STERFIELD

2020/11/27

アリババを支える物流会社「菜鳥網絡」が、ついに日本市場進出!今後の中国向け越境ECはいかに?

アリババを支える物流会社「菜鳥網絡」が、ついに日本市場進出!今後の中国向け越境ECはいかに?<!--mezaki-->

はじめに

越境EC関連企業にフォーカスする新シリーズ。

今回は、アリババを支える物流関連会社「菜鳥網絡」(ツァイニャオネットワーク、Cainiao Smart Logistics Network)をご紹介します。

今月11月11日はすっかりおなじみとなった大規模セール独身の日(W11)がありました。

毎年度肝を抜かれる成長率を誇りますが、2020年は11月1日から11日までのセール期間でアリババだけで7兆9千億円という流通総額となったようです。過去最高を記録した昨2019年が4兆1000億円でしたので200%近い成長率に見えますが、昨年の記録は11月11日のみの数字となっており、単純比較はできないです。

そして、もう一つの比較対象として、楽天の年間流通総額が3兆8千億円ですので、年間流通総額の2倍をセール期間のみで売り上げるアリババ。そのすごさがお分かり頂けるかと思います。

この手の内容は他でさらに解説されていますのでお任せしますが、今回フォーカスするのはそのアリババの物流関連会社「菜鳥網絡」です。

実は、11月11日に日本市場の参入を表明されました。独身の日と同日ということで話題はアリババに集まっており、あまりメディアでも取り上げられていなかったように思いますので、今回簡単に触れて行きたいと思います。

菜鳥網絡とは

「菜鳥網絡」(ツァイニャオネットワーク、Cainiao Smart Logistics Network)は、2013年にアリババと複数の運送会社(順豊、中通、円通、申通、韵逹)が出資して、深圳を拠点として設立されたアリババグループの物流関連会社です。

公式サイト:https://www.cainiao.com/

Wikipediaによると

物流会社ではあるが、自社でトラックなどを運行するわけではなく、順豊エクスプレス、円通速逓(YTOエクスプレス)(中国語版)、申通快逓(STOエクスプレス)(中国語版)といった中華人民共和国の宅配業者大手と「中国智能物流骨幹網(CSN)」を構築し、運用している。CSNは中華人民共和国内の荷物の70%を処理している。CSNに加入する企業のトラックや倉庫の稼働状況データを収集する共に分析を行い、担当を自動的に振り分ける、企業間での荷物の送り状を電子化するなど、ITを用いて、特定の宅配会社に集配業務が集中しないよう、コスト削減や配送時間の短縮といった効率化を実現している。日本通運もCSNと提携を行っているが、CSNによって中華人民共和国と日本間の電子商取引においては配送費が3割抑えられているとされる。

とのことで、株主である大手物流会社のハブとなる物流ネットワークを構築しました。

日本で言うところの、ヤマト運輸と佐川急便が手を組んで、両社で自動振り分けをするといったところでしょうか?

国土交通省が平成30年に発表した資料で上位2社のシェアがちょうど70%程度です。寡占の上位2社が手を組むという日本ではなかなか考え辛い提携だなと思ったのは筆者だけでしょうか?

それを実現できてしまう中国はすごいなと思います。

出典:国土交通省 

使命「四通八達」

「菜鳥網絡」が掲げるミッションが「四通八達」です。直訳すると道路などが四方八方に通じていることになりますが、菜鳥網絡はこれを具体的に「中国全土24時間、全世界72時間」の配送を実現することとしています。

日本市場への進出について

冒頭で説明をしましたが、2020年11月11日に日本市場への進出を表明致しました。

リリース文は以下をご覧ください。

https://kyodonewsprwire.jp/release/202011116953

ファーストマイルからラストマイルに至るエンドツーエンドの物流およびサプライチェーンサービス、倉庫保管、国際配送、通関手続きのワンストップソリューションを提供とあり、つまりは日本から中国への配送をワンストップで提供をするということになります。

日本側の企業としては、日本通運、4PX、シノトランス(Sinotrans)、宏遠グループ(Hongyuan Group)と提携するとのことです。

まとめ

中国国内の荷物の70%を捌く物流ネットワークを構築する「菜鳥網絡」(ツァイニャオネットワーク、Cainiao Smart Logistics Network)いかがでしたでしょうか?

今までは越境ECによる中国への配送は直送モデルと保税区モデルに大別され、商品種目ごとに税金が違うなど、非常に複雑で、これから越境ECを試みる日本企業にとっては非常にハードルが高いものでした。

これらが、菜鳥網絡の日本市場参入によって中国への物流をワンストップで担ってくれることにより、越境ECへの参入障壁を下げ、結果として越境ECの市場を拡大してくれることを期待しております。

Author Profile

著者近影

YUJI MEZAKI代表取締役副社長

代表取締役副社長をやっています。 越境ECとWebマーケの営業担当しています。 なんでもカリカリにチューニングして生産性あげるのが好きで勉強したビジネスフレームワークの記事多め。 趣味はPC自作で会社のWindowsデスクトップはほぼ自分が組みました。 1985年生/2008年早大卒/

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