STERFIELD

2015/08/18

影響力の武器

影響力の武器

影響力の武器という日本語訳ですが、原題「influence: The Psychology of Persuasion」
のほうが当然ですがしっくりきます。

行動経済学、行動心理学と呼ばれる分野ですね。
返報性や一貫性など既に様々な書籍でも書かれているものから広い範囲で網羅的にまとまっています。
非常に面白いのが、それぞれの防衛法が書かれていることです。
確かに、本書は影響力の武器という攻撃的な題名ですが、同時に武器を知ることで防衛も出来るということを書かれています。

目次

  • 第1章 影響力の武器
    • カチッ・サー
    • 思考の近道に賭ける
    • 誰が得をしているのか?
    • 柔道
    • まとめ
  • 第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが
    • 返報性のルールはどのように働くか
    • 譲り合い
    • 拒否させた後に譲歩する
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼
    • 一貫性のテープが回る
    • コミットメントが鍵
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第4章 社会的証明―真実は私たちに
    • 社会的証明の原理
    • 死因は……不明(確なこと)
    • 私のまねをしなさい……サルのように
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第5章 好意―優しそうな顔をした泥棒
    • 友達になるのは、影響を及ぼすため
    • あなたを好きになるのはなぜ? その理由を考えてみよう
    • 条件づけと連合
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第6章 権威―導かれる服従
    • 権威のもつ影響力の強さ
    • 盲目的な服従のもつ魅力と危険性
    • 重要なのは中身ではなく外見
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第7章 希少性―わずかなものについての法則
    • 少ないものがベスト 失うことはワースト
    • 心理的リアクタンス
    • 最適の条件
    • 防衛法
    • まとめ
  • 第8章 手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾
    • 原始的な自動性
    • 現代の自動性
    • 近道は神聖なもの

6つのポイントに自分なりの解釈を添えて

返報性(reciprocation)

人は、相手から何かをもらうと、何かお返しをしなくてはと考える傾向があります。。
いわゆるギブアンドテイクの精神です。
路上で無料サンプルを配るというマーケティングの手法も、実際に商品を試してもらうということ以上にこの返報性という特性を生かしていると思われます。

コミットメントと一貫性(consistency and commitment)

人は、自分で決定したものに対して、自分の考えを曲げずに一貫して取り組もうとする傾向があります。
この性質もビジネスで応用ができ、お客様とのコミュニケーションの中で「?してください。」ではなく「?していただけますか?」と質問をして、お客様が「はい。」と応えるとその結果は3倍にもなると書かれています。

社会的証明(social proof)

人は、社会的に認められたとされるものを好む傾向があります。
行列が出来ている→多くの人に認められている→美味しいに違いない。という心理の流れであったり、
多くの取引先を持っていることをアピールするということやみんながやっているというだけの同調も社会的証明の一つです。

好意(liking)

人は、自分が好きなものから選ぶ傾向があります。
当たり前のようですが、マーケティング手法としては、人気のあるタレントを起用するというところから、
営業であれば、接触回数、共通点、共感、褒めるといったところを実践すれば好意をえられる可能性が高まります。

権威(authority)

人は、権威を持った人の言うことには影響を受ける傾向があります。
いわゆる肩書が有効なことはもちろんのこと、◯◯賞受賞というような外部から評価を受けていますという見せ方も権威の力を利用しています。

希少性(scarcity)

人は、数が少ないものに価値を感じる傾向があります。
数が少ない→需要がある→今買わなきゃなくなってしまうという流れですが、限定品などのマーケティング手法として他に依存せずに出来てしまうため、乱用していては相手にも見抜かれてしまうので注意が必要です。

まとめ

人と同じものは嫌だとか、空気を気にしない人、返報性を全く感じない人(笑)などいずれも例外はあると思いますが、大きな集合で見た時に6つのポイントは当てはまるようです。
体系的にこのような心理を知ることで、自分から有効に利用をすることも出来ますし、相手側になった時に、冷静に論理的に判断することも出来ます。

Author Profile

著者近影

YUJI MEZAKI代表取締役副社長

代表取締役副社長をやっています。 越境ECとWebマーケの営業担当しています。 なんでもカリカリにチューニングして生産性あげるのが好きで勉強したビジネスフレームワークの記事多め。 趣味はPC自作で会社のWindowsデスクトップはほぼ自分が組みました。 1985年生/2008年早大卒/

SHARE

合わせて読みたい