STERFIELD

人民元と基軸通貨

人民元と基軸通貨

今月1日から円と人民元の直接取引が開始された。
現時点での商いはまあまあ順調であり、今後に期待が持てる状況ではある。

アメリカが賛成するはずもなく、よく踏み切れたと感心。

私は国際競争力を失った大手主体の大量生産大量消費の産業体型を解体し、
技術やノウハウを持った中小企業がそれぞれの付加価値を見出し
個々に海外(特にアジア)に出るべくビジネスをしている。

そんな中、今回の人民元直接取引は国として、
アジアとの貿易インフラの拡大を目指すという意味で大きな一歩だと思う。

本題の「人民元と基軸通貨 」についてだが、
今回の件で人民元が基軸通貨の世界というものが、私見としてかなり現実的に見えてきた。

その裏付けの意味も含め以下これまでの基軸通貨の歴史を整理した。

1:英ポンド
期間:19世紀半ば ~ 20世紀初頭
背景:
世界初の産業革命国という圧倒的経済力に加え、
強固な軍事力により世界中に領土を持つ。
→ 世界広範囲の取引にポンド利用に加え、金本位制を最初に導入

2:米ドル
期間:20世紀半ば ~ 現在
背景:
一次大戦での英国力低下、米の急成長。
1944年IMF設立により米ドルが基軸通貨に。

英ポンドから米ドルへの移行は1920年~1940年代にかけて行われ、
1944年7月のIMF設立により確立されたとされている。

ポンドが基軸となった日時は明確ではないが、
仮に1950年とすると70年~90年前後の間で移行が進み、
100年以内には移行されたということになる。

そう考えるとあと2~3年のうちに移行が始まるかもしれない。

事実、アメリカの経済状況は芳しくない。
製造業の衰退、軍事費の削減、ドルの弱体化など
特に対中国の発展において脅威となる分野での良いニュースを聞かない。

更に、世界銀行は昨年「2025年に人民元が世界の基軸通貨の一つになる」という報告書を出している。

これは暗に米ドルと人民元が2大基軸になるということだ。
これはかなり現実的な話だ。
むしろこれは日本にとって理想的な形かもしれない。
アメリカとの関係を保ちつつ人民元を介してアジアとの貿易を優先的に行える。

アメリカの出方、中国の情勢を考えるとまだどうなるかわからない。
しかし人民元が強くなることは間違いない。
さらに取引をアジア内でできることは中国のみならずアジア進出においてとてもプラスになる。

アジア向けECを推進している私としては、
これを機に、アジア間貿易における物流、金融面での障壁の低減を期待したい。

Author Profile

著者近影

HOSHINO

ECのことを中心に書きたいと思います。 ネタが無いときはプログラムやデザインのことも書きます。

SHARE

合わせて読みたい