越境ECするなら、
自社ECサイト×ECモールの併用が効果的だった。
どちらか一択ではできない戦略とは。
はじめに
EC(越境EC)を始める際に、どういった形でオンライン上に出店するべきか、考えられるでしょう。
ECでの出店する方法として、大きく分けて2つ「自社ECサイト」と「ECモール」の手法があります。
かつては、「どちらか1つを選ぶ」ということで、自社ECサイトとECモールは競合にあたると見られていたのですが、ここ最近は「併用」することで効果的に売り上げが上がるというエピソードが多々見受けられます。
今回は、越境ECを始めるなら、自社ECサイトとECモールのどちらが良いかというお話ではなく、「どちらも使った方が良い理由」についてご説明します。
自社ECサイトとECモールの違い
まず、自社ECサイトとECモールの併用のお話をする前に、それぞれの特徴や、強み・弱みについてお話します。
ECモールとは?
ECモールとは、日本いう「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」のようなマーケットプレイスのことです。
越境ECにおいては、中国の「天猫(T-mall)」「京東(JD)」、東南アジアの「Shopee」「Lazada」、欧米では「ebay」といったサービスが有名です。1つの売り場に、何社ものセラー(売主)が”出店”や”出品”をするスタイルで、オンライン上のショッピングモールというイメージがピッタリかもしれません。
自社ECサイトとは?
一方、自社ECサイトとは、自社商品が販売されているサイトのことです。
ユニクロやABCマートなどは、実店舗のほかに、自社でECサイトを運営されているのを見たことがある方も多いのではないのでしょうか。
自社ECサイトは、別名「オウンドEC」「独自ドメイン(自社でドメインを取得するため)」「Direct to Consumers(D2C)」などと呼ばれたりもします。
※弊社のLaunchCartは、自社ECサイトを制作する際にご利用いただくカートシステムです。
自社ECサイトとECモールの強み・弱み
ここまで見ると、どのような形態、売り場で販売を行いたいか、
つまり、自社ECサイトとECモールのどちらにするか、というだけな気がしてしまいます。
しかし、自社ECサイトとECモールは、それぞれ得意な分野が異なるため、強み・弱みの部分について見ていきましょう。
自社ECサイト | ECモール | |
ある程度工数が必要 | 販売の始めやすさ | 手軽◎ |
広告施策を回さないと難しい | 集客 | ECモール既存利用者にアプローチできる |
起こりにくい | 価格競争 | 起こりやすい |
独自の世界観を前面に出せる | 他ブランドとの差別化 | 少し難しい |
高い | 利益率 | 低め(販売手数料がかかる) |
取得できる | 顧客情報 | 取得できない |
集客
ECモールが圧倒的に強いのは、「集客」の部分です。ECモール内の検索に引っかかったり、関連商品などで紹介されるため、ECモール内のユーザーにアクセスすることが比較的容易です。
また、初めて買う商品だとしても、普段利用しているECモールであれば、ちゃんと届くのだろうか、という心配は自社ECサイトに比べて低いと考えられます。
事業者様にとっても、ECモール側が用意しているテンプレートに、商品の写真や文章を入力するだけで、販売することができる手軽さも嬉しいですね。
ブランディング
一方、自社ECサイトが強みとしているのは、「ブランディング」です。
利用されるカートシステムによって違いはあるものの、ECモールに比べると、遥かにデザインを自由に組み立てることができ、サイト全体でブランドの魅力を伝えることができます。
商品の制作工程や、作り手の想いなどを載せたり、食材であればオススメメニューなども一緒に分かりやすく表示することで、商品の魅力を精一杯引き出すことができます。
ECモールで購入される前に、検索エンジンで自社サイトの情報を見つけることができれば、より購入意欲を高めることができます。
ルール
ルールの部分でECモールと大きく異なるのは、「販売手数料」と「顧客情報の取得」です。
多くのECモールでは、販売手数料を事業者様からいただいて運営しているため、事業者様にとっては売れれば売れるほどコストがかかることになります。
またECモールでは、顧客の情報(メールアドレスや電話番号等)を取得してマーケティング活動を行うことができないため、一度ご購入いただいたお客様が定着しにくいという問題があります。
自社サイトでは、こういった「販売手数料」や「顧客情報の取得」といった部分での問題が解決できます。
自社ECサイトとECモールを併用するのがベストな理由
強みと弱みを見てきたところで、なんとなく併用することがベストな理由がお分かりになりましたでしょうか?
ECモールは手軽さや集客に強みがあるものの、商品の訴求や顧客情報の取得といった部分がマイナスポイントです。
一方、自社サイトでは、豊富な情報が提供できるものの、ECモールの持つ集客力を得るには、広告施策がマストになってくるでしょう。(もちろん、ECモールへ出店する場合もある程度の広告施策は必要になりますが。)
自社サイトとECモールを併用することで、どちらの弱みもカバーすることができます。
購入者目線では、
また、少なからずECモールでしか買わない層がいたり、ブランドのファンだから自社サイトでリピート購入して、サンプルやそのブランドの割引クーポンが欲しい人もいらっしゃいます。
お客様が何をお得と感じるのかは、人それぞれなので、少なくとも2つの選択肢を用意しておくことで、幅広いニーズに応えることができます。
まとめ
今回は、自社ECサイトとECモールを併用した方が良い理由についてまとめてみました。
実際に、自社サイトとECモールで販売し、成功されている越境EC事業者様のお話を聞いても、裾野を広げるためには複数のチャネルで販売することを意識されていたり、チャネルごとにオファーを変えて購入者のニーズに寄り添られていたりします。
越境ECを始めるとなったら、ゆくゆくはECモールも自社サイトも運営するつもりで、計画を立てるのはいかがでしょうか。
※LaunchCartをご利用いただいている企業様のインタビューです。併せてご覧ください。
《参考・画像出典》
JGrab, impress, D2C・定期通販ノウハウ講座
Author Profile
MINGFAN
自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。
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