【書評】はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ
はじめに
社内制度のOKRを活用して、インサイドセールスのフロー構築に役に立ちそうな書籍を5冊購入してもらいました。そのアウトプットとして書評を行っていきます。
今回ご紹介するのは、「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ」です。この本を選定した主な理由は、インサイドセールスフローを構築するためには、顧客がどの様な過程を経て発注に至るか理解が必要と考えたためです。
本書は、タイトルの通りカスタマージャーニーを考えるワークショップの進め方をメインに進めています。
内容
本書の流れ
本書は、6つのチャプターに分かれています。
チャプター1 カスタマージャーニーマップとは
チャプター2 ワークショップを成功に導くために
チャプター3 マップを作ってみよう[B2C編]
チャプター4 マップを作ってみよう[B2B編]
チャプター5 事例で学ぶマップの活用
チャプター6 マップからアクションにつなげよう
カスタマージャーニーマップとは
チャプター1では、カスタマージャーニーがそもそも何なのか、なぜ必要になってきたのかを説明しています。「製品中心主義」から「顧客中心主義」に移行しているということはどの本でも同様に語られています。つい先日まで勉強していた通販エキスパート検定1級も「顧客中心主義」を軸に展開されていたので、顧客の重要性が良くしみる今日この頃です。
カスタマージャーニーマップを作成する際の8ステップは、以下の通りです(B2Cの場合)。ワークショップは150分で終了する設計になっています。
STEP1 テーマを決める
STEP2 ペルソナを設定する
STEP3 行動を洗い出す
STEP4 行動をステージに分ける
STEP5 顧客接点を明確にする
STEP6 感情の起伏を想像する
STEP7 対応策を考える
STEP8 視点を変えてアイデアを追加する
ワークショップを成功に導くために
チャプター2では、ファシリテーターとして注意すべきこと、取るべき行動についての説明になっています。
カスタマージャーニーマップ作成のワークショップのプレイングブックならではの章です。
マップを作ってみよう[B2C編]
チャプター3では、B2C企業向けのカスタマージャーニーマップの作成方法です。スターフィールドはB2B企業に分類されますが、そのクライアントがどのような手順で戦略を立てているのか理解できるので非常に興味深いです。
マップを作ってみよう[B2B編]
チャプター4は、チャプター3の続きとして、B2B企業向けのカスタマージャーニーマップの作成方法です。B2Cと同様に対象となるペルソナを立て、顧客の行動を洗い出していきます。B2Cとの違いとしては、稟議の多さです。承認の壁を超えていくためにペルソナの感情をどのようにコントロールしていくべきかがメインになっています。
事例で学ぶマップの活用
チャプター5では、B2C/B2Bそれぞれ3件ずつの事例が紹介されています。
B2C編では、「顧客中心主義」にシフトする際にどうやって社内浸透させていくかがキーになります。社内浸透させるきっかけとしてワークショップは有効ではありますが、あくまできっかけにしかなりません。ワークショップ内で作成したマップをもとに実績を作ることで、カスタマージャーニーという発想がクリティカルであるということを社内浸透させることが出来ます。
また、カスタマージャーニーマップが社内の共通言語になるということも紹介されています。製造、マーケティング、営業と縦割りの組織構造の場合、カスタマージャーニーマップを使うことでヨコのつながりを強化することが出来ます。
マップからアクションにつなげよう
最後のチャプターでは、マップを社内で共有することと、具体的な施策に落とし込むことの重要性が説明されています。事例の内容と重複しますが、マップ作成はあくまでスタートでしかなく、それを活用しないと旨みが半減してしまいます。これは、カスタマージャーニーマップに限らず仕組みや制度など様々な事象で起きることですね。
活用
本書の活用としては、インサイドセールスフローの継続的な連絡部分になります。
顧客がどのような体験をしながら感情の起伏が起きるのか、これらを考えることでどの情報をどのタイミングで出すのべきなのかを考慮しながらフロー構築を進めることが出来ました。
総括
インサイドセールスフローの構築のためにに5冊を読みましたが、どれも「顧客中心主義」の重要性を主張していました。独自サイトでの越境EC展開もこの流れを汲んでおり、やはり時代に合ったソリューションだと改めて思いました。
あとは、魅せ方次第だと思うので、インサイドセールスを含む自分の営業スキルを向上させていきたいと思います。
Author Profile
スターフィールド編集部
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