STERFIELD

越境ECで成功する条件?

越境ECで成功する条件?<!--ikuta-->

はじめに

越境ECで高い売上を上げるにはどうすればよいのか?EC担当者の永遠のテーマです。

今回はある論文を通して、越境ECを成立させる条件について考えてみます。具体的なサイトにも触れながら、どのような商品がどのような売り方をしているか見ていきましょう。

越境ECで成功する条件?

日本政策金融公庫の竹内英二氏が2014年に発表した論文「期待される越境ECとそのリスク」で、越境ECで成功する条件として3つを挙げています。それが下記の3つです。

  1. 海外の消費者からの信用を得る
  2. 海外にないものを提供する
  3. 海外で買うより安く良いものを提供する

なぜ、この3つなのかの理由をまず紐解いていきましょう。

下記グラフは越境ECを普段利用しない理由について聞いたものです。

「期待される越境ECとそのリスク」https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1402_01.pdfより引用

  • サイトの言語が分からない
  • 購入までの手続き・操作方法が分からない
  • 自国のサイトと違う

これらのことが特に中国の消費者にとって、越境ECを利用しない理由として、上位にきていることが分かります。

「期待される越境ECとそのリスク」https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1402_01.pdfより引用

つぎのグラフは日本のECサイトから購入する理由について尋ねたものです。

  • 求めているブランド(商品)が国内で販売されていない
  • 国内で購入するよりも価格が安い

これらの理由が上位を占めていることが分かります。

この調査をもとに前述の竹内は、越境ECで成功する条件として

  1. 海外の消費者からの信用を得る
  2. 海外にないものを提供する
  3. 海外で買うより安く良いものを提供する

を挙げているのです。

論文は2014年のものですが、この傾向は現在も大きくは変わらないものと思います。この論文を踏まえ、2020年に再度別の研究者から発表された論文があるので、そちらの内容から以下に紹介いたします。

海外の消費者からの信用を得る!

海外の消費者から信用を得る方法として紹介されているのは、消費者目線に立ったサイトの制作です。日本語のサイトをそのまま翻訳するのではなく、海外の人の興味関心をひくような作りにすることが大切であると強調されています。

事例

https://maiko.ne.jp/より引用

https://chinese.maiko.ne.jp/より引用

株式会社タミヤは「舞妓の茶本舗」という名前でECと国内店舗を営業しています。コチラのサイトは日本語のほかに英語、ドイツ語、中国語に対応しています。

注目していただきたいのが、日本語のサイトとその他の言語のサイトで構成が若干異なっていることです。日本語のサイトではまず初めに、新着情報が目に入るのに対して、外国語のサイトでは、新着情報が省略され、お茶の歴史といった商品の魅力そのものを伝えるよう意図された構成になっています。

海外にないものを提供する

https://en.knot-designs.com/より引用

海外にないものというと日本の伝統工芸品や食品を思い浮かべる方も多いでしょう。血義に紹介するサイトは日本の職人の技術を活かした商品を海外で展開している事例です。

Knoto社は完全国産の腕時計で高品質でありながらも1万円代中盤から購入できることで人気を得ています。また、ベルトには長野県に伝わるタンニンなめしや山梨県のジャカード織りなど日本各地の伝統的な技法が使われており、まさに海外にないものを提供している一例です。

海外で買うより安く良いものを提供する

海外のデパートで正規輸入されたものを購入するより越境ECで買ったほうが安かったり、その国での需要はあまりないが、日本では安く販売されていたりする商品は、海外現地よりも安く提供できることがあります。

ただ日本からの越境ECの場合、国際送料がコスト増の原因になってしまうため、お得な見せ方や、そのサイトでしか買えない特徴を出していくことは必要でしょう。

まとめ

今回は、越境ECで成功する条件を論文を元に紹介しました。
この3つだけでなく、売れる原因、売れない原因は他にもたくさんあると思います。
弊社としても、色々試行錯誤して、越境ECでの勝ちパターンをもっと突き詰めて探求していきたいと思います。

《参考・画像出典》
「期待される越境ECとそのリスク」
「日本の中小企業における越境EC戦略の可能性と重要性-対中国越境ECの現状と課題」

Author Profile

著者近影

IKUTA

最近、よくセミナーにも登場します。

SHARE

合わせて読みたい