STERFIELD

欧州で始まる新たな包装ルールとは

欧州で始まる新たな包装ルールとは

はじめに

2024年4月、以前から問題視されていた過剰包装やリサイクルのできない梱包材について、欧州議会は新しい協定に合意しました。 このルールは越境商取引にも影響を与えるものとされており、ヨーロッパ向けの貿易やECの事業者は注意が必要です。

新しい包装ルールとは?

このルール策定計画が初めて公表されたのは2022年末頃のことです。Eコマースの拡大に伴い増加の一途をたどっていた包装廃棄物をなんとかしようと始まった取り組みでした。 しかしEC業界団体等から規定が不十分という批判を受け、23年11月に改定されて議会が賛成票を投じていたものの、まだその段階では欧州理事会との合意形成には至りませんでした。 その後さらなる改訂を経て、ようやくこの24年4月に欧州議会と欧州理事会が協定に合意することになったのです。

2021年の調査によると、ヨーロッパ全土で廃棄される包装材は約189kg、何もしなければ2030年には209kgまでに増加するだろうという予測がなされています。それを受け、この規則は以下のように目標を定めました。

  • 2030年までに5%削減
  • 2035年までに10%削減
  • 2040年までに15%削減

この目標の達成のための主な取り組みは以下になります。

2030年1月より、特定の再利用不可プラスチックを使用した包装を禁じること

未加工のフルーツや野菜の包装、砂糖の袋、ホテルのアメニティのミニボトル等が含まれます。

Eコマースの包装の空き容量を最小化すること

輸送及びECの包装の最大空き容量は50%以下となります。また議会は、製造業者と輸入業者は梱包の重量と体積を最小限に抑える必要があると述べています。

リサイクル可能な梱包材を用いること

この規制は、包装の再利用に関して2030年までの具体的な目標を定めています。ただし、一定の条件の下で、EU諸国は5年間この規則からの逸脱を認めてもいます。

段ボールが不要に?Amazonの取り組み

この合意に先駆けて、2023年11月からAmazonでは、ヨーロッパへの配送に使われる梱包材にはリサイクル可能な資材を使う取り組みを始めました。

Amazonはサプライヤーの協力により、ヨーロッパにおいて「梱包無し」で配送される製品が50%以上増加したと述べています。元々の梱包がそのまま顧客に届けられる十分な強度を保っており、Amazonは送付ラベルを貼り付けるだけだというのです。

オランダでは、この外箱なしでの配送を促進する「商品パッケージで配送」というAmazonのプログラムを導入しました。すべての商品は落下テストに合格しており、元の商品パッケージで安全に顧客に届くことが保証されています。注文フローの中で、商品は追加の梱包なしで配送されることが顧客に通知されますが、例えばギフトとして贈る場合など、状況に応じて梱包を追加で希望することができるそうです。

Amasonは「2019年以降、当社の欧州配送ネットワークでは、使い捨てプラスチック製配送バッグの使用を10億枚以上回避できたと推定している」と、この取り組みがプラスチック使用量の削減に貢献していると強調しています。

まとめ

ヨーロッパ間の輸送であれば、外箱無しでも配送に堪えうるかもしれませんが、大陸を渡る配送ではなかなか難しいかもしれません。しかし一般貿易の場合は、現地でそのような配送を行うという選択肢が今後生まれてくるかもしれません。少なくとも、いずれの場合も外箱と商品の間に不要なスペースがあるのは良しとされないでしょう。 さらに言えば、このルール下の取引が主流になった場合、仮に海外からのその基準に満たない配送方法や商品であった場合に、顧客からネガティブな反応が返ってくる可能性も十分に考えられます。 今はヨーロッパのみのようですが、今後は世界的にもこのような動きが進んでいくのではないでしょうか。

Author Profile

著者近影

TOMI

制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。

SHARE

合わせて読みたい