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Shopee Japan株式会社様

Shopee Japan株式会社様

事業概要

台湾・東南アジア最大級のECモール、Shopee(ショッピー)。オレンジ色にSマークのロゴを見た事のある、越境EC事業者様や、越境ECをご検討中の方も多いと思います。今回は、Shopeeの強みや特徴、さらにはShopeeで販売する時の効果的な施策について、Shopee Japan株式会社、日本越境チーム代表の村松様にお話をお伺いしました。

台湾・東南アジアで最大級のECモールShopee

Shopeeのサービスの概要や特徴について教えてください。

Shopeeは、親会社であるSeaグループの3本の軸である事業の1つのサービスで、オンラインショッピングの事業を行っている会社です。ちなみに、残りの2つはファイナンス事業とゲーム事業で、特にSeaグループがゲーム事業から始まったこともあり、社全体としてモバイルに強い企業、という特徴があります。

Shopeeは、台湾・東南アジアで最大級のECモールとして展開させていただいており、現地では、日本の楽天やAmazonのような、日常的に使っていただいているECプラットフォームです。アジア圏では、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムに展開していて、もう1つ中南米では、ブラジルでも展開中です。

日本は販売だけができますが、他にも日本のような越境販売に特化した国はあるのですか?

日本のように、越境販売をしている国は、中国と韓国の2マーケットです。実は、中国・韓国は日本よりも先輩で、最初は東南アジアに華僑の方が多いという事で中国からの越境が始まりました。その後、韓国、日本、と越境販売が拡大してきたところです。

同じ越境販売とはいえど、それぞれ中国・韓国・日本と売れ筋の商品も異なっています。中国のセラーさんは、低単価な商品を取り扱っている事が多いです。物量も多いので、少ないマージンでもビジネスが成り立っている所が、中国のすごいところですね。一方、韓国はビューティー系とK-POPのグッズ系のカテゴリの商品がメインです。日本の場合は、最初はビューティー系や食品系が多かったのですが、徐々にカテゴリを広げて需要が伸びています。特に、アウトドア系、ベビー系、ペット系の商品の人気が高まっているのが特徴的です。やはり、日本の安心感だったり、衛生的なイメージがあるのだと思います。子供やペットのために、少しお金を払ってでも安心感を買いたい、という層の方にうまくハマっていると感じますね。

「海外配送」や「偽物対策」に取り組む

Shopeeと他のECモールの違いについて教えてください。

まずは、台湾と東南アジアで最大級のECモールという事で、何が最大かというと「ユーザー数」のことです。そのため、日本のセラーさんが台湾・東南アジアに販売する際に、最も大きなオーディエンスにアプローチできる、という点が一番の強みとして挙げられます。

そして、我々のサポート体制も整っている点も特徴的だと思います。日本のメンバーが、日々セラーさんのトラブルシューティングや、売上向上のサポートを行っています。日本の越境販売でいうと、他社様と比べても、大差ないどころか、少し優位な部分もあるのではないかなと思います。

また、物流面も力を入れている部分です。もともと、フィリピンなど日本郵便で送っても、全て「郵便局止め」。つまり、バイヤーさんが郵便局まで取りに行かないといけなかったりしていました。マレーシアも同様、East MalaysiaとWest Malaysiaで状況が大きく異なり、正しく商品が配達されないこともありました。現在、しっかりとバイヤーさんまで商品をお届けするために、Shopeeの物流サービスである、Shopee Logistic Service(SLS)を順次導入しています。SLSを使っていただければ、商品がDoor to Doorで届けられるだけでなく、商品がどのような状態にあるのか、何が原因で届いていないのかが分かるんです。例えば、1回行ったけど不在だった、2回行ったけど不在で戻ってきてしまった、など。届かなかった際の補償も力を入れているので、セラーさんやバイヤーさんにとっても、安心してご利用いただける様な仕組みづくりをしています。

Shopeeのバイヤー目線でShopeeの強みは違いがありますか?

今、Shopeeが一番力を入れているのは、「顧客体験の向上」です。東南アジアで物販をしていると、「偽物」が日々向き合っている課題の1つでして、たまに日本のブランドさんからも「この商品、うちの商品じゃないよ」なんて、ご指摘いただいてしまう事もあります。そのため、Shopeeでは、システムや社員が自分の目で偽物かどうかチェックして、バイヤーに品質保証や本物保証を提供できるように力を入れています。Shopeeもバイヤーに対する最高ショッピング体験の提供を重視しており、色々な大型セールやキャンペーンとShopee Liveなどのエンターテインメントでバイヤーに最も良いバリューを与えています。

オンラインが当たり前の東南アジア、今後はもっとモバイルを使った工夫を

やはりコロナ前と後では東南アジアのEC市場は変わりましたか?

Shopeeとしても、コロナ期間中に様々なリサーチをして、オンラインで物を買うのが当たり前になってきたなぁという感じがしています。また、2023年にも改めてシンガポールでリサーチをしたのですが、3人のうち2人がデイリールーティーンのように、オンラインで買い物をしているそうです。

あとですね、やっぱり東南アジアって若い人口、20代30代が非常に多いので、デジタルトランスフォーメーションなんて言葉すら存在しないんですよ。当たり前にデジタルで、固定電話を知らずにスマホを使ったりしているので。なので、オンラインでお買い物をする抵抗も、日本の方に比べて少ないのではないかなと思います。

なので、ライブストリーミングとか、ゲーミフィケーション(ゲームを通じたお買い物体験)など、モバイルを使った様々な工夫を、Shopeeとしても新たに取り組んでいかなければならないと考えています。

年間でのスケジュール計画、積極的なコミュニケーションが成功の鍵

Shopeeで成功する秘訣を教えていただけますか?

11.11や6.18など、Shopeeでは様々なキャンペーンを行っていますが、東南アジアの攻略には、年間のスケジューリングが非常に大切だな、と日々痛感しています。そのため、セラーさんには、在庫確保やバウチャーセッティングをなるべくタイムリーにお伝えするようにしています。セラーさんによっては、「じゃあキャンペーンシーズンだけ頑張れば良いんですか」などのお声もいただいてしまうのですが、やはりキャンペーンシーズン以外でいかに認知を高めるか、フォロワーを増やすか、そしてキャンペーン時に売上を伸ばすかというのが戦略になってくると思います。上手にやられているセラーさんは成功していますし、一度成功するとだいたいどのキャンペーンでも売上を伸ばしています。

全てのキャンペーンに参加するのは良くないのでしょうか?

強弱は絶対付けた方が良いですね。それがショップのブランディングに繋がってくるので。キャンペーンばかり頑張ってしまうと、それがブランドイメージになってしまって、キャンペーン以外は全く訪問されなくなってしまう事もあります。一方、キャンペーンや平常時で上手にブランディングができると、洋服だったらここで買おう、トレーディングカードだったら、この店が取り扱っているかもしれない、とショップのイメージを持っている人が多いので、そういったイメージを持ってもらう事を目指すと良いかもしれないですね。

逆に、成功しづらい企業の特徴はありますか?

なかなか成功が難しいショップは、①マーケティング活動と②ユーザーとのコミュニケーションが不足しているかな、と思います。 ①マーケティングに関しては、新規のショップさんで、とりあえず商品の品質や日本での認知度だけで勝負されると、なかなかトラフィックが入りません。なので、少額でも良いのでマーケティングへの投資をした方が良いと思います。

もう1つ、②ユーザーとのコミュニケーションというのは、主にチャット機能の使い方の工夫です。リピート購入を促すためには、チャット機能が有効で、上手く使われている企業様だと、購入後に「サイズは大丈夫でしたか?」とフォローしながら次の購入に促すなど、丁寧なコミュニケーションをされています。このようなショップさんは、リピート率も高く、キャンペーンでも一定数売れるといった実績を残されています。台湾東南アジアのローカルセラーも、チャット機能を使って、かなりマメにコミュニケーションを取っているので、日本セラーの皆さんにも活用いただきたいです。

また、Preffered Seller(プリファードセラー)になったら、チャットを一斉送信できる機能が使えるようになるので、新商品やキャンペーンのお知らせをすることができます。ユーザーの満足度や安心感を上げるために、Shopeeでは Preferred Seller(プリファードセラー)やMall Seller(モールセラー)を機能面で優遇したりしているので、ぜひ目指していただきたいです。

Mall Sellerと Preferred Sellerについてもう少し詳しく教えていただけますか?

ブランドホルダー様はMall Seller、その他一般のセラー様は Preferred Sellerというランクが、一定条件を満たされると付与されます。(※Mall Sellerは申請が必要) モールセラーのショップは、通常のオレンジとは異なる赤色の見た目の売り場で、Preferred Sellerは各商品に「Preferred」のマークが付いているため、一目で区別がつきます。 Mall Seller はバイヤーに品質保証や本物保証の強化するために認定し、バイヤーが安心にお好みブランド商品を購入できる体験を提供しております。 Preferred Sellerは丁寧なカスタマー対応や迅速な配送などの良いサービスを提供できたセラーの認識です。 その他にも、Mall Seller・Preferred Sellerだけが使えるShopeeの販促機能もあったり、オーガニック検索でも上位に表示されやすくなったりする、というメリットがあります。 これらのセラーランクを獲得すると、ユーザーの信頼や安心感もグッと上がるので、実際にショップのパフォーマンスが変わったという事例もあります。

Shopeeの優先販売者プログラム「Preferred Seller」とは:https://shopee.jp/column/preferredseller/

Shopee Education Hub モールセラーとは:https://shopee.jp/edu/article/8635

「越境ECを簡単に!」

弊社との今後の取り組みについてや、期待することについて教えてください。

我々も、人員が増えてきてはいるものの限られている中で、日本の事業者様にShopeeをご紹介いただく、という部分も、スターフィールド様のようなパートナー様に頼らせていただいています。ぜひ一緒に台湾東南アジア向けの越境ビジネスを一緒に盛り上げて行きたいと思っています。

今後は連携を強化して、最新の動向やデータなどもご提供しつつ、セラーさんにより良い越境販売ができる環境を一緒にご提供していきたいですね。

Shopee Japanの今後の目標は何ですか?

「越境ECを簡単にしたい」というのが、私たちの究極のミッションです。セラーさんと消費者、それぞれもメリットがある世界を越境ECをつかって作っていきたいというのが私たちの目指していく方法方向です。特に今は、プロセスの簡素化と、決済や品質の部分での安心感を強化していかないといけないと思っています。そのためには、テクノロジーを上手く活用していかないといけないので、本社の連携やAIの活用などにもチャレンジしていきたいです。

越境ECが簡単になればなるほど、越境ECでの取扱金額も増えていくと思うので、今はShopee Japanのメンバーが補っている部分もいずれはシステム化し、より良いサービスをご提供できたらなと思っています。

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著者近影

MINGFAN

自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。

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