ベトナム版Amazon!?
ベトナム発ECモールTiki(ティキ)を徹底解説
はじめに
日本から東南アジア向けにECモール出店を考えた場合、ShopeeかLazadaが挙がるでしょう。 しかし、各国ごとにマーケットの心を掴んで急激に成長をしているECモールがあります。 今回は、ベトナム発のTikiについてご紹介いたします。地元のECモールの工夫しているポイントや見せ方を調べることで、その国向けの進出や、自社サイト構築の際に役に立つかもしれません! 前回は、同じベトナムのSendoのサクセスストーリーも掲載しています!ぜひご覧ください。
Tikiとは?
Tikiは、ベトナムでは知らない人がいないECモール。Shopeeの次にユーザー数が多いとも言われています。月間のトラフィック数を3370万を超えたこともあり、Sendoと同じように急成長しているECモールです。
2010年に創業した時には、英語の本だけを扱うオンライン本屋だったことから、ベトナム版Amazonとも言われており、実際にAmazonと同じように本だけでなく、様々な商材を扱う総合ECモールのような存在になっています。
HP:Tiki.vn
知られざるTikiのサクセスストーリー
Tikiは、5000ドルの資金で創業者であるSon Tran氏が一人で立ち上げました。今でこそ1億ドル以上もの資金を世界中から調達しており、ユニコーン企業とも呼ばれていますが、創業時はかなり苦労されたそうです。
まずは英語の本を100タイトルほどの販売から開始しましたが、当初はSon Tran氏の自室を倉庫代わりにし、Son氏が梱包して配達まで行っていたとのこと。しかし地道にこの活動を続けて2年後にはベトナムで最も人気のある本がメインのECサイトと上り詰めました。 その後商材の種類や数を増やし、現在に至ります。
ベトナムのEC市場を先導するTiki
多くの競合ECモールが乱立する中、Tikiが成功した背景には顧客を第一に考えて、サービスを創出していることにあります。
例えば、2019年2月には、15kg以下の商品かつハノイ市かホーチミン市内であれば、注文から2時間で配達するサービス、TikiNOWを開始しました。2019年時点で、10万点の商品が対象となっており、ベトナムに進出しているShopee、Lazada、Sendo、Lotteなどがこぞって配達時間の短縮に動いています。日本でも考えられない激速スピードの配達サービスを可能にしたのが、ホーチミン市とハノイ市にある計6万㎡のフルフィルメントセンターで、今後20万㎡まで拡大させる意向があるとのことです。
また、代引き決済が主流のベトナムにおいて、単に代引き決済のみを採用するのではなく、より便利さを追求したオンラインペイメントの普及にも尽力しており、他の競合ECモールに比べ、オンラインペイメントでの決済割合は4倍近く多いそうです。
このような成功の裏には、ベトナムのローカル人材と海外の大手ECモール出身の人材の両方を採用し、ベトナムのニーズに合わせて最先端の技術を採用していったという背景があります。
ちなみにTikiの創設者Son Tran氏は、ベトナム国内でもスタートアップ企業の成功者としてかなり注目を集めており、スタートアップを成功させる3つの要因を、”enthusiasm”(情熱)”experience”(経験)”market”(市場)として、多くの若者にメッセージを送っています。
まとめ
ベトナムの市場は2025年には230億ドルになるとも言われており、国内外のあらゆるビジネスがベトナムマーケットの魅力に注目しています。
ベトナム発のECモールとして成功しているTikiは、EC市場の割合がベトナム経済の2%しか占めていないことを理由に、今後ともベトナム国内ECの発展に注力する姿勢を示しています。今後のベトナムECの成長が期待できそうです。
《参考・画像出典》THE HISTORY OF TIKI.VN, AN AMAZON OF VIETNAM Tiki’s chief business officer on winning Vietnamese e-commerce consumers Two Vietnamese named among Southeast Asia’s top 30 tech founders Lazada, Tiki locked in delivery speed race
Author Profile
MINGFAN
自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。
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