Eコマースにおける購入の決め手は?(2)
支払いのしやすさに注目
はじめに
消費者は何を決め手に購入を決めるのか、様々な視点から考察するシリーズ第2弾。
前回は化粧品をオンラインで購入する消費者の購入タイミングの傾向について紹介しましたが、今回は「支払方法」をピックアップします。
人気の支払方法は?
よく使われる支払方法は国や地域によって異なります。
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アメリカ
- クレジットカード決済(40%)
- デジタルウォレット(32%)
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中国
- 第三者決済:アリペイ(Alipay/支付宝)やWeChat Pay(微信支付)など(82.9%)
- クレジットカード、デビットカード(65.3%)
- クイック支払い(53.8%)※
※アカウントに金融機関のカード番号を紐付けパスワードの入力で支払いを行うもの
参考: JETRO
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日本
- クレジットカード決済(約60%)
- PayPay(オンライン決済)(約24%)
- 楽天ペイ(オンライン決済)(約11%)
また、中国、台湾、香港、韓国以外のアジア圏では、クレジットカードの普及率が高くないため、代引きや銀行振込、コンビニ支払い、あるいは各国独自の決済手段などの利用率が高い傾向があります。
詳しくはこちら
利用したい決済手段がないと…?
写真は調査結果ページのキャプチャ
ECサイトで何かを購入しようとカゴに入れたあと、普段利用する決済手段がなかったらどうしますか?
上記調査によると、約53%の人がそのサイトで購入せずに離脱することがわかりました。
また4割以上の人は、別のショップで同じ商品を探して購入すると答えています。
つまり、決済手段の不足が、顧客流失の直接的な原因となっているというわけです。
増やすべき決済手段は?
今、何といっても熱い決済手段と言えば、いわゆる「BNPL(後払い決済)」でしょう。
世界の後払い決済の事情についてはこちら
Adobe の最新の e コマース調査によると、アメリカのECで購入する際のBNPL の利用率は、23年1月と2月で、昨年と比較すると約10% 増加したそうです。
インフレにより、この期間のEC全体の収益自体は減少したものの、昨年、BNPLでの購入額は 2021年と比べて14%増加し、BNPLからの収益は 27%増加したと言います。
また同調査によると、BNPLで最も購入されたのは食料品でした。BNPLの利用を呼びかけるプロモーションが活発化しており、生活必需品をお得に買おうとする購入者が一定数いたことを示しています。
なお、2番目に購入されたのは家具でした。
アメリカではクレジットカードの負債額が年々増大しており、利息の負担や限度額の問題などがクレジットカード離れの一因となっているようです。
参考:https://martech.org/more-ecommerce-shoppers-using-buy-now-pay-later/
まとめ
まだBNPLがクレジットカードに取って代わるというほどの状況ではありませんが、今後利用率が上がっていくことは間違いありません。特に先に述べた通り、クレジットカード普及率の低いアジア圏へ進出する場合、BNPLの導入は必須と言っていいでしょう。
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TOMI
制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。
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