各国のEC事情シリーズ
「マレーシアのEC事情大解剖」
はじめに
マレーシアはマレー系、中華系、インド系と主に3つの人種から構成される多民族国家です。英語も国内で広く使われており国別英語話者ランキングでは25位にランクインしています。
話者人口だけでなく、世界規模の英語能力統計のEF 英語能力指数(EF EPI)のランキングでは88ヶ国中22位、アジアでは2位のシンガポール、14位のフィリピンに次ぐ3位となっており、日本(全体49位、アジア内11位)よりも高い英語力を持っています。
そんなマレーシアについて、これまで決済事情や配送業者という面でマレーシアについて触れていきましたが、今回はEC事情や人気のECサイトという側面からお伝えします。
お隣のシンガポールのEC事情については以下の記事をご覧ください。
マレーシアのEC事情
マレーシアのEC事情
3,225万人のマレーシア人(2019年1月のデータ)のうちインターネットユーザー数は約2,584万人(人口の80%)おり、そのうち2,400万人がスマホでソーシャルメディアを使用しています。
このようなデジタル環境によってマレーシアの2018年のオンラインでの支出は60億米ドルを超えています。特に消費財の割合は大きく総支出は51%を占めています。
globalWebindexの調査によると、2600万人以上のマレーシア人がインターネットの利用経験があり、16から64歳のユーザーの80%がオンラインショッピングの経験があります。
《出典》DATAPORTAL
マレーシアの人気商品
Janioによると、マレーシアのECで購入される商品トップ5は
- 家電などのエレクトロニクスとメディア
- 家具および家庭用品
- ファッションアパレル(ささやかな服装)
- ファッションアパレル(ファストファッション)
- ヘルス&ビューティー
となっており、アパレル系や美容系の需要が非常に高いことが分かります。
前述の通り、オンライン支出の半分が消費財によるものなので、特に美容系商品は売れやすいと考えられます。
マレーシアの主なECサイト
マレーシアでよく使われているECサイトは以下の通りです。
Shopee
Shopeeは東南アジア最大のECモールで、100以上のブランドが展開しています。アプリダウンロード数が8000万を超え、1日あたり平均140万件以上の注文数があります。
現在ではシンガポール、インドネシア、台湾、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンの東南アジア7カ国に進出しています。広告の影響で、日本国内でも近年馴染み深いものとなっています。
出店メリットとしては、販売手数料・リスティング手数料が無料ということです。モール出店の際の大きなデメリットである手数料が無料なのは大きな特徴と言えます。
東南アジアで広く進出しているShopeeは7か国語に対応しています。これが多民族国家であるマレーシアとの相性が良く、消費者に良く使われている理由です。
HP:shopee
Lazada
Lazadaはシンガポール発のECモールです。シンガポール以外にもマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムの計6か国で展開をしています。
2016年4月にアリババからの出資を受け、「東南アジアのAmazon」と言われるほど存在感を増しました。
Lazadaの特徴はアマゾンに負けない品揃え、安さです。Made in Chinaの商品が多く並び、中国から直送されている商品も多くあるようです。
送料無料の商品も多いので消費者は安く商品を買うことが出来ます。
HP:Lazada
Lelong.my
Lelong.myは店舗向けにオンライン店構築からマーケティングサービス、決済サービスなどのプラットフォームサービスをワンストップで提供するマレーシア生まれのECモールです。
この他にも出店者向けに実例のケーススタディを公開するなど出店者に非常に優しいモールとなっています。
Lelong.myは日用品からアパレル、電化製品など様々な商品が販売されていることが特徴のECモールです。
上記のモールに比べると日本での認知度はないかもしれませんが、1998年設立と歴史のあるサービスなのでマレーシア人にとって馴染み深いECモールと言えます。
運営するInterbase resources Sdh BhdはLelong.myの他に携帯電話やPC販売に特化した「Superbuy.my」も運営しています。
HP:Lelong.my
まとめ
マレーシアの人気ECモールについてまとめると以下のようになります。
shopee | Lazada | Lelong.my | |
特徴 | 東南アジア最大のECモール | 東南アジアのAmazon | 歴史のある地場老舗 |
消費者側のメリット | 7か国語対応 | 豊富な品揃え・安さ | 馴染みがあり、安心して買える |
出店者側のメリット | 販売手数料・ リスティング 手数料無料 | 月額費用無料 | 手厚いサポート |
マレーシアでは国民の約74%がEC経験があり、東南アジアの他国でも浸透しているShopeeやLazadaが存在感を示しています。
マレーシア政府が「オンライン経済の成長」を国の優先事項として挙げていることもあり、今後さらに市場が大きくなっていくと思われます。
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スターフィールド編集部
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