インドネシア発ECモール
トコペディアとブカラパックを徹底調査!
はじめに
「バリ島」や「ボロブドゥール」でもお馴染みのインドネシアは、2億6500万人(世界第4位)の人口を抱える東南アジア最大の市場です。 近年目覚ましい成長を遂げ続け、なんと首都のジャカルタは人口増加により「首都が地盤沈下」する危険性があるため、首都移転する計画があるほど。
今回は、そんなインドネシアで、絶賛成長中のインドネシア発ECモール、Tokopedia(トコペディア)とBukalapak(ブカラパック)を2つ解説します。
Tokopedia基本情報
Tokoはインドネシア語で「店」pediaは百科事典を意味する「encyclopedia」から名づけられた Tokopedia。 月間9000万のアクティブユーザーがいるとも言われ、国内ではかなり広く利用されているECモールです。 2009年にC2Cビジネスとしてサービスを開始し、現在ではB2Cにも拡大、860万の出店者が利用し、3億もの商材を扱っているECモールに成長しました。 2019年にはBTSがブランド・アンバサダーに就任したことで、人口の6割を占める若者をターゲットにサービスを盛り上げていくようです。 《ホームページ》Tokopedia
Webサイト月間アクセス数
ここ1年間のTokopediaサイト月間アクセス数を四半期ごとにまとめました。
- 2019年第三四半期 65,953,400アクセス
- 2019年第四四半期 67,900,000アクセス
- 2020年第一四半期 69,800,000アクセス
- 2020年第二四半期 86,103,300アクセス
日本の2019年の1月~10月のWebサイトアクセス数と、1か月換算したデータは以下の通りです。
- Amazon.co,jp 112,465,000 (1か月換算 11,246,500)
- 楽天市場 112,416,000 (1か月換算 11,241,600)
- Yahoo!ショッピング 77,152,000 (1か月換算 7,715,200)
少し比較しただけでも、インドネシアの人口の多さ、市場の大きさ、Tokopediaの利用数の多さが分かりますね。 特に、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年の第二四半期のアクセス数は大きく増加しています。
Tokopedia の最新事情
最近のTokopediaのニュースです。
2020年7月初めには、Googleとシンガポール政府系投資会社Temasekから5億ドル~10億ドルの出資を受ける協議をしているというニュースが発表されました。 また、上記2社に加えて、FacebookやMicrosoft、Amazonからも資金調達をしようとしているそうです。 Tokopediaは、Softbankや、Alibaba Groupの出資を受けて大きく成長してきましたが、今後より一層ビジネスを拡大しそうですね。
しかし一方で、5月には9100万人の顧客データが流出した騒動がありました。これからも、注視していく必要がありそうです。
Bukalapak基本情報
Tokopediaのライバルとも言われるBukalapak。 Bukaはインドネシア語で「開く」Lapakは、「売店」や「屋台」を意味する言葉を合わせてBukalapakと名づけられました。
2010年に設立された後、2018年には、ユニコーン企業としての称号も手に入れ、中国のAlibabaグループの金融関連会社、Antフィナンシャルグループからの支援を受けていることでも有名です。
ECモールとしても知名度が高いだけでなく、Bukalapakの特徴は、Warung(ワルン)と呼ばれるインドネシアの屋台や、売店のをビジネスに巻き込んだ支店を持たない銀行サービス、Mitra Bukalapakを行っていることです。屋台や売店がBukalapakに登録することで、銀行口座を持たない人でも屋台や売店を通じてお金を預けたり、お金を引き出したりすることができます。
世界銀行のデータによると、インドネシアの人口の半分は未だに銀行口座を持っていないとされており、田舎に住むインドネシアの人々が買い物をする手段として訪れるのが、このWarungです。この両者をデジタルサービスでつなげることによって、Bukalapakはインドネシアの隅々までデジタル化を進める勢いです。
《ホームページ》Bukalapak
Webサイト月間アクセス数
ここ1年間のBukalapakサイト(ECモール)月間アクセス数を四半期ごとにまとめました。
- 2019年第三四半期 42,874,100アクセス
- 2019年第四四半期 39,263,300アクセス
- 2020年第一四半期 37,633,300アクセス
2020年第二四半期 35,288,100アクセス
Tokopediaには劣りますが、上記の日本のデータと比較していただくと、その差は一目瞭然です。
Shopee, Tokopedia, Bukalapakの違い
2020年8月現在、インドネシアのECモールの利用者や売り上げなどのランキングは、
- 1位 Shopee
- 2位 Tokopedia
- 3位 Bukalapak
となっています。 単純に数値で並べれば、Shopeeの人気にTokopediaやBukalapakといったインドネシア発のECモールは負けているかのように見えますが、 各モールで好まれている商品や、好んで利用している利用者の層が大きく異なっているようです。 Shopeeのユーザーには、若い女性が多く、Tokopediaには男性が多い、Bukalapakのユーザーは日用品よりも、自転車や自動車部品など、趣味のための商品を求めにやってくることが多いそうです。 ECモールに出店する際には、単純に数値で選ぶのではなく、顧客のニーズや顧客層にあったECモールを選ぶことが重要だと痛感しました。
まとめ
今回は、インドネシア発のECモール、TokopediaとBukalapakをご紹介しました。 新型コロナウイルスの影響で、インドネシアでは全体の16.9%と言われていたオンライン上での取引が、2020年5月には20%を超え、今後もますます伸びると予測されています。 もともとの市場規模が大きいので、今後の成長も見逃せません。
Author Profile
MINGFAN
自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。
SHARE