2021/07/02
HTML5がW3CからWHATWGが策定するLiving Standardに標準仕様が替わって2年たってた
HTML LSとHTML5の違いについてまとめ
今朝↑こちらの記事を読んで初めて知りましたが、2019年6月にHTMLの標準仕様がW3Cが策定しているものから、WHATWGが策定しているLiving Statndard(リビングスタンダード; 以降 HTML LS)に合意がなされ、以降はHTML LSがHTML5の標準仕様に替わっていました(合意の記事:HTML標準仕様の策定についてW3CとWHATWGが合意 今後はWHATWGのリビングスタンダードが唯一のHTML標準仕様に 2019.06.10)。
参考記事ではHTML LSとHTML5が別物のような書き方がされていましたが、正式にはHTML5の標準仕様がHTML LSになるということのようです(JavaScriptの標準仕様がECMAScriptである関係性に近いでしょうか)。
Is this HTML5?
Living Standard — Last Updated 1 July 2021 https://html.spec.whatwg.org/multipage/introduction.html#abstract
In short: Yes.
In more length: the term “HTML5” is widely used as a buzzword to refer to modern web technologies, many of which (though by no means all) are developed at the WHATWG. This document is one such; others are available from the WHATWG Standards overview.
10年ほど前、まだスクールに通っていた頃、2つの団体がHTML5の標準規格を巡って対立しているということを何となく教えていただいたのを覚えていますが、それが続いていて、当時圧倒的だったW3Cからもう1つのWHATWGに替わっていたとは驚きです。
WHATWGはApple、Mozilla、Opera、そしてて2017年からはMicrosoftも加わって策定されているそうです(参考: Web Hypertext Application Technology Working Group – Wikipedia)。これだけ中心的な開発者が推進していれば、W3Cと代替わりしたのも今となっては納得です。と思いましたが、W3CもMozillaとOperaが共同で作成してました。
W3Cが完成されたHTML5の公開を目指しているのに対し、WHATWGはHTMLの生活水準(Living Standard)のために継続的に仕様をアップデートしていくことを基本としていて、技術の進歩を優先しているWHATWGの方針が、新たな技術が次々に求められる今のWEB事情にマッチしたことがWHATWGに標準が移った理由かもしれません。
私がよくHTML、CSS、JavaScriptの仕様を確認するときに利用させていただいているMDN Web Docsで仕様確認している場合は、
W3Cに限定せず、「信頼できる標準化団体 (W3C、WHATWG、Khronos、IETFなど) の下で公開された仕様書で指定されており、妥当なレベルの安定性に達している」ことと「他のブラウザー開発者が興味を引く兆しを見せており、少なくとも1つのブラウザーで一貫して実装されている場合 」を前提に新しいウェブ標準技術を適切に文書化することを前提としており(参考: MDN の慣習と定義 – MDN プロジェクト | MDN)、W3CとWHATWGの標準仕様がマージされているような状態だと推察されるので、
W3CからWHATWGに標準仕様が換わっていることを意識する必要はそれほどないと思いますが、
W3Cのドキュメントで仕様確認されていた場合は注意が必要です。
ルビ(<rb>、<rtc>)や一部属性など、W3Cでは標準仕様だったものが、WHATWGのHTML LSでは策定されていないものもあるようです。
最初にご紹介した記事にW3CのHTML5標準仕様と、WHATWGのHTML LSの違いについて紹介されています。
参考にさせていただいたサイト
Author Profile
NINOMIYA
Webデザイナー兼コーダー出身のフロントエンド開発者です。 UXデザインやチーム開発の効率化など、勉強中です。
SHARE