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2025年最新:制度改正で変わる台湾の祝日 ― 日本との比較から見える文化の違い

2025年最新:制度改正で変わる台湾の祝日 ― 日本との比較から見える文化の違い

はじめに

祝日は、国民にとって心身を休める大切な機会であると同時に、その国や地域の歴史、文化、そして社会の価値観を色濃く映し出す象徴的な存在でもあります。台湾と日本の祝祭日制度に焦点を当て、祝祭日の日数、その内容、背景にある文化的意味合い、さらには直近の制度改正といった多角的な視点から比較を行い、両国の特色と相違点をわかりやすくご紹介いたします。

台湾の祝日制度と最近の変化(2025年)

台湾の祝日制度は、2025年に向けて画期的な変革を遂げました。2025年5月9日に立法院で「記念日及び休日実施条例」の改正案が三読可決され、同年5月28日には総統府によって正式に公布・施行されました。この法改正により、新たに4つの祝祭日が追加され、これまで労働者のみが対象であった労働節(メーデー、5月1日)も全国民共通の祝日となりました。

これにより、2025年から国民の休日の増加が実現し、総日数は 16日(全国的な国定祝日)になりました。

祝日の数は形式上は日本と同じ「16日」になりましたが、台湾で実際の休みの取り方や休日の内容には違いがあります。台湾では旧暦があるため、日本と比べて休みの構成や長さが異なることもあります。

追加された祝祭日のリスト(合計4日 + 1日労働節の全国適用): 台湾新しい祝日.png

主な祝祭日の構成

・伝統的節句: 旧暦の小年夜(追加)、旧暦大晦日、旧暦正月(旧暦1月1日~3日)、端午節、中秋節。これらは旧暦に深く根差した、台湾社会で最も重視される家族の集まりや伝統行事が行われる時期であり、中華文化の深いルーツを象徴しています。

・歴史記念日: 中華民国開国紀念日(元旦)、和平紀念日(2月28日)、国慶日(10月10日)、台湾光復暨金門古寧頭大捷紀念日(1945年10月25日に、第二次世界大戦で日本が降伏した後、台湾が中華民国に返還された(日本の統治から解放された)ことを記念する日を指します。(光復節、追加)、行憲紀念日(憲法記念日、追加)。台湾の歴史における重要な節目や出来事を記念する意味合いを持ちます。

・社会・教育関連: 児童節、労働節(5月1日、全国民共通の休日に変更)、孔子誕辰紀念日(教師節、追加)。これらの祝祭日は、特定の世代(児童)や職業(教師)への配慮、あるいは社会的な教育的意義を持っています。

日本の祝祭日概要

日本には、「国民の祝日に関する法律」に基づき、毎年で16日間の祝祭日が設けられています。これらは「国民の祝日」と呼ばれ、全国一律で実施され、その設定には日本の独自の文化、歴史、自然への敬意、そして社会的な配慮が反映されています。

日本の祝祭日の特徴 ・ゴールデンウィーク(4月末~5月初め): 昭和の日からこどもの日までが連続する大型連休であり、国内外の旅行や帰省のピークとなります。

・振替休日制度: 祝日が日曜日に重なる場合、翌平日が振替休日となり、連休が形成されます。

・年末年始(12月29日~1月3日): 法定の祝日ではありませんが、多くの企業や官公庁で事実上の長期休暇となります。

まとめ

台湾と日本の祝日制度の比較(2025年時点) (1).png 2025年5月、台湾の「記念日及び休日実施条例」改正と正式公布により、全国的な祝祭日の総日数は16日に増加し、ついに日本と同数になりました。 この歴史的な変化は、長年の社会的な期待に応え、台湾国民により多くのお休みの機会をもたらします。

休日の性質において、台湾は今回の追加により、中華文化に根ざした伝統的な節句、国家の歴史的記念日、そして国民生活や教育に関連する祝祭日を含む、より多様なカテゴリを持つことになります。

一方、日本は、皇室、自然、文化、社会福祉など、バランスの取れた多角的なテーマの祝日を有しており、「ゴールデンウィーク」はその象徴です。

台湾と日本はそれぞれの価値観や生活文化を反映した、国民の心と暮らしを彩る大切な文化資産と言えるでしょう。

参考資料:

行政院人事行政總處全球資訊網-辦公日曆表 https://www.dgpa.gov.tw/information?uid=41&pid=11973

国民の祝日について - 内閣府 https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html

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YOSHIKA

Global EC Operation部

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