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画像圧縮技術について少しだけまとめてみた

画像圧縮技術について少しだけまとめてみた

昨今、様々な用途で欠かせない圧縮技術。
低容量かつ画質の良い形式は常に研究されています。

実例など

Webを中心に挙げられる実用例でいうと

無圧縮:BMP, RLE
可逆圧縮:PNG, TIFF, gif
無可逆圧縮:JPEG, JPEG2000, MH圧縮(FAX用途)

などなど他にもたくさんあります。

今回はJPEGについて挙げます。

JPEGの歴史

ISOによって規格が標準化されたのが1988年。

ただし、当時はファクシミリが主流で且つ「画像が汚くなる」と言う先入観のためビジネスへの参入がなかなか出来なかった。

しかし、1995年の液晶モニタを搭載したデジカメの進出によって大きくシェアを占めることとなった。

圧縮技術のアルゴリズムについて

詳しいことは省きます。

JPEGの圧縮技術はDCT(離散コサイン変換)と言うものを採用しており、
これは数学者であるジョゼフ・フーリエが導き出した
「あらゆる連続した波形は正弦波と余弦波によって近似して表せる」(ざっくりと)
という「フーリエ変換」に基いています。

フーリエ変換の式

波形の分解例

他にも色の変化を間引くことで圧縮する”色差圧縮”も含まれています。
オリジナル色情報を1/4に間引いた画像

なぜフーリエ変換?

上述の通り、2次元であろうと波形はサイン、コサインに分けることが出来ます。

そして人間の視覚にとって高周波な情報ほど認識しづらい傾向にあります。

この前提から「画像の高周波部分(ノイズとかにも成り得る)部分を省いてしまおう」
と言うのがJPEG圧縮の根幹です。
 ※基本的には他の圧縮技術も概念は通じたものがほとんどです

また、フーリエ変換はFFT(高速フーリエ変換)などのアルゴリズムが研究されており、
圧縮、展開(圧縮したデータから元の画像に戻す)のがとても高速に出来るのもメリットです。

JPEGの後継となるもの

JPEG2000と言う新しい規格がISOとITU-TSの共同組織、JPEGによって2001年に規格化された。

しかし、
・大容量ストレージが普及していた
・扱うためには対応するソフトウェアの開発と普及が必要
・圧縮、展開に従来のJPEGの5,6倍以上の処理速度を要する
 ※圧縮アルゴリズムに用いられている「ウェーブレット変換」の性質上

と言った側面があり、現在もさほど普及していない。

筆者余談

動画の規格についてはストリーミングの普及にも大きく左右され、
互換性が高く、高画質・高圧縮率の規格が今でも研究されています。

ある意味、JPEG圧縮と言うのは静止画像において一つの完成形とも言えるのではないだろうか。

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スターフィールド編集部

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