ジェトロ「中国EC市場と活用方法」レポートより、2021年最新中国越境EC情報(2)
はじめに
日本貿易振興機構(ジェトロ)大連事務所が2021年6月に「中国EC市場と活用方法」というレポートを発表しました。
公的な立場から信頼のおける情報を発信しているJETROですが、これまで発表してきたレポートと比べても、中国への越境ECについてのより実践的な情報が記されています。
コロナ渦における中国越境ECのリアルを伝えるものとして非常に有用なので、3回に渡って概要をお伝えします。
第二回目は中国のECビジネスを「始める」です。
まだ、第一回目を読んでいないという方は、こちらからご覧ください。
中国EC市場の基本知識
ポジティブリストの確認
越境ECで販売を検討している商品が、販売を許可されている「越境EC小売輸入商品リスト(通称、ポジティブリスト)」に含まれているかを事前に確認する必要があります。
2021年8月現在の最新版は2019年12月24日に公表されているものです。食品、アパレル、化粧品など1,413種類の商品が含まれており、越境ECを始める前に、最新版のものを必ず確認するようにしましょう。
2019年12月24日公表「越境EC小売輸入商品リスト」2019年版 (中国語)
越境EC総合税の確認
中国には、越境ECの対象となる商品に対して、「輸入関税」「輸入増値税」「消費税」があります。ただし、「1 回あたりの取引金額 5,000 元以内、個人の年間合計取引金額 2 万 6,000 元以内」という取引限度額内である場合、輸入関税が免除され、「輸入増値税+消費税」の 70%を越境EC総合税として徴収する優遇策があります。
適切な価格設定の確認
中国での適正価格は、日本の適正価格とは異なります。現地の競合他社や、類似商品の価格は調査をすることも非常に大切です。
以下の表では、同一商品の日本での販売価格と、中国での販売価格を比較しています。日本国内市場での販売価格と比べて、15〜30%増以内の価格差が、消費者には受け入れられやすいという傾向があるそうです。
広告法 禁止項目の確認
中華人民共和国広告法で定められている禁止項目を一部紹介します。
ここだけを見ると日本国内の広告表現規制と大差ないようですが、各項目の詳細については中国広告の経験が豊富な広告代理店と相談するのがよいでしょう。
まとめ
外国のEC市場については、信頼性がある最新情報を得ることは簡単ではありません。
本レポートでは、この他にも最新の中国ECプラットフォーム情報なども記載されています。
ぜひ最新情報を得て、貴社のビジネスの戦略に役立ててください。
次回は中国のECで「販促を行う」をご紹介します。
《参考・画像出典》Jetro 中国EC市場と活用方法
Author Profile
HASHIMOTOHIROKI
1984年香川県生まれ。 早稲田大学第一文学部哲学専修卒。 三味線奏者、豆腐屋、八百屋を経て、現在はスターフィールド株式会社で、あらゆる日本企業を世界進出させるべく越境ECの普及に力を注ぐ。 特に中国、台湾向けECカート導入がメイン業務。
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