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台湾進出の日系企業最新動向

台湾進出の日系企業最新動向

はじめに

昨今数多くの日系企業が海外進出を進める中、親日国家でもあり当社も支店を構える国「台湾」にも多くの日系企業が進出しています。今回は台湾に進出している日系企業の最新動向についてご紹介したいと思います。

日系企業の台湾進出状況

帝国データバンクが実施した調査によると台湾に進出する日本企業は、2024年7月時点で2988社です。この数字は2022年の3124社から136社(4.4%)の減少となっています。背景として台湾への進出は中国大陸進出の足掛かりとするケースが多く、台湾・中国を一体化した市場として進出する企業は少なくないと見られます。足元では、中国経済の減速に伴う景況感の悪化、製造業を中心とした「脱中国」の動きも進む中、特に中国市場へのアクセスを前提に台湾へ進出した、または進出を検討していた企業では、計画の凍結や見直しなど変化が生じた可能性があります。

中国進出の停滞により台湾への進出企業数は若干減少しているものの数多くの日系企業が台湾へ進出しています。以下が業種別の台湾進出社数内訳です。

「製造業」が1156社で全体の約4割を、次いで「卸売業」が877社(29.4%)を占め、製造・卸売の2業種で全体の7割を占めています。「卸売業」では、工業用の電気機械器具卸売といった業種のほか、工業用化学薬品、食品など、取り扱い品目は広範囲に及んでいます。「小売業」は373社という結果でした。

参考:株式会社帝国データバンク 日本企業の「台湾進出」動向調査(2024年)

日系「卸・小売業」の台湾進出はここ10年で急拡大

日系「卸・小売業」の台湾進出状況について中華圏向けマーケティング等を手掛けるノーツ株式会社のHPより抜粋しましたのでご紹介いたします。

安定した内需に支えられ、小売・飲食・宿泊業などの日本のサービス業は多国籍企業の割合が10%未満、不動産業の海外売上高の割合が5%未満と、長らく本国の消費者市場への依存度が高い状態にありました。

しかし、近年の日本は、深刻な高齢化・少子化傾向の中で国内消費の低迷やサービス業の人手不足などの課題を抱えており、小売業やサービス業のビジネスモデルが内需市場のみに依存していることが課題となっていました。 これにより、日本のサービス業やブランドは、拡大する「世界の内需」を取り込むべく、総合的な海外展開戦略に乗り出すことになりました。

その結果、2014年以降、日本企業は小売・商業不動産を軸に台湾進出を加速させ、徐々に台湾に日本独自の海外ビジネスネットワークを構築しています。 マツモトキヨシ、ドン・キホーテ、アトレなどが続々と台湾に進出しており、その多くが台湾を海外進出の最初の拠点としていることから、日本企業の海外戦略において台湾市場がどれだけ重要かが分かります。

台湾の国内市場規模は限られていますが、日本のサービスやブランドを好む消費者層、日本文化を深く理解した質の高いサービス労働力、二国間貿易を通じた長年のビジネス協力の基盤を有しており、日本企業が海外で日本の生活圏を構築し、グローバルな流通人材を育成するための市場となっています。

引用元:https://notes.co.jp/invest-to-taiwan/

主要日系企業の台湾進出状況(小売業)

現在台湾に進出している日系企業を小売業の主要5分野(コンビニエンスストア、ドラッグストア、家具メーカー・ホームセンター、アパレル、百貨店)をご紹介いたします。

コンビニエンスストア

全家(FamilyMart)

ファミリーマートと台湾の現地企業である国産汽車股份有限公司との合弁により全家便利商店股份有限公司が1988年8月18日に法人設立され、店舗数は3000店舗を上回っています。

参考:https://bizlab.sg/magazine/blog/2022/05/02/taiwan-main-supermarket/#index_id11

ドラッグストア

Tomod’s(トモズ)

2012年より台湾に進出し、日本のみならず韓国や欧米の有名なブランドを広範囲に販売、デパートや駅など好立地に店舗を構え、台湾国内には20店舗以上展開しています。

マツモトキヨシ

2018年に進出し、台湾の臺隆工業股フン有限公司と共にドラッグストア事業を展開し、現在は台北を中心に18店舗展開しており、台湾でも認知度が高いです。

サツドラ

2018年に進出。サツドラホールディングス株式会社のグループ企業である台灣札幌藥粧有限公司(本社:台北市内湖区/代表者 高田 裕)と業務提携している現地企業の勝霖薬品股份有限公司(本社:台中市)が運営しています。主に医薬品・化粧品・食品を取り扱い、2021年10月10日には、桃園市に10店舗目となる「札幌桃園遠百店」をオープンしました。

参考:https://bizlab.sg/magazine/blog/2022/05/04/taiwan-main-drugstore/#index_id9

家具メーカー・ホームセンター

無印良品(ムジ)

小売店舗・商品開発と製造・販売を展開する専門小売企業。世界中に1000店舗以上あり、商品の種類は7000以上に及びます。台湾には2024年8月末時点で65店舗展開しています。

NITORI(ニトリ)

台湾、中国など、世界に約100店舗を展開し、台湾には2024年12月12日時点で66店舗展開しています。

参考:https://bizlab.sg/magazine/blog/2022/08/17/taiwan-main-furniture/#index_id7

参考:https://www.ryohin-keikaku.jp/corporate/overview.html

参考:https://news.shoninsha.co.jp/store/265619

アパレル

GU(ジーユー)

台湾には2014年に進出し、新北市板橋區に本部を置いています。2018年12月現在、海外(中国、台湾、香港、韓国)に26店舗を展開、台湾ではGU ATT4FUN店、GU 明曜百貨店、GU 台中大遠百店、GU新光三越桃園站前店など、デパート内に店舗を入れ、台北から高雄まで国内全体に展開しています。

UNIQLO

ユニクロの台湾現地法人は台灣優衣庫有限公司という名前で、2010年4月06日に設立され、台湾には2024年8月末時点で72店舗展開しています。

台灣無印良品(ムジ)

小売店舗・商品開発と製造・販売を展開する専門小売企業。世界中に1000店舗以上あり、商品の種類は7000以上に及びます。台湾には2024年8月末時点で65店舗展開しています。

TAIWAN ITOKIN(イトキン)

イトキン株式会社は東京都渋谷区に本社を置く婦人服を中心とした衣料品の製造販売企業です。展開するブランドは、「a.v.v(アー・ヴェ・ヴェ)」、百貨店向けの「ミッシェル クラン」、「シビラ」、「ジャンニ ロ デュディチェ」などグループ企業も合わせると20ブランドに及びます。 台湾のイトキン会社名は台灣伊都錦股份有限公司で、台北市南京東路3段311號4樓に本部を置いています。

参考:https://bizlab.sg/magazine/blog/2022/05/04/taiwan-main-fashion/

参考:https://www.fastretailing.com/jp/group/shoplist/

参考:https://www.ryohin-keikaku.jp/corporate/overview.html

百貨店

新光三越(シンコンミツコシ)

台湾新光グループが日本の三越百貨店との合弁にて1989年にスタートした百貨店チェーン。現在台湾で15店舗20館を展開しています。

参考:https://bizlab.sg/magazine/blog/2022/05/04/taiwan-main-shoppingmall/#index_id9

まとめ

いかがだったでしょうか。2024年現在、大変多くの日本企業が台湾に進出しています。新しく海外ビジネスを検討中の企業様は台湾を最初の海外拠点とされている傾向がある事が分かりました。日本国内でお馴染みの小売店もかなり多く進出している事からも台湾市場にビジネス拡大の可能性を感じます。

Author Profile

著者近影

TAKAHIRO FUKUDA

営業担当をしています。

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