欧州DHLの新たな取り組み@ファッション中古市場とは?
はじめに
「物流」ってなんでしょうか?おそらく関連する業界に身を置いていない場合、漠然と「生産者から消費者まで製品を届ける一連の流れ」というイメージで、DHLは世界規模に展開する配送業者の1つ、ぐらいの印象を持っている人が少なくないのではと思います。
実際のところDHLは物流業者ではなく、「ロジスティクスカンパニー」です(物流とロジスティクスの違いもよくわからない、という仲間もいると思うのですが、本記事では割愛します)。
そのDHL@ヨーロッパが、最近EC業界でとてもHOTな中古市場に乗り出したという記事を見つけたので紹介します。
Reflauntとの協業でファッション業界のリセールをサポート!
※画像は公式サイトのキャプチャ
今回の取り組みはDHLが単独で行うものではなく、ブランドファッションのリセール(再販)を可能にするテクノロジープラットフォーム「Reflaunt(リーフラント)※」との提携により実現したものです。
※Reflaunt:シンガポール発のスタートアップ企業で、ファッションの一次市場と中古市場を繋げ、サスティナブル推進が難しいファッション業界に、サーキュラーエコノミーの仕組みを導入しようとしています(Reflauntについては次回詳しく取り上げる予定です)。
プレスリリースによると、 「ポーランドにおけるDHLサプライチェーンとの1年間の試験運用の成功を経て、Reflauntは、ブランドが再販業務を行う方法を再定義するプラットフォームを顧客に提供できるようになる」とのことです。DHLとReflauntによると、ファッションアイテムの再販を成功させる最大の課題は拡張性であり、この取り組みがその課題に対する解決策となると考えているようです。
実際にどのようなことが行われるのでしょうか? まずこのサービスを取り入れるブランドは、再販業務の管理をReflauntと契約します。そしてその全ての製品は、DHLの施設で取り扱われ、認証されるようになります。 どういうことかというと、Reflauntのシステムに商品を加える前に、DHLの担当者が、購入者が不要とした(返品したい)製品の集荷、検査、ランク付け、写真撮影を行います。さらに、在庫管理、保管、フルフィルメント、配送までもDHLが担うとのことです。 つまり、Reflauntの提供するプラットフォーム上で行われる「再販(※)」に関わるほとんどの作業をDHLが行うということになります。
※ここでいう「再販」は、売れる商品は中古ECプラットフォームへの出品、売れない商品は寄付やリサイクル事業に回るということのようです。
Reflaunt社は「この取り組みにより、ファッション業界のリコマース機能が拡張し、ファッション再販のダイナミクスを再構築するだろう」と述べています。 新たなロジスティクス・パートナーを得たことで、返品を含む商品のセル・スルーを最大化することが可能になり、「再販市場の複雑さを緩和する包括的なソリューション」をブランドに提供することができます」。ステファニー・クレスピン最高経営責任者(CEO)は次のように語ります。「Reflauntは、1stハンドと2ndハンド、eコマースとリコマース間の壁を取り払うことで、サーキュラーファッションをより身近なものにするのです」。
まとめ
EC業界が中古市場に注目している中、荷物を運ぶ会社というイメージの強いDHLも参入を?と思いましたが、ロジスティクスがメーカーと消費者の間をつなぐあらゆるプロセスの最適化をするサービスであるということを思えば、当然の動きかもしれません。
協業するReflaunt社のサービスも面白そうだったので(むしろここのサービスありきの話だと思われます)、次回取り上げます。
参考
https://ecommercenews.eu/dhl-steps-into-resale-business-with-reflaunt/
Author Profile
TOMI
制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。
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