STERFIELD

越境ECにおけるチャージバックのリスクと対策法について

越境ECにおけるチャージバックのリスクと対策法について<!--hoshino-->

チャージバックとは

チャージバックという言葉が聞き慣れない方も多いかと思います。

チャージバックとは何か? ということについては過去記事で詳細をまとめておりますのでよろしければご参考ください。

簡単にご説明すると、チャージバックとは、クレジットカードにおいて不正利用などを理由に、消費者側からの申し出によりクレジットカード会社が強制的に注文を取り消しにすることです。

越境ECで気をつけるべき点

日本国内だけの取引の場合は、不正利用が疑われる取引を消費者が見つけた場合、まず消費者がクレジットカード会社に連絡をします。その連絡を受けた後、関係各社を経由して、最終的にサイトに調査依頼が来ます。サイトが調査結果を返答しますと、関係各社にて本当に不正利用なのか、そうでない場合は強制取消すべき取引なのかなどを審議します。

その結果として不正利用であったり、そうでなかったとしてもサイト側に落ち度があるなどがあればチャージバックが確定し、注文が強制取り消しとなり消費者に返金されます。

不正利用ではなかった場合の例としては、例えばサブスクリプションの商品だったのだが消費者がそれを認識しないで購入してしまい、2回目の引き落としを不正利用と勘違いしてしまうという場合があります。この場合はその旨サイト側として調査依頼に対して説明をすればチャージバックとならない場合もあります。

ただしサブスクリプションであるということが分かりづらかったり、意図的に分かりづらくしているというような悪質な場合にはチャージバックとなることもあります。日本ではこのあたりを一応は考慮してもらえる仕組みになっています。

しかし、国によっては消費者保護の観点が強く、チャージバック前提でことが進むという場合もあります。国によってはチャージバックの率が高くなるという場合もありますので注意が必要です。

チャージバックのリスク

チャージバックのリスクは強制取り消しだけではありません。

チャージバックの量が多いとクレジットカード会社から不正の多いサイトとみなされ、ペナルティが与えられることがあります。サイトに内容は場合によって大きく異なりますが、ペナルティの大枠としては以下のような内容になっています。

第1段階

チャージバックの件数が35件を超える、またはチャージバック金額の合計が50万円を超えた場合。

これが初めて発生した場合、多くの場合はクレジットカード会社やその他関係各社より警告が来ます。

この時点で何かしら対策を講じることにより、その後のチャージバックを減らせれば基本的には問題ありません。

 

第2段階

第一段階の状態が3ヶ月連続してしまうとJDMに登録されてしまいます。

JDMとは日本クレジット協会行っている「加盟店情報交換センター」の略称で、異なるクレジットカード会社間でも、不正利用が多い等クレジットカード会社としてリスクが高いサイトの情報を共有して、共同でリスクを低減させようという取り組みを行っています。

JDMに登録されてしまうと、決済代行会社を変更したとしても契約ができなかったり、条件付き契約となってしまったりという影響があります。

また、3ヶ月連続していない場合も、3Dセキュアの導入を促されたり、場合によっては3Dセキュアがない場合は利用停止となるなどの条件が付く場合もあります。

 

第3段階

第二段階でも解決しない場合は残念ながらアカウント停止 (強制解約)となります。

こうなってしまうとサイトでクレジットカードを利用することができなくなってしまいます。3Dセキュアの利用をすることで限定的に利用可能などの条件が付く場合もあります。

対策

対策①:サイト制作での工夫

まずはチャージバックが起こりづらいサイト作成を心がけることが重要です。

上述のサブスクリプションの例ですと、サブスクリプションではないと勘違いしてしまうことが主な原因です。これを避けるために、サブスクリプションであるということの説明を目立たせたり、サブスクリプションであることに同意しなければ買えない、等の対策が考えられます。

他にも、2回目の決済の前に連絡を入れるなど、カスタマーサポートを強化することも効果的です。

対策②:サイトを分割

次にサイトを分割するという方法があります。

上述第1段階の35件、50万円というのは1サイトでの数字です。

なので仮にこの数字に近い数字に達してしまっている場合はサイトを2つ、3つと分割することでこれらしきい値を超えることを回避することができます。ただし、サイトが複数存在することでのコストや手間が増えるというデメリットも発生してしまいます。

対策③:3Dセキュアの導入

最後に、そもそも3Dセキュアを最初から導入するということも検討すると良いと思います。

3Dセキュアを介した決済においてえ不正利用が起こった場合の責任はクレジットカード会社が100%担保します。そのため、基本的にはチャージバックは発生しません。サイト側のリスクを軽減するという意味では最も効果的です。

まとめ

今回は、越境ECにおけるチャージバックのリスクと、その解決法についてまとめてみました。
ECサイトを運営するにあたり、クレジットカード決済の導入は当たり前のことだと思います。

Author Profile

著者近影

HOSHINO

ECのことを中心に書きたいと思います。 ネタが無いときはプログラムやデザインのことも書きます。

SHARE

合わせて読みたい