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インバウンド復活!タビアト越境ECについて考える

インバウンド復活!タビアト越境ECについて考える<!--ikuta-->

はじめに

2023年6月8日現在、コロナウイルスも収束し街中では、多くの外国人観光客を見かけるようになりました。中国の水際対策も撤廃され、さらに多くの観光客が期待できるでしょう。

コロナ以前にインバウンドに頼っていた小売店やメーカーにとっては、コロナは大きな打撃になりました。「この数年でインバウンドのありがたさを実感した」との声も聞きます。

そういった中で、タビアトとしての越境ECに再び注目が集まるとも言われています。タビナカで商品を購入してもらい、その後も越境ECで中長期的な関係を築いていこうというものです。今回は、そのタビアトとしての越境ECについて考えてみます。

越境ECで購入する必然性について

以前こちらの記事でもタビアトとしての越境ECについてまとめました。この記事では、タビアト越境ECがあまり盛り上がっていない理由として、

①大企業や自治体だとECとインバウンドでは、扱う部署が違うこと

②越境ECで買う理由(必然性)がある商品が少ないこと

以上を挙げました。

この必然性について、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

越境ECというビジネスモデル自体、国内ECと比較して送料などが掛かるわけですから構造的なハンディキャップがあります。そもそも越境ECで買う理由(必然性)が必要なことは、タビアト越境ECに限りません。

越境ECで買う理由(必然性)についてさらに分解すると、「機能的な価値」と「情緒的な価値」に分けられると言われています。マーケティングの教科書に載っているような内容です。

「機能的な価値」は例えば、いろいろな機能がついてるだとか、サイズがコンパクトだとか他の製品と比べてより便利だから購入するということです。

「情緒的な価値」は、この商品を持っているとかっこいいだとかブランドの理念に共感しただとか、そういった商品のファンになってもらえるような価値を指しています。

情緒的な価値の追求?

この「情緒的な価値」の追求とそれに共感する人を増やすことこそが、タビアト越境ECの成功の秘訣なのではと思います。

「機能な価値」についてはものが溢れる現在では、なかなか差別化した訴求が難しくなっています。かつて中国人観光客が爆買いをしていた時期に購入されていたのは、ドラックストア商材や日本製の家電でした。しかし、現在では中国でもコストパフォーマンスの高い家電を購入できますし、かつてのように炊飯器を5個も6個も抱えて秋葉原を練り歩く姿は見られなくなっています。

「情緒的な価値」を高めブランドのファンになってもらうには、インバウンドで店舗に来てもらうのが最も効果的と思います。ブランドに対するファンになってもらい、継続的に商品を購入してもらえる状態はECにおいて理想的な状態です。EC販売は、顧客と中長期的な関係を持つ前提に設計をすることが多いです。一度店舗に来店してもらいブランドの雰囲気やカスタマーサービスで、ファン化する。来店のタイミングで、インスタグラムなどSNSに登録してもらい、長期的なコミュニケーションを図り、再度の購入を促す。そんなフローの実現が、タビアト越境ECのキモになるのではないでしょうか。

まとめ

「情緒的な価値」をいかに高め、越境ECという多少購買ハードルが高いスキームでも購入してもらうか、考え続けたいと思います。

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IKUTA

最近、よくセミナーにも登場します。

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