【台湾越境EC】成功企業と失敗企業の特徴
はじめに
日本からの越境ECで、特に販売を開始しやすい、と成功事例が多いのが台湾。多くの企業様が挑戦され、売り上げをコンスタントに伸ばされている企業様も多くいらっしゃいます。
そんな台湾越境ECですが、成功される企業様が多い反面、撤退を余儀なくされてしまった企業様も多くいらっしゃいます。失敗しやすい企業様の特徴は何か、どのように改善するべきなのか、台湾越境ECの最新情報と併せてご紹介します。
1. 信頼度&認知の欠如が購入の妨げになっている
「見たことのないブランド・商品を普通買わない」というのは、一般的に誰もが思っている事でしょう。そのため、安心してもらえるアプローチを行う必要があります。例えば、広告で「なんか知ってる」という状況を作っていくことが大切です。
アウトドアブランドのスノーピークという会社は、10年くらい前から越境ECを続けています。その間ほぼ赤字運用をしていたそうですが、近年世界的にかなり売れるようになってきたようです。
つまり、長い目で越境ECを行い、認知を高めブランドを信頼&安心してもらうことで購入してもらいやすくなるということです。会社としての体力が十分にある方が、長期的な越境ECでの成功はしやすいと言うことができるでしょう。
2. スモールスタート(プロモーションの予算が100万円以下)である
小さく始めて様子見してから、軌道に乗ったら大きくしていくという方針の、よくある失敗例についてお伝えします。
この場合、効率が重要になるため「コンバージョンしてください!」というアプローチになってしまいます。それがブランドとしての信頼や安心感を欠如させる原因にもなっていることがあります。このアプローチだとずっとレスポンスを求めるための広告活動になり、上がるきっかけを持てないまま撤退するケースが多々あります。
スモールスタートは良いことですが、しっかりと戦略を立てたり、事前に現地調査を行うことが重要になってきます。
3. 後払い決済に対応しないといけない
ECサイトといえば、基本はクレカ購入ですが、本当に届くのかわからない商品を先払いするのはリスクになります。特に、初めて越境ECで、初めてのお店で買い物をする際には、誰もが「ちゃんとした商品が届くのかな、」と心配になりますよね。
そのため、商品がちゃんと届いてから払いたいという心理が働き、特に台湾ECではコンビニ受け取り・後払いの比率が高い傾向にあります。
日本と異なり、台湾のECではコンビニ決済が当たり前に利用できる環境なため、後払い決済を対応していない通販サイトは、CVRがかなり下がっていると言っても過言ではありません。
コンビニ支払い・受け取りについては別記事でも詳しくご説明しています。
4. 越境ECに関する台湾の新ルール(EZ WAYについて)
2020年5月16日から施行されたルールについてもしっかりと把握しておく必要があります。
- 越境ECで買ったものをアプリ/紙で申請しないといけない
- 2000TWD以上の購入は、関税がかかる
- 半年で2000TWD以下の購入は6回まで免税(7回目以降は関税がかかる)
この影響で以下のことが起こっています。
- 購入を躊躇する人が現れる(CVRの低下)
- 2000TWD以上の購入を避けるようになり、購入単価が下がる
- 広告に対する費用対効果が著しく悪化する
- 越境ECをやめて、現地ECとして販売するケースが増える
EZ WAYについては、別記事でも詳しくご説明しています。
では、どうしたらいいか
1. 安心感のあるコミュニケーションを行う
日本ではテレビCMを活用して認知を上げる施策を取られる企業様もいらっしゃいますが、台湾のテレビはチャンネルが多く、テレビCMが必ずしも良いとは限らない(ターゲットを絞るのが難しい)ようです。
代替案としては、KOL/インフルエンサーの起用です。ただただ有名なインフルエンサーを起用するのではなく、嘘をつかない・効果を盛りすぎない・発言に信頼できるインフルエンサーが、マーケットからも信頼されていて、CVに繋げやすいでしょう。
2. 現地ECを検討する
EZWay対策をするには、現地EC(台湾在庫、台湾ドル建てでの販売)を検討される方が望ましいかもしれません。また、配送費がかかる商材も同様です。一般的に、台湾での価格が日本の価格の1.3倍を超えると購入されなくなると言われています。輸送コストも含め、いくらで台湾消費者に買っていただけるのか、しっかり検討をした上で、どういった形態での越境ECが適切か判断した方が良いでしょう。
3. 広告のインハウス化
広告手数料をできるだけ削って、自社で広告を頑張るのが利益を残すためには、広告のインハウス化を検討しても良いかもしれません。台湾のSNSの利用が高いのは、LINEやFaceBookです。日本と同じSNSや検索エンジンを利用しているので、日本で広告運営をしたことがある方であれば、ある程度知識や技術を横展開することができる点は、台湾越境ECの魅力です。
《参考・画像出典》
【誰も教えてくれない】台湾向け越境ECの苦戦とこれから (前編)・(後編)
Author Profile
M.NIWAYA
なんとなく入った学校で、ITの知識を叩き込まれる。 エンジニアをしたり、カスタマーサクセスをしたり、マーケを楽しんだり。美味しいものと洋服を愛してます。
SHARE