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越境ECの定番、化粧品!中国における化粧品市場の規模と対応

越境ECの定番、化粧品!中国における化粧品市場の規模と対応<!--ikuta-->

はじめに

人口14億人を擁する超巨大市場、中国。日本から中国への越境ECの市場規模は、1兆6558億円(前年比7.9%増)で、拡大を続けています。

様々な商品が中国に向けて販売されていますが、その中でも注目したいのが、化粧品です。少し古いデータですが、日本貿易振興機構(ジェトロ)が2018年に実施した「中国の消費者の日本製品等意識調査」には、「越境ECで何を購入したことがあるか」という質問があります。回答として、もっとも多かったのが基礎化粧品で、二番目がメイクアップ化粧品でした。また、「日本からの越境ECで今後何を購入したいか」という質問でも、基礎化粧品がトップでした。このように、中国市場で日本の化粧品は、注目度の高い商品であることが分かります。

そこで、今回の記事では中国の化粧品市場とトレンドについてまとめてみました。


中国の化粧品市場

まず、中国の化粧品市場について、日本と比較しながら見ていきます。中国における化粧品の市場規模は、2019年度6.2兆円(572億USD)です。日本は、3.8兆円 (350億USD)ですから、約1.6倍です。人口当たりで考えると、中国は約2750円、3万470円と大きな開きがあります。ただ、成長性は中国の方が高いといえます。グラフから分かるように、日本の市場規模は、過去15年間でほぼ変わらない一方、中国の市場規模は5倍にもなっています。化粧品などを買う余裕がある中間層の増加によって今後も市場規模は増加すると予想されます。

化粧品市場規模の各国変化

貿易額の側面から見てみると、2020年1月~10月で、中国は化粧品を160億ドル輸入していますが、そのうち24.7(39億ドル)は日本からのものです。中国は日本から最も多くの化粧品を輸入しています。また、日本からの輸入量はここ5年で、8倍にも急増しています。この輸入量のうち、おおよそ3割程度は、EC上での取引と予想されます。中国での化粧品の販売チャネルは、スーパー、専門店、ドラッグストア、百貨店、オンラインストアなどがありますが、2018年時点で、オンライン上の取引が27%を占めているという調査結果があるためです。

日本企業の対応とは?

このように化粧品は、成長性が高い上に日本製品の人気もあるといっていいでしょう。では日本の化粧品は、ECモール上に商品を登録すれば、どんどん売れていくのでしょうか。一昔前ならば、日本製というだけで売れていた時代もあったかもしれません。しかし現在は、中国メーカーと日本や韓国、フランスなどの海外メーカーがしのぎを削っている状況です。特に、中国メーカーの伸びは目を引きます。国産化粧品ブランドの市場シェアはすでに56%に達しているとの統計もあります。国産製品も安全性や品質への信頼性が高まり、需要が増加しているといえます。

このような状況で、日本の化粧品会社が売り上げを伸ばしていくためには工夫が必要です。例えば資生堂は、中国向けライブコマースの取り組みを強化しています。ライブコマースとは、リアルタイムで映像を配信しながら商品を販売する手法です。視聴者が販売者に質問をすることも可能で、これまで伝えきれなった商品の魅力や背景を消費者に直接伝える手法として注目されています。20年11月の中国のEC商戦が盛り上がる「独身の日」には、資生堂のライブコマースの視聴者数が40万人にものぼったといいます。

資生堂のように大手でなくても、自社の商品の強みを分析し、適切な媒体で消費者に伝えていくことが大切です。ただ、日本製という魅力を強調するだけでなく、競争が激しい化粧品市場のなかで、他社との違いをどう打ち出していくかがカギを握りそうです。

まとめ

今回は、中国の化粧品市場とそのトレンドについてまとめました。中国の化粧品市場は今後も成長を続けていくと思われますが、その分競争も激しいです。自社商品の魅力を見つめ直し、消費者に伝えていけるかが重要です。


《参考・画像出典》
経済産業省,「中国の消費者の日本製品等意識調査」日本貿易振興機構,独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE),山田コンサルティンググループ株式会社,「中国への化粧品輸出拡大加速化へ、国内企業の支援を強化」日本貿易振興機構,チャイナネット

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IKUTA

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