東南アジアのEC市場最新情報
e-Conomy SEA 2019を解説!
はじめに
Googleとシンガポールの政府系投資会社Temasekは、毎年東南アジアのデジタル市場についての年次レポートを作成しています。 現在、東南アジアのデジタル市場についての最もオフィシャルなデータとして利用される、このe-Conomy、2019年版のECに関する部分について、要点をまとめました。
《原文》e-Conomy2019 (Google, Temasek, Bain&Company)
東南アジアのデジタル市場規模
2019年に、東南アジアのデジタル市場は1000億ドルに達し、2015年の市場規模から約3倍まで拡大しています。このスピードは、今後も続くと考えられ、2025年には、3000億ドルに達する見通しです。
その中でも、ECのアクティブユーザの数は、2015年の4900万人から、2019年には1億5000万人まで成長しました。現在では、1日当たり、平均500万回もの注文が行われており、今後数年間で、ECは東南アジア人にとってなくてはならない生活の一部になると予測されています。
(e-Conomy2019(Google, Temasek, Bain&Company) p14より)
ECイベントの重要性
アメリカにもブラックフライデーがあるように、東南アジアでは、9.9や独身の日(11月11日)、12.12など、様々なECイベントが開催されており、常に凄まじい人気を博しています。Googleトレンドのデータによると、EC関連のクーポンや割引券、プロモーションに関する検索や問い合わせは年々増えています。
今後、東南アジア圏に進出する場合は、これらのタイミングを合わせてプロモーション戦略を立てるといった施策がマストとなっていると伺えます。
(e-Conomy2019(Google, Temasek, Bain&Company) p38より)
※国別のECイベントのまとめ記事も掲載しているので、ぜひご覧ください
最近のECトレンド
今までは、テレビやスマホなどの高額商品を安く買うためにECを利用されることが多かったのですが、近年は食材の買い物や、パーソナルケア商品、美容商品などがECで売買されることが当たり前になってきました。そのため、1回の注文で支払われる金額は低下しており、現在は15ドル~20ドル程度です。
また、野菜、緊急の買い物がすぐ届くように、次の日やその日に配送されるオプションを用意したりするEC事業者が増えています。
そして、多くのEC事業者が乱立する中で、継続的に買い物をしてもらえるように、それぞれの事業者がユーザーに対して、商品のクオリティの高さや、ブランドのオリジナリティ、ショッピングの安心性などを訴求するようになっています。
まとめ
今回は、e-Conomy2019の、ECに関する部分についてまとめてみました。 東南アジアのEC市場は、かなり盛り上がってきていて、筆者の肌感覚でも2年前よりかなり多くの人が利用してきていると感じます。 今後の動向に注視しながらも、新しい市場への参入というチャレンジに一歩踏み出す時かもしれません。
Author Profile
MINGFAN
自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。
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