越境ECでも大活躍!
世界の後払い決済事情
はじめに
日本ではNP後払いやGMO後払い、台湾向け越境ECでは後付款やAFTEEが有名です。後払い決済を利用したことがない筆者にとっては、とても意外な事実だったのですが、世界にはもっと巨大な後払い決済が多数存在しています。
それどころか、近年後払い決済の市場規模は拡大しており、それに伴って多様なサービスが出現しています。BNPL(Buy Now, Pay Later)という後払い決済を指す言葉がブームになってきたのも、ここ最近の話です。
今日は、特に我々に馴染みが薄い欧米で主に利用されている後払い決済サービスと、なぜ近年後払い決済が盛り上がりを見せているのか、その理由を紹介します。
世界の後払い決済サービス
Klarna
スウェーデン発の後払い決済で、時価総額が3.3兆円(2021年3月時点)という世界最大規模の後払い決済サービスです。
最大の特徴は、以下の3つです。
- 3回分割無料
- 30日以内の支払いでOK
- 貸付機能
決済だけでなく、貸付機能も備えている点が、他の後払いサービスにはない特徴だと思いました。ヨーロッパでは既に広く知られる存在で、北米やオーストラリアにも進出しており、18か国で使用可能だそうです。
公式サイト:Klarna
Afterpay
オーストラリア企業であり2016年同国で上場しています。企業価値は約3兆円であり、現在は北米でのサービス展開に力を入れています。
Aterpayの特徴は、4回の分割払いを2週間ごとに支払うというものです。オーストラリアでは、給料日が2週間に1度来るらしく、それに合わせて支払いができるそうです!現地の習慣に合わせたサービス展開で面白いですね。
公式サイト:Afterpay
Affirm
PayPalの共同創業者であるマックス・レヴチンがアメリカで設立した会社です。2021年に上場したばかりで企業価値は2兆円ほど。
他の2社にくらべて後発ですが、北米という強力なバックグラウンドを背景に規模を拡大しています。
公式サイト:Affirm
なぜ今後払い決済か
最後になぜ今世界でこのような後払い決済が活況かを考察します。
ECユーザー若年齢化
今や未成年でもECで買い物をすることは普通になりました。しかし、未成年でクレジットカードを持っていないことは少なくなく、高校生以下ともなると持っている方が少ないということはどこの国でも珍しくありません。
このようなケースで多く選ばれているのが後払い決済です。サービスごとに異なりますが、年齢制限を低く設定している場合も多く、中高生でも注文ごとの審査さえ通れば利用することが可能です。
トラブル防止
ECサイトが多様化する中で、初めて利用するサイトでは念の為商品を確認してから支払いたいというニーズも少なくありません。そのような場合には後払い決済が有用です。
偽物や破損していたが、クレジットカードなどで先に支払ってしまってトラブルになった。もしくは不正サイトでお金だけ支払って商品が届かなかったというようなケースです。
後払いであればこのようなトラブルのリスクを軽減することができます。
多様化する決済への対応
日本でもQR決済など多数の決済手段が生まれています。これは世界中で起こっていて、各サービスに激しいシェア争いが起きており、1人で複数の決済手段を持ち合わせている場合も少なくありません。
このような場合には、まずは後払い決済で購入しておき、後ほど都合のよい決済手段で支払うという場合には後払い決済が有益です。
金融商品的要素
日本ではzozoのツケ払いが有名ですが、商品購入後2ヶ月以内い支払えばOKというサービスです。
また海外では○回まで分割手数料無料などのサービスもあり、将来に渡る資金ニーズに対応するという側面も後払い決済特有のメリットです。
まとめ
今回は、世界でニーズが高まる後払い決済についてまとめてみました。越境ECを開始される際には、現地で利用されている決済を把握しておくことも非常に重要です。もし、何かの参考になれば幸いです。
Author Profile
HOSHINO
ECのことを中心に書きたいと思います。 ネタが無いときはプログラムやデザインのことも書きます。
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