STERFIELD

2020/06/26

【書評】インサイドセールス スペシャリスト教本

【書評】インサイドセールス スペシャリスト教本

はじめに

社内制度のOKRを活用して、インサイドセールスのフロー構築に役に立ちそうな書籍を5冊購入してもらいました。そのアウトプットとして書評を行っていきます。
今回ご紹介するのは、「インサイドセールス スペシャリスト教本」です。監修はインサイドセールスツール「ベルフェイス」を提供しているベルフェイス株式会社です。






この本を選定した主な理由は、下記2点です。

    ・インサイドセールスの概要を把握したかったため
    ・実際にインサイドセールスを導入している企業の事例を確認したかったため

内容

本書の流れ

本書は、6つの章に分かれており、インサイドセールスの概要、実践・インサイドセールス、導入事例の3つに分類できます。

インサイドセールスの概要

最初の「マーケットの理解」では、そもそもインサイドセールスとは何なのか、どうして求められるようになったのかを簡単に説明しています。第1章の最後に本書でのインサイドセールススペシャリストの定義がされていました。

「インサイドセールススペシャリスト」とは、組織内にインサイドセールスチームを立ち上げ、運用するために必要な知識(インサイドセールス導入メリット、組織体制、運用ポイント、各種ツールの特徴、導入事例)を有するものを指します。

第2章では、「インサイドセールス導入のメリット&必要なツール」が詳細に紹介されています。下記が紹介されているメリット群です。

    インサイドセールス導入の9つのメリット
    1.コストをかけずに営業エリアを拡大
    2.移動時間とコストをゼロ/大幅に削減
    3.営業リードタイムを大幅に短縮
    4.1日当たりの商談数が2~4倍に
    5.スピード対応で顧客満足度アップ
    6.既存顧客との接触頻度を向上
    7.社員の就労環境を改善
    8.セールスの短期育成
    9.採用力の強化

実践・インサイドセールス

第3章「実践・インサイドセールス【組織編】」では、インサイドセールスを導入するにあたり組織がどの様なマインドを持っておく必要があるのか紹介しています。

弊社では、新型コロナウイルスと関係なしにインサイドセールスを導入することが決まったのですが、従来の営業活動が出来ないから仕方なく取り組んでいる企業もあるかと思います。そういった企業は特にこの章に係れている内容をよく確認しておく必要があると思います。取り組み体制として挙げられている3つのポイントが実践出来ている企業は、かなりの効率化を図れているはずです。

    取り組み体制3つのポイント
    1.インサイドセールス「専門チーム」を作る
    2.「分業」が成功のポイント
    3.訪問と組み合わせるときは「訪問基準」を設ける

第4章は「実践・インサイドセールス【環境編】」としてインサイドセールス3種の神器や、その他用意すべきものについてまとめられています。3種の神器として挙げられているのが電子契約、オンラインカレンダー、訪問申請書なのですが、訪問申請書の存在が非常に興味深いと思いました。

フィジカルで商談を行うことが無駄であるという生産性意識を浸透させることが目的です。「わざわざ行くべきか」と考え、申請書を記入申請の確認をする暇があるなら、すぐに訪問をすればいいと思ってしまいます。この辺りは私自身の生産性意識の低さが要因だと思います。

第5章は、実践・インサイドセールス【運用編】です。成果を上げるためのテクニックが5つ紹介されています。具体的には、対応スピードの重要性、トークスクリプト作成のコツ、来社希望の切り返し方などです。後述しますが、ここの章が弊社で取り入れようとしているインサイドセールスとの乖離が一番大きかったです。

導入事例

第6章は「導入事例」となっており、13社の導入事例が紹介されています。社員50名以下の中小企業から5000名以上の業界大手まで幅広く導入されていることがここで確認出来ます。導入に至るまでの背景は各社それぞれで、近い悩みの事例が見つかると思います。

活用

活用の前に、弊社でのインサイドセールスの範囲と本書におけるインサイドセールスの範囲についてご紹介します。

弊社でのインサイドセールスは、リードナーチャリングが主目的です。なので、商談自体はいわゆるオンラインミーティングの形式を取っています。
対する本書のインサイドセールスは、完全な効率化を目的としています。商談の形もテレアポに小さな商談が紐づいている新しいタイプの商談をメインに活用します。

どちらが優れているというわけではないと個人的に思います。導入段階、割けるリソースなどの差異がインサイドセールスの定義そのものを変えているだけです。組織構造だったりマインドの部分に改善点があるのかもしてませんが、現状あるリソースで構築した方が組織フィットは出来ると思うので、問題だとは感じていません。なので、本書の内容を完全に再現するのは難しいと思いますが、応用できるものは数多くありました。

例えば、小さい商談(テレアポに紐づいてその場で始まる商談)で使用する説明資料の作り方は収穫が多かったです。最近商談をさせて頂くお客様は、そもそも越境ECの理解が出来ているとは言い難い方が多い印象です。そういったお客様に対してフォローとしてセールスシートだけでなく越境EC概要のような資料を送ることが出来れば商談回数や受注までの進行を改善できると思います。こういった細かな気遣いがナーチャリングに繋がるはずです。

弊社のセールスチームが今よりも大きくなった時にはアポ取りを行うインサイドセールスチームとフィールドセールスチームの分離が出来ると、さらにインサイドセールスの旨みを引き出せるようになると思いました。そのためには、現状のリソース/環境を最大限活用して分かりやすい結果を出したいと思います。

まとめ

まさに自分が目指しているもの/求められているものは、インサイドセールススペシャリストであるとまず実感しました。

インサイドセールスは、大企業から中小企業まで様々な規模の企業にフィットして成果を出せる手法です。ただ、導入の際は細心の注意を払いながら組織内に理解を得ながら進めていかないと効果は半減し、中途半端なテレアポで終わってしまいます。現在は私と上長の2人がメインでインサイドセールスフローの構築を行っていますが、今後は新卒入社した自分よりもさらに若い人に必要性を理解してもらう必要があります。

インサイドセールスのフロー構築という面で、会社文化の醸成に関われることをかみしめながら、より質の高いフロー構築を目指していきたいと思います。

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スターフィールド編集部

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