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ファッション業界にもサーキュラーエコノミーを!Reflauntの取り組みとは?

ファッション業界にもサーキュラーエコノミーを!Reflauntの取り組みとは?

はじめに

前回はヨーロッパDHLがファッション中古市場で開始した新たな取り組みを紹介しました。 その取り組みの大きな要となっているのが、シンガポール発のスタートアップ企業「Reflaunt(リーフロウント)」です。

Reflauntとは?

※画像は公式サイトのキャプチャ

Reflauntは、ファッションブランド(メーカー)と中古市場をつなぎ、サスティナビリティと収益性を確保する「サーキュラーファッション(ファッション業界におけるサーキュラーエコノミー)」の提供を目指しています。

近年ますます意識の高まる「サステナビリティ」ですが、ある程度の物量を製造し、新しいクリエイションを次々に生み出さなければいけない(そして利益を上げなければならない)ファッションブランドにとっては取り入れるのが難しい考え方でした。Reflauntはそのようなファッション業界の課題を解決するサービスを提供しているのです。

元々はシンガポールで創業した企業ですが、バレンシアガのCEOやアリババの創設者などからも資金調達し、現在はイギリスのロンドンにマーケティングチームを置いており、ヨーロッパを中心に急拡大しているそうです。多くのラグジュアリーブランドの拠点があり、かつサスティナビリティや環境問題に強い関心を持つ層の厚い欧州だからこその動きだと思います。

独自ECに再販機能を追加!

Reflauntは色々なサービスを提供していますが、メインになっているのが再販(リセール)システムです。 ほとんどのブランドの公式ECサイトには、マイページ機能があります。その購入履歴にある「再販ボタン」から、購入者はほとんどワンクリックで中古市場へと販売することができるという仕組みです。 購入者がボタンを押すと、その時の中古市場での適正価格が表示されます。送付ラベルが発行され、Reflauntが提携する倉庫へ送付します。商品の認証が完了すると、Reflauntが提携する複数の中古ECプラットフォームに商品が掲載され、商品が売れればその購入者(中古品販売者)は、そのブランドの公式ECサイトで使えるクレジットや現金を得ることができます。

一連の販売情報や購入者情報はブランド側にも共有されるため、マーケティングにも役立ちますし、新しい商品を売るチャンスも増やせる上、サスティナビリティに取り組む企業というイメージアップにもつながります。 また、中古ECや業界としては、かならず「本物」を扱うことができる仕組みでもあります。

売れないものも再活用!アップサイクルや寄付の仕組みも

再販するためには、ある程度状態の良いものでないといけませんが、そういった商品はアップサイクルや寄付へと回す仕組みも提供しています。それは在庫の流通を専門として世界中にバイヤーを持つ「YELLOW OCTOPUS」が提供する「reGAIN」というサービスと協業することで実現しました。「reGAIN」は、イギリスの利用者がもう着ない(着られない)服を特定の場所に持っていくと、その服がアップサイクルされるか、寄付されるというサービスです。

再販のReflauntとアップサイクルのYELLOW OCTOPUSが協業することで、ただ捨てられる服というものが減ることになるというわけです。

おわりに

上記のほかにもオフライン店舗とのコラボレーションや様々な企業・ブランドとのコラボレーションを進めるReflaunt。 今後もEC関連ニュースで名前を見ることが増えそうです。

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著者近影

TOMI

制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。

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