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Eコマースにおける購入の決め手は?(3)
鍵はSDGsにあり

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はじめに

消費者は何を決め手に購入を決めるのか、様々な視点から考察するシリーズ第3弾。
前回は「支払方法」がどの程度購入の決め手になるのか紹介しました。今回はサステナビリティが購買活動に与える影響を見ていきたいと思います。

世界各国で変わる消費者意識

各メディアで取り上げられるサステナビリティやSDGsという言葉や考え方。一定の規模を持つ企業であれば、CSRの一貫/延長として取り入れ始め、学校の授業のトピックになっている…日本ではまだその程度の認識かもしれません。
しかし、先進国を始め、世界各国ではそれ以上に関心を持ち、自分事として捉えている人が増えているようです。

たとえばシンガポールでは、約85%の消費者が環境に優しい製品を購入するために、より多くの金額を支払う意向を示したという調査結果もあります(参考:シンガポールの買い物事情)。
また、アジア最大のECモールShopeeにおいても、様々な取り組みが行われています(参考:アジアECモールもSDGs商品に注目!

また、サスティナブル消費のわかりやすい例であるリユース業界も、世界的に非常に盛り上がりを見せています(参考:【越境EC】古着業界が火傷じゃ済まないくらい熱くなる)。

最新の消費者意識は?

以前もサスティナブル消費/エシカル消費の意識調査についての記事を執筆しましたが、それから約1年が経過し、変化はあったのでしょうか。

アメリカのITサービス・コンサルティング会社のAstound CommerceとShopifyが提携して行った調査「Sustainability and Your Customer」(※)によって、各国の消費者が、サステナブルな製品により多くのお金を支払いたいという強い意欲を持っていることが明らかになりました。
※米州(カナダ、メキシコ、米国)、欧州(ドイツ、イタリア、オランダ、スイス、英国)、中東(サウジアラビア、UAE)が対象。

特に注目すべきは、これから長い間ファンとなってくれる可能性のある若い世代、つまりZ世代の消費者は、環境問題に対するブランドの姿勢に最も影響を受けており、その割合は62%に上るということです。また、ミレニアム世代の71%が、サスティナブルな商品に(そうでない商品に対して)より多くのお金を支払うつもりがあると回答しています。

※画像は「Sustainability and Your Customer」レポートからのキャプチャ

さらに、同調査によると、グローバルな消費者の5人に3人が、環境問題に対する企業の姿勢に注目していると答えたそうです。
また、購入することでそのブランドを支持することを示す際に注目するポイントとしては、二酸化炭素の低排出、輸送、リサイクル包装といった要素が上位にランクインしています。

つまり、気候変動などの環境問題への取り組みに対する企業の前向きな姿勢は、消費者の購入の意思決定に何らかの影響を与えていると言えます。

まとめ

昨今あらゆる分野やシーンで取り上げられる「サステナビリティ」ですが、それだけ人々の意識が高まっていると言えます。この結果はその表れの一端ではないでしょうか。
購入者の満足度が上がり、売上もアップ、さらに環境や社会に良い影響を与えるなら、この課題に着手しない手はないでしょう。

参考

Sustainability Is More Than a Buzzword for E-Commerce Survival

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TOMI

制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。

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