2020/12/18
株式会社フルスピード様
中国向けWEB広告のリーディングカンパニー、フルスピード社。2012年から中国向けサービスを開始し、SEO、リスティング、SNS運用などのコンサルティングから運用まで、幅広い支援を行っています。今回は、コロナ後特に注目が集まっている中国のEC市場や、中国での戦い方、中国での自社ECサイトの可能性について、株式会社フルスピード、マーケティングコンサルティング事業部の三島悠輔氏にお話を伺いました。
百度日本法人の基幹代理店
御社の強みについて教えてください。
国内でデジタルマーケティングの事業を包括的に行っていたため、中国向けのデジタルマーケティングだとしても、やはりパフォーマンスの上がる運用や、KPIの設計の仕方、そして収集したデータをどのように見て、どのように改善していくかとしてのノウハウがある部分は強みだと思っています。また、百度の広告運用に強みを持った広告代理店の証として、百度日本法人の1次代理店である基幹代理店として選んでいただいており、百度社からのバックアップのある体制で、クライアント様の広告運用やコンサルティングを提供することができます。中国大手の百度社からの最新の情報を得ながら広告運用を行うことができるということは、新しいトレンドやチャンスを掴んで適切なアクションを起こすことができると確信しています。
また、越境ECに関しては、既に日系企業様でもTモールや京東などといったモールに出店されている企業様がいらっしゃいますが、モール内の取り組みだけだと新規顧客の獲得がすごく難しいと悩まれるケースが非常に多く、外部広告、外部流入も含めて何か展開できないか、というご相談を受けることがあります。そういった際には、百度の広告経由でTモールや京東への送客をするような取り組みで購入に結びつけるご支援をしています。
中国は魅力的な反面、競合性が非常に高いマーケット
中国は魅力的ですが、どこから始めたら良いか分からないです。どのようにしたら成功できると思いますか?
中国は人口規模で言うと、日本が1億2千万人に対して14億人、日中の越境EC市場としてみても約2兆円と言われています。直近(2020年11月)の独身の日のレポート等を見ていても、1日で12兆円を叩き出すといった魅力的なマーケットな反面、競合性が非常に高いマーケットという捉え方をした方が良いかと思います。競合というのは、同じように中国に進出している日系企業、他の国の海外企業、そして中国国内の企業です。そういった競合に勝っていくには、最初のマーケット調査からかなり丁寧に行う必要があり、プロモーション開始前に、「こういう攻め方をしたら、成功できるだろう」という戦略をしっかりと立ててから実際に展開に踏み切ることが非常に重要かと考えています。各社の取り組みの中で非常に多いのが、自社の強みや訴求を整理せずになんとなくの雰囲気でKOLなどプロモーションはじめましょう、というやり方をしてしまってるケースが多いように感じます。
検索エンジンと相性が良い商材は独自ドメインで
中国における独自ドメインのECサイトの可能性はあるのでしょうか?
独自ドメイン、つまりD2Cのモデルで直接自社店舗を持つというスタイルはメーカー様にとってもメリットのあるモデルですし、今後伸びていくと思います。いくつか理由がありますが、まず、ここ数年でTモールや京東に出店している企業様から「売り上げは上がるけれど、利益が上がらない」「顧客情報を満足に収集できない」というご相談を受けることが増えてきました。モールを運営するためのランニングコストがかなり高額だということや、モール側は顧客情報を事業者様に渡したくないといった状況から、モールの運営自体は売り上げをあげたりブランディングの観点では効果的な一方、中長期的に利益を上げたり、顧客情報をストックするということは難しいのだと感じています。この部分を解決するためには、自社の店舗を持つ必要があり、独自ドメインでの展開が一つの選択肢としてあげられます。
独自ドメインの良さは、仕様を自由に変えられるところとデータを収集できるというところです。広告の計測タグや解析タグは、他のプラットフォームでは埋め込められませんが、独自ドメインの場合、タグを埋め込めることができて、顧客はどういった行動をしているのかなど見える部分がかなり広がります。データをたくさん収集できればできるほど、考えられる仮説も豊富になり、様々な施策を試すことができます。
広告タグだけでなく、独自ドメインの場合は検索に強いという部分も大きなメリットです。実際にどのキーワードでどのようなアクションをしているのか見ることができるので、検索の相性の良い商品だったりすると、独自ドメインで戦うと効果的なのではないかと考えています。最近の人々は、SNSで情報収集して検索エンジンは使わない、といった風潮が特に中国ではありますが、そんなことはないと思います。実際百度の検索ユーザーが5~6億人いるので、データからも明らかです。では、どんな商材が検索エンジンと相性が良いかというと、SNSでは調べないような「強く悩む」「強く痛む」「明かな身体の異常」「相談しづらい」といったお困り事です。お困りの深刻度が深いほど、明確なキーワードがあるので、人々は検索しますよね。SNSは比較的ポジティブな情報で溢れているので、そういった悩みに対しての解決コンテンツがありません。こういったことから、コンプレックス商材だったり、悩みを解決するような商材だったら、検索エンジンとの相性が良く、独自ドメインと一気通貫して攻めていくという方法は良いのではないかと思っています。
中国での成功法則を見つけ出していきたい
LaunchCartとの出会いについて教えてください。
越境ECを日本企業に広めたいという共通目的をもった社団法人での集まりでお会いしたのがきっかけです。今では良いパートナーとして、案件でご一緒したり、弊社で新サービスを立ち上げる際などでご相談させてもらったりしています
今後の展望について教えてださい。
日本企業の海外進出を簡単にしていきたいというのを事業のビジョンの核にしていることから、このビジョンを体現できるように様々なソリューションを展開しています。まず中国から始めたため、そこで売り上げや実績を挙げて、成功法則を見つけ出していきたいです。 また、東南アジア向けの商圏拡大も今後ご支援していきたいと考えており、独自ドメインでの越境ECということでしたら、我々はプロモーションやマーケティング領域、LaunchCartは決済やカートシステムの領域、といった形でご一緒させていただきたいと考えています。
Author Profile
MINGFAN
自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。
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