各国の配送業者シリーズ
「中国の配送業者まとめ」
はじめに
通販を行う上で「配送業者」の選定は非常に重要です。特に海外ではまだ日本企業が期待するほどのサービス水準に達していない配送業者も多々あります。
選定を誤ると顧客満足度を下げるだけでなく、損失に関わる可能性もあります。このように、通販事業者にとって配送業者の選定は非常に重要な要素となります。
しかし、海外の配送業者は情報が少なかったり、情報があっても日本語での説明が無いなど正しい情報を収集するのは困難です。
そこで、今回は世界一の通販大国中国の配送についてお話します。
主要10社
1. 顺丰速运
深圳に本社を置く民間の国内企業で最大の物流会社です。
日本ではSFやSF EXPRESSという名前の方が知られているかもしれません。
現在は中国だけでなく香港、マカオ、台湾、米国、シンガポール、韓国、マレーシア、日本、タイ、ベトナム、オーストラリアでサービス展開をしており、SFと書いた黒いトラックをアジア各国で見かけます。
2. 邮政EMS
中国郵政が提供するEMSサービスで、中国では国内配送も行っており、中国国内全エリアをカバーしています。
1980年にサービスが開始されており、中国最古且つ最大の物流会社です。
3. 京东物流
急拡大している物流会社で、2017年に中国EC第2位のJD.comから独立しました。
2018年にテンセントを含む複数の事業者から25億米ドルの出資を受け話題になりました。
4. 中通快递
上海に本社を置く民間の国内企業で最大級の物流会社です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、海外ではZTO Expressとして知られています。
2016年にニューヨーク証券取引所に上場した際にはAlibaba以降最大の中国企業の上場として話題になりました。
5. 韵达快递
海外ではYunda Expressとして知られています。中国から他国への速達に強みがあり、日本、韓国、米国、ドイツ、オーストラリアに対応しています。
6. 圆通速递
海外ではYTO EXPRESSとして知られています。
Alibabaが一部出資しています。
7. 百世快递
海外ではBEST Expressとして知られています。
Alibabaが一部出資しています。小米快递(=MI Express)は百世快递が行っています。
8. 申通快递
海外ではSTO Expressとして知られています。
Alibabaが一部出資しています。
9. 德邦快递
海外ではDepponと呼ばれています。
10. 优速快递
2009年設立と後発ながらITによる効率化により優れたコストパフォーマンスを実現し拡大しています。
配送業者満足度ランキング
中国では年に1度配送業者満足度ランキングというものを中国国家郵政局が発表しています。実は上述の主要10社は2018年のランキング上位10社を挙げたものでした。以下の図は2017年と2018年を比べた表です。
2017年 | 2018年 |
顺丰速运 | 顺丰速运 |
邮政EMS | 邮政EMS |
中通快递 | 京东物流 |
韵达快递 | 中通快递 |
圆通速递 | 韵达速递 |
申通快递 | 圆通速递 |
百世快递 | 百世快递 |
宅急送快运 | 申通快递 |
天天快递 | 德邦快递 |
和快捷快递 | 优速快递 |
《出典》2018年度 宅配便の満足度調査結果
《出典》2019年度 宅配便の満足度調査結果
色付きのセルは2018年に初ランクインした会社です。まだまだ熾烈なシェア争いが繰り広げられていることが分かります。
京东物流に至ってはランク外からいきなり3位にランクインするという急成長を遂げています。
まとめ
中国の物流業界は熾烈なシェア争いが続いている状況と言えます。そのため、価格やサービスにおいての競争は激しく、各社で特色が異なります。
更に、特色は常に進化しているため、最新の情報を入手し比較する必要があり、こまめにサービス内容を見直すことが大事になります。
もし中国でEコマースを始める際は、上記会社を参考にし、少なくとも数社の最新のサービス内容を比較検討することが必要になります。
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スターフィールド編集部
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