECモールの場合、店舗側の意向に関係なくモール側が独自にセールを行うことが多く、価格のコントロールが弊社側でできなくなってしまうことが懸念点です。2つ目は、定期モデルにも手数料が発生する点です。お客様に定期購入して頂くたびに手数料が取られてしまうと店舗側の利益が少なくなり、店舗側のメリットはほぼありません。そして、最後はECモール経由のお客様に対して弊社のCSのサポートができない点です。ECモールの場合、店舗側は顧客の情報がわからず、弊社が強みとしているサポートが全く生かすことができません。こういった事情から、ECモールの出店は考えていませんね。

台湾で成功して、台湾から海外を目指したい

今後の事業展望を教えてください。

 1つ目は、商品数を増やすことです。台湾の市場は大きくないので、1商材で獲得できる母数が限られています。なので、スキンケアや美容、ダイエット等、様々な領域で商品数増やして、売り上げを増やしていきたいですね。今は4商材なので、今後6とか7商材まで増やすつもりです。

 2つ目は、台湾をハブにして、色々な国に行こうと思っています。上海とか、マレーシアとか、シンガポール、タイとか。台湾で成功して、台湾から海外を目指したいです。

越境ECから、台湾現地EC化の検討に進んでいくのがオススメ

台湾への越境ECを検討している人へアドバイスはありますか?

 やはり長期的な視点でビジネスを展開されることをオススメします。2016年頃から台湾越境や現地進出される企業が増えましたが、長期的にビジネスを展開しているのは一握りの企業です。確かに台湾は新日で他国と比較すれば参入しやすいですが、日本のビジネスモデルをそのまま持ってきて通用するわけではなく、トライアンドエラーを重ねながらビジネスモデルを構築していく必要があります。短期間で利益を出すのは難しいため、長期投資として見ていく必要があると思います。

 また、越境ECはあくまで最初のテスト段階であり、その後本腰を入れる際には、台湾進出をして現地法人として展開することを個人的にはオススメしています。なぜかというと、越境ECの場合、受け取り拒否になった商品が戻ってくるまでにかかる時間がすごく長いためです。商品を発送してから40日、長ければ2、3か月後に戻ってくることがあるんですよ。これはかなり致命的なことで、利益が出ていると思ったら出ていなかった、といったことが起きてしまうんですね。直近では、コロナの影響で発送が止まってしまい、売上が上がらなかったりお客様からクレームをいただくこともありました。こういったリスクがあるため、越境ECはあくまで最初のテスト段階の手段だと思っています新規件数を獲得したら、台湾現地EC化の検討に進んでいくのがオススメです。

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MINGFAN

自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。

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