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2024/08/28

昨今の円高要因を考察

昨今の円高要因を考察

はじめに

この記事では、昨今引き起こされている「円高の要因」と「円高による経済影響」に関して考察していきます。

円高とは?

「円高」とは、日本円の価値が他の通貨に対して上昇する現象を指します。 具体的には1ドル=100円のときであれば、1,000円で10ドルのモノを購入できます。 円高が進み1ドル=80円になると、1,000円あれば12.5ドルのモノを購入することが可能になります。

円高の原因

日本円の上昇には様々な要因がありますが、昨今の円高には主に下記の要因が強く関係していると想定されます。

1.日本銀行による金利引き上げ

日本銀行は7月31日に、政策金利を0・25%へ引き上げることを決めました。 日本銀行による利上げは2007年2月以来およそ17年ぶりとなります。

マイナス金利政策を解除

1-1.利回りの上昇

日本の金利が上昇すると、円建て資産に対する利回りが増加します。 これにより、外国の投資家が円建て資産に投資する際のリターンが高くなるため、円が購入され、円高が進行します。

1-2.円高の期待

中央銀行(日本銀行)の政策変更が予測・実行される場合、投資家の期待や予測も円の価値に影響を与え、日本円が上昇する可能性があります。 具体的には、金利が上昇する場合には円高が進むと予想されるため、投資家は円高の恩恵を受けるために、その動向を先取りし、円を購入することがあります。 そのため更なる円高に繋がる可能性があります。

2.中東戦争のエスカレーション

世界的な不安定要因が高まると、安全資産としての円が購入され、円が上昇することがあります。

円が安全通貨として認められる歴史的背景

現在のパレスチナ問題(パレスチナという地域をめぐり、アラブ人とユダヤ人が起こしている対立)によるパレスチナ・イスラエル戦争の激化で、円の購入が進み、円高が強まっている可能性があります。

円高による経済影響

1. 輸出企業への影響

円高が進むと、日本からの輸出品が外国で高くなるため、価格競争力が低下します。 これにより、輸出が減少する可能性があります。 また、輸出企業が外国で得た収益を円に換算すると、収益が減少するため、特に海外売上の比重が高い企業では影響が大きくなります。

2. 輸入企業への影響

円高により、外国からの輸入品が安くなるため、輸入企業のコストが削減され、利益が増加する可能性があります。

最後に

今後の円相場の動向について

上記で述べた要因と、国際経済や金融市場の動向、中央銀行の政策、国内の経済指標等の、その他要因が複雑に絡み合って決まります。 そのため、円相場の動向予測はとても困難となります。 今後の円相場の動向を把握するためには、様々な要因を総合的に判断することが重要となります。

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著者近影

PELLET

Global EC Operation部

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