STERFIELD

2017/08/10

非金融機関のための銀聯「網聯」来年から始動

非金融機関のための銀聯「網聯」来年から始動

銀聯は中国の銀行を繋ぐ決済ネットワークであるのに対し、「網聯」は非金融機関と銀行の連携をサポートするための仕組みだという。
銀聯、網聯ともに中国人民銀行主導で設立されている。
非金融機関とは具体的にはAlipayやWechatPayなどのいわゆる第三者決済のことだ。
これら第三者決済の取引はユーザー間、ユーザーと銀行間で行われていたが、この流れに「網聯」を介すことが必須となるということのようだ。
(具体的には「ユーザーと銀行間」については網聯を介すことが必須とのことだが、「ユーザー間」については内容が曖昧なため判断できない)

第三者決済各社は2017年10月15日までに網聯と接続しなければならず、最終的には2018年6月30日の決済からは全ての取引において網聯を通さなければならなくなるという。

実は2017年3月31日から試験運用が開始されており、第三者決済業社はAlipay、WechatPay、京东支付の3社が参加しているとのことだ。

メリットとしては、現在までは第三者決済業各社はそれぞれの銀行と個々に直接システム連携し、それぞれの手数料を支払うことで成立してきたものが、今後は網聯にだけ接続すれば網聯加盟銀行すべてと連携ができるようになるという。
これは手数料の均一化と開発コストの削減につながり、ひいては第三者決済業への参入障壁を下げる効果もある。
目覚ましいスピードで発展した中国の電子決済が更に発展し、グローバル展開することで中国以外の国でも人々の財布を握るというビッグビジネスのきっかけになるかもしれない。

デメリットというか残念なのは、結局中国政府の息のかかった銀聯ないし網聯を強制的に通さなければならなくなってしまったことだ。
当然取引は全て監視されるだろうし、国外での決済についても上限額を検知されることになるだろう。
あと、もしかしたらだが海外企業は更に参入が難しくなるかもしれない。

今後期待することとしては、セキュリティの向上と個人の信用情報の整備よって、よりユーザーの利便性が高い決済サービスが利用できるようになることだ。
たとえば定期購入や分割払いなど。

いずれにせよ、今後の中国の決済事情を左右する動きなので、随時目を配っておきたい。

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HOSHINO

ECのことを中心に書きたいと思います。 ネタが無いときはプログラムやデザインのことも書きます。

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