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その場で受け取り&試着&返品!新たなフランスの物流サービスとは

その場で受け取り&試着&返品!新たなフランスの物流サービスとは

はじめに

オンラインショッピングが当たり前になった今日この頃ですが、平均サイズオーバーな服や靴が必要な場合、やはり店舗に行くという方が多いのではないでしょうか。 Z●Z●スーツのように自宅でバーチャル試着ができるツールの開発など、様々な方法が考えられていますが、やはり実際に身につけないと分からないものです。 そうなると、遠い店舗の商品にはなかなか買おうと思えなくなってしまい、店舗と購入者双方にとっての機会損失になっているのが現状といえます。

近所の郵便局が試着室に!フランス郵便局が実験開始

フランスの郵便サービス会社La Posteは、パリにある郵便局2か所に試着室を試験的に設置しました。最終的には計7店舗に試着室を設置したいとしています。この実験では、顧客はオンラインで注文した商品を受け取った後、すぐに試着することができます。

La Posteによると、多くの消費者は郵便局から荷物を受け取り、家で試し、またその同じ荷物を持ってきて、返送してしまうそうです。そこで、郵便局に試着室を設けることで、消費者の利便性がアップするのではと考えたといいます。

黄色いドアの試着室の中には椅子、鏡、棚が設置されているそう(Photo by ALAIN JOCARD / AFP)

まず1つ目の利点として、消費者は、試着室で衣類を試着した後、その場ですぐに返品することができます。さらに、パートナー事業者のものであれば、返送荷物用に無料返品ラベルを印刷することもできます。その場で返品不要と判断できればすぐに使えるので、新しい商品をまた探して注文する必要もありません。

La Posteの広報部は「私たちはお客様の生活を楽にしたいと考えています。この実験により時間と労力が節約されるのです」と述べていますが、もちろんこの試みは、同社にとっても利点があります。つまりこの試みにより、様々な物流サービスが登場する中、より多くの消費者に自社のサービスを利用してもらうきっかけになりうると考えているのでしょう。

他の郵便会社と同様に、ラ ポストでは最近、処理する手紙の数が減少しています。同社は物流サービスに投資することでそれを補いたいと考えていると見られています。2024年1月時点では、まだパリの2か所しかありませんが、まもなくあと3軒を追加し、最終的には7か所に増やす予定とのことです。

フランスの起業家協会(CdCF)は、試着室によってオンラインショッピングが消費者にとってさらに魅力的なものになり、実店舗に足を運ぶ人が減ってしまうのではないかという懸念を表しています。確かに、これ以上オンラインショッピング利用者が増えれば、特に小売店にとっては大きな打撃になりえます。 しかし現状では、La Posteはそこまでサービスを拡大するような計画は発表していません。

おわりに

元々返品のハードルが高くないヨーロッパ諸国ではありますが、もしこのようなサービスが広まれば、ますます返品しやすくなり、事業者側としては返品リスクが高まるのでは?と思わなくもありません。はたしてこの実験、どのような結果になるのでしょうか。 そしてもし、同様のサービスが日本でもあったら、皆さんは使ってみたいと思うでしょうか?

参考: https://www.thelocal.fr/20240110/why-post-offices-in-france-are-opening-changing-rooms-for-shoppers https://ecommercenews.eu/la-poste-installs-fitting-room-in-post-office/

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TOMI

制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。

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