## はじめに
私は台湾出身で、台湾に住んでいた頃は日本の商品を購入する際、よく代理購入サービスを利用していました。

現在の時代では、代理購入（例：台湾メルカリ）だけでなく、越境ECサービスが急速に増え、国を越えて商品を購入できる環境がさらに整ってきています。

そこで今回は、台湾の友人たちにも話を聞きながら、現在の台湾における越境ECの利用状況について、少しご紹介したいと思います。

## 越境ECが人気の理由
越境ECを利用する人は年々増加しており、期間限定商品や、現地のオンラインショップでしか購入できない商品（例：ちいかわコラボ商品）、中古品（例：アニメグッズ）を求める人も多くなっています。
では、なぜ越境ECがここまで人気なのでしょうか？その理由を一緒に見ていきましょう。

- 海外の方が価格が安い
- 現地限定の商品が手に入る
- 品揃えの幅が圧倒的に広い
- 過去の利用経験が良く、安心して購入できる
- 高品質な商品が多い

資料出典：https://www.businessweekly.com.tw/business/blog/3018801

## 越境ECを利用していない理由
越境ECでの購入は、現地のECサイトでの買い物とは異なる点が多く、そのため利用していない人も一定数存在します。
また、台湾では通関手続きをスムーズに行うため、台湾政府が運営する実名認証アプリ 「EZ WAY（易利委）」 の登録が必要です。

- 詐欺/偽物への不安
- 配送に時間がかかる
- 追加の関税が発生する可能性
- 返品コストが高い
- 返品手続きが複雑

資料出典：https://www.mirai.com.tw/analysis-of-taiwan-traffic-to-global-cross-border-e-commerce-platforms-diagram/

## 越境ECで購入される商品のカテゴリー
越境ECで購入される商品カテゴリーには、特にファッションや雑貨、電気製品など、日本の商品に対して高い信頼や魅力を感じる分野に人気が集中しています。

- 服装（65%）
- 電気製品（60%）
- 靴（52%）
- 化粧品（49%）
- 家具（47%）
- 本（42%）
- スポーツ&レジャー用品（42%）
- 家庭用品（38%）
- 玩具&ゲーム（38%）
- 食品&ドリンク（34%）
- 健康食品（33%）
- アクセサリー（30%）
- ペット用品（26%）
- デザイナーズ商品（23%）
- CD/DVD（19%）

資料出典：https://www.mirai.com.tw/analysis-of-taiwan-traffic-to-global-cross-border-e-commerce-platforms-diagram/

## まとめ
技術の進歩により私たちの生活はますます便利になり、それに伴い台湾でも越境ECや代理購入サイト（例：台湾メルカリ）の利用が増加しています。

多くの人が越境ECを通じて、期間限定商品や現地限定商品、中古品を購入しており、その理由には価格の安さ、品揃えの豊富さ、高品質で安心して購入できる点が挙げられます。
越境ECで人気のある商品は、服装、3C電子製品、靴、化粧品、家具など、日本製品への信頼度が高い分野に集中しています。

将来的に越境ECで商品を販売してみたい場合は、これらの人気カテゴリーを参考に、消費者の嗜好や市場の需要を把握すると良いでしょう。


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台湾における越境ECの現状と人気商品カテゴリーとは？

以前書いた[ファッション型業界における循環経済（サーキュラーエコノミー）についての記事](https://sterfield.co.jp/blog/ec-reflaunt/)では、Reflauntのケーススタディを通じて、一次流通と二次流通（リコマース）を一体で設計する重要性を整理しましたが、これは欧州全体の潮流としてもますます明確になっています。
今回はECこそが循環経済を推進する原動力</strong>であることを、ドイツ市場の具体データとともに紹介します。

<h2>ドイツ消費者の“ふつうの選択”になった中古オンライン取引</h2>
<ul>
  <li>55％の消費者が昨年オンラインで中古品を購入</li>
  <li>52％が中古品を販売</li>
  <li>カテゴリーはファッション／書籍／電子機器が中心</li>
  <li>購入理由は「環境配慮（71.5％）」「価格の安さ（71.2％）」「費用対効果（66％）」が上位</li>
  <li>77.6％が「今後12ヶ月以内に再び中古品をオンライン購入する」と回答</li>
</ul>
<p>
価格志向とサステナビリティ志向が重なり合い、「中古をオンラインで買う／売る」は、もはやニッチではなく<strong>合理的で当たり前の選択肢</strong>になっていることがわかります。
</p>

<h2>リコマースは“EC全体の成長率の約2倍”で拡大</h2>
<p>
2024年のドイツ・リコマース市場は<strong>99億ユーロ</strong>、前年比<strong>+7.2%</strong>成長。これは同国のオンライン商品支出全体の成長率（+3.8%）のほぼ2倍に相当します。循環経済の文脈で「売上が取れない」という思い込みは、もはや通用しません。
</p>

<h3>P2Pから大手リテールまで：プレイヤーは一斉参入</h3>
<ul>
  <li>Vinted、eBay KleinanzeigenなどのP2Pマーケットが牽引</li>
  <li>Ikeaは中古家具専用のマーケットを開設</li>
  <li>Decathlonは中古スポーツ用品を拡充</li>
  <li>Amazonの中古品市場は10億ユーロ規模へ</li>
  <li>TikTok Shopも欧州で中古販売に参入</li>
</ul>
<p>
一次流通・二次流通の境界は溶けつつあり、<strong>「新品を売るだけのEC」から「ライフサイクル全体を設計するEC」へ</strong>と役割が拡張しています。
ただし、政策の対応はまだ不十分であるといわれ、税制や定義の整備など、業界の実態に即した政策支援が求められています。
</p>

<h2>日本のEC事業者が“今すぐ”進められることは？</h2>
<ol>
  <li><strong>再販チャネルの設計</strong><br>自社内運用か、マーケットプレイス連携か（Reflaunt型を含む）を早期に意思決定。</li>
  <li><strong>プロダクト情報の“循環前提”拡張</strong><br>製品状態のスコアリング基準、修理履歴、部品の可用性など、リセール時に必要となるデータ項目を最初から設計。</li>
  <li><strong>返品→検品→再販の“逆物流（リバースロジスティクス）”をKPI化</strong><br>回収リードタイム、再販率、再販までの日数、マージンなどをダッシュボード化。</li>
  <li><strong>デジタル製品パスポート（DPP）への備え</strong><br>EU発の要請は域外事業者にも波及の可能性。製造・素材情報、修理可能性、リサイクルルート等のデータ整備ロードマップを引いておく。</li>
  <li><strong>税・会計・ラベリングの整合性確認</strong><br>「新品／中古／再製造品」の価格設定ルールと表示基準を明確化し、法規制アップデートを継続モニタリング。</li>
  <li><strong>“価格だけじゃない”購入動機の設計</strong><br>CO₂削減量や廃棄回避量の可視化、循環ポイント・下取りクレジットなど、“環境貢献が見える”UXを設計。</li>
</ol>

<h2>まとめ：循環は“善行”ではなく“勝ち筋”になった</h2>
<p>
このように、循環モデルは事業成長と両立する“経済合理性”を帯び始めています。ドイツの例は、ユーザー行動（価格×環境）・市場規模（高成長）・プレイヤー（大手の本格参入）の3点セットが揃うと、循環は一気に“主流化”することを示しました。<br>
日本のECも、<strong>“再販前提のプロダクト情報設計”と“逆物流のKPI化”</strong>という実務レイヤーから着実に着手し、規制・標準化の流れを先取りしていくべきタイミングに来ています。
</p>

参考 ：[Ecommerce is the driving force of the circular economy](https://ecommercenews.eu/ecommerce-is-the-driving-force-of-the-circular-economy/)



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ECは「循環経済」を“実装”する最前線へ


### はじめに

近年、オンラインショッピングの普及に伴い、返品率が急増しています。消費者の利便性が高まる一方で、小売業者には莫大なコストをもたらし、環境にも深刻な影響を与えているのです。ある報告書によると、オンラインショッピングの返品は、小売業者に数十億ドルの費用をかけるだけでなく、大気中に大量の二酸化炭素を放出し、大量の廃棄物を埋立地に投棄しているといいます。

### 返品の経済的コスト

[CleanHub](https://www.cleanhub.com/)（ブランドが環境にポジティブな影響を与えるためのソリューションを提供するドイツの企業）の[報告](https://blog.cleanhub.com/ecommerce-returns-environmental-impact#eight)によれば、2022年にはオンライン小売業者が返品により8160億ドルのコストを負担しました。これは、オンラインで購入された商品の最大30％が返品されているためであり、実店舗での返品率の3倍に相当します。この結果、年間で2400万トンの二酸化炭素が排出されています。

それほどの影響を生んだ原因は、返品された商品は再販されることが少なく、再販よりも廃棄する方が安価であることが多いためでしょう。2022年には95億ポンドの返品商品が埋立地に送られたとのことです。実店舗での購入とは異なり、ネットショッピングでは購入の際に製品を実際に手に取って確認することができないため、サイズの不一致や品質、見た目などが期待通りでないということが生じやすいのは当然です。しかしだからといって、この状況を無視するわけにはいかないでしょう。

### 返品の管理

アメリカに拠点を置く500以上の小売業者を対象とした最近の調査によると、49％の小売業者が返品を深刻な問題と見なしており、特にホリデーシーズン中にはその傾向が強まります。返品管理企業goTRGのCEOセンダー・シャミス氏は、「オンラインショッピングの増加と返品ポリシーの容易さがこの傾向に貢献している」と述べています。返品の管理には多くのコストがかかり、商品をきれいな状態で再販するためには高度なインフラが必要です。そのため多くの小売業者は、返品商品を再販するのではなく、大幅に値下げしてリクイデーターに売却するか、廃棄してしまうことが多いのです。「返品商品が埋立地に送られるのを防ぐには、小売業者が循環型経済の参加者になるしかありません」。

### 環境への影響

CleanHubの報告書によると、オンラインショッピングは実店舗よりも4.8倍多くの包装廃棄物を生み出します。返品された商品はしばしば再包装され、再販の準備がされますが、全プラスチック包装廃棄物のうち91％が、最終的には埋立地行きになるか、環境を汚染することになります。

特にファッション業界では返品率が高く、衣類の返品率は平均で32％に達します。多くの顧客が衣類を試着したり、1回着用してから返品するため、再販が困難になり、結果的に多くが埋立地に送られます。

### 返品管理への投資

返品問題に対処するため、多くの小売業者が返品プロセスの強化に投資しています。過去1年間で75％の企業が返品管理に100万ドルから500万ドルを投資しており、返品率の低減や効率的な返品管理を目指しています。これにより、2022年には8160億ドルだった返品問題が2023年には7430億ドルに減少しました。

シャミス氏は、「小売業者は『keep it（返品無し返金）』、優良顧客、一部の払い戻し、即時交換、即時クレジット、追加のドロップオフオプションなどの機能を備えた動的な返品ソフトウェアを通じて革新的な返品戦略を展開するようになってきている」と述べています。このような取り組みにより、顧客満足度を向上させつつ、売上を確保することができます。

### まとめ

オンラインショッピングの返品は経済的コストや環境への負担が大きい問題です。しかし、効果的な返品管理とサーキュラーエコノミーへの参加により、この問題は解決できる可能性があります。

以前フランス郵便局が荷物を受けったらその場で試着～返品を可能とする試みを[紹介](https://sterfield.co.jp/blog/postoffice-fitting/)しましたが、環境負荷の低い返品や再販を小売業者やブランドも独自に導入していかなければならない段階に来ていると言えます。
小売業者が革新的な返品戦略を導入し、持続可能なショッピング環境を提供することで、返品による環境への影響を最小限に抑えることが求められているのです。

また消費者自身も、オンラインショッピングの便利さを享受する一方で、その裏にある問題にも目を向けることが重要なのではないでしょうか。

##### 参考
https://www.ecommercetimes.com/story/e-commerce-returns-billion-dollar-burden-on-business-and-the-planet-177950.html


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ネットショッピングの返品とそれが与える環境への影響とは？

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