宅配ゴミを減らすエコ物流
リユース可能な梱包材
はじめに
ECにおけるエコ活動を考えるとき、手を付けやすいものの1つが「梱包材」の工夫ではないでしょうか。
前回紹介した繰り返し使える梱包材「THE BOX」は、かなりハイテクな機能満載で、その分初期投資が必要な一品でした。
そこで今回は、もう少し手を付けやすそうなサービスを2つ紹介します。
フィンランド発「RePack」
この投稿をInstagramで見る
ヘルシンキに本拠地のあるRePack社が手がける再利用可能なパッケージサービス。今はオランダ、ドイツ、北米にまで展開しています。
箱型やバッグ型などの試行錯誤経て、現在は3サイズの封筒型に落ち着いたようです。この袋自体が古い家電をリサイクルしたポリプロピレンを原料としている徹底っぷり。
軽くて防水、そして20サイクル(40回の郵送)以上の使用が保証されています。プラスチック袋や段ボール等に比べて、発生するCO2が最終的には80%近く削減できるそうです。
同社はこのサービスにより、多くのデザインアワードや、サステナビリティに関連する賞を受賞しています。
この投稿をInstagramで見る
RePackの使い方は簡単です。オンラインショップ側が前払いで入手し、受け取った購入者は商品を抜いて、同封されていた返送ラベルを貼って、ポストに戻します。戻ってきた袋はRePack社にてクリーニングされ、また各ショップに納品されるというわけです。 この循環型梱包材は、環境保護に貢献するというだけでなく、この包装材を返却した消費者は参加企業で使える商品券やチャリティ団体への寄付といった直接的な恩恵が受けられるため、環境意識の高くない人へも有効です。実際、バッグの回収率は90%以上で、商品券の使える提携企業サイトへのリピート率増加にも繋がっているといいます。
まだ日本では利用出来ないサービスですが、日本企業や日本の顧客からの問い合わせは増えているそうなので、日本進出も遠くはないかもしれません。
アメリカ発「Limeloop」
続いて紹介するのは、アメリカのカリフォルニアに拠点があるスタートアップ企業が生み出した、リユース可能な包装材「Limeloop」です。
リサイクルしたプラスチックが原料で、クッション性のある丈夫な作りで、防水性もあります。洗濯・修繕を行うことで、200回以上の使用が可能だとうたっています。
消費者も利用する企業も、オンラインで荷物を追跡可能ですし、消費者がこの配送方法を選んだことで、どのくらいの資源が節約されたかもチェックすることが出来ます。
もちろん、公式サイトでも、サービス全体がどのくらい環境保全に役立っているかを様々な数字で見ることができ、サステナビリティに力を入れていることが伺えます。
自分の行動がどれくらい環境保護に貢献したかを分かりやすく確認できるというのが、サービスの魅力になる時代が来ているということですね。
まとめ
今回は、リユース可能な循環型包装材を2つ紹介しました。
いずれも日本には未進出ですが、今後は日本でもこういった選択肢が増えていくのではないでしょうか。
Author Profile
TOMI
制作ディレクターとか進行管理とかリソース管理してます。 欧米もアジアも好きですが次は南米あたりに住みたい。
SHARE