越境EC物流の禁制品
守らなければどうなる?!
はじめに
越境ECの発展により、中小企業の海外進出が以前とは比べものにならないほど手軽になりました。しかし、海外に商品を送ることは輸出=貿易であり、決まりをしっかり守る義務が定められています。
主な守るべきルールは以下のように多岐にわたり、それぞれについて確認が必要です。
・国内ルール(外国為替及び外国貿易法、関税法、文化財保護法、覚せい剤取締法など) ・国際ルール (ワシントン条約、モントリオール議定書など) ・相手国ルール ・各モールの独自ルール
違反の原因
経済産業省が発表している輸出入の違反原因の傾向によると、「法令知識の欠如」、「社内連携ミス」「解釈誤認」などの理由が50%以上あります。 注意すべきなのは、故意・重過失でなくても罰則がある可能性がある点です。
また、輸出入業者を利用すれば問題ないということではなく、運送や輸出入の手続きを他社に依頼する場合でも、輸出入者が責任をもって法令確認を行う必要があります。
無承認輸出入の場合には手続を行った通関業者でなく輸出入者が外為法違反に問われます。
つまり、故意・重過失でなく、そして業者に依頼していたとしても、違反がある場合は事業者が罰せられることになります。
代表的なルール
いくつか代表的な決まりをご紹介します。
ワシントン条約
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。 希少性に応じて3つのランクに分類・リストアップされており、国際的な取引を制限しています。
(例)アロエを含む化粧品→アロエ属全種は、ワシントン条約附属書Ⅱに掲載されており、輸出入には承認等の手続きが必要です。その他、ラン、サボテン等を成分・材料に含む商品も違反の対象になる場合があります。
(例)楽器→ピアノの白鍵部分などにワシントン条約附属 書Ⅰ掲載種の象牙が使用されている場合があります。
危険物
航空法では以下のような爆発の恐れのあるもの、燃えやすいもの、その他人に危害を与え、または他の物件を損傷する恐れのあるものを「危険物」とし、航空機による輸送を禁止しています。
隠れた危険物(Hidden Dangerous Goods)
上記のような明らかな危険物以外にも、「隠れた危険物」と呼ばれるものがあります。主に、引火性液体や高圧ガスを含むもので、以下のような化粧品類に多く使われます。
・ヘアケア用品(ヘアスプレー、ヘアトニック、育毛剤等) ・スキンケア用品(化粧水、洗顔フォーム、日焼け止め等) ・ネイルケア用品(マニキュア、除光液等) ・香水、オーデコロン ・制汗・清涼・冷却スプレー ・芳香・消臭・除菌・シワ取りスプレー
これらは航空貨物での輸送不可となっています。
ただし、安全データシート(SDS)または、メーカー発行の書類等で「非危険物」と判断された場合は航空機による輸送が可能です。
中国における輸入規制措置
日本から輸出される全ての食品・飼料等について、10都県のものは輸入停止措置を講じるとともに、日本の政府機関が発行する証明書が求められます。
《参考》農林水産省 中国の輸入規制の概要
個人情報の保護
「網絡安全法」と呼ばれているものが存在し、日本語では「インターネット安全法」や「サイバーセキュリティ法」と訳され、2017年6月1日に施行されました。
主な内容としては、中国における全てのメッセージサービスにおいて本人確認が義務付けらました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
越境ECにおいて物流の検討は最も後回しにされるケースが多いようです。 しかし、その商品がそもそも「送れるか否か」は一番に確認されるべき点です。 JETROなどの公的機関に相談するなど、自分で調べるのも良いですが、本格的に始動をする際は、越境ECの事例を多く持つ物流会社にご相談することをおすすめします。
弊社は、多くの越境EC物流会社様と提携しています。
ご不明点があればお気軽にご相談ください。
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スターフィールド編集部
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