2026/04/17
AIエージェントを中心に据えた開発環境への移行

はじめに
前回の記事「Claude Codeで始めるISSUE駆動開発」を公開したのが2025年12月でした。それから約4ヶ月、自分の開発環境は当時とはかなり違うものになっています。特にIDEをほぼ開かなくなったのが、一番の変化でした。
本記事では、12月時点の環境からどのように変わったのか、そのきっかけとなったツール導入や運用の変化を振り返ります。
12月時点の環境
前回記事を書いた頃の開発環境は、以下のようなものでした。
- エディタ:Visual Studio Code(以下、VSCode)
- AI:Claude Code(VSCode拡張機能)
VSCodeの中ですべてが完結していました。Claude Codeは拡張機能としてサイドパネルに常駐し、指示はそこで出す。コードはエディタで読み書きする。GitHub ISSUEの読み書きやgit操作も含めて、日々の開発はほぼこの一画面で回せていました。IDEが作業の中心だった、という言い方がしっくりきます。
今の環境
現在の環境は、以下のようになっています。
作業の中心はターミナルに移りました。
Claude Codeにタスクを渡したら、あとはエージェントが動きます。コードを確認したくなったときだけZedを開いて眺める程度で、編集することはほぼありません。このブログ記事の執筆も同じ流れで、プレビューはターミナルからmoを叩くか、PRを作ってGitHub上で確認するのが基本です。
何が変わったのか
12月時点でも、Claude Codeを使って一通りの開発は回せていました。VSCodeを開き、拡張機能を通じてClaude Codeに指示し、一つの作業を一つずつ進める。それで十分機能していたのです。
そこから変わったのは、複数の作業を同時に走らせられるようになったことです。きっかけは主に2つありました。
1. cmuxによる複数セッションの並走
1つめは、cmuxの導入です。
cmuxは、Claude Codeをはじめとするコーディングエージェントを複数同時に実行・管理するためのデスクトップアプリケーションです。各セッションを独立したタブとして扱い、それぞれのエージェントの状態を一目で把握できます。現時点ではmacOSのみの対応です。
画面には常に4〜5個のClaude Codeが並んでおり、それぞれ別のリポジトリ、別の機能、別のバグを担当しています。一つにバグ修正を頼み、別のセッションにリファクタを投げ、さらに別のセッションでドキュメントを書かせる。どれかが考えている間に、どれかが実装を終えている。以前なら順番にこなしていた作業が、いくつもの並列レーンで同時に進んでいく感覚は、これまでの開発体験にはなかったものです。

2. git worktreeを使ったPRレビュースキルの整備
2つめは、git worktreeを活用してPRをレビューするためのClaude Codeのスキルを整備したことです。
worktreeで別ディレクトリにPRブランチをチェックアウトし、そのディレクトリ上でClaude Codeを立ち上げてレビューを進める、という仕組みです。これを整えたことで、メインの作業ツリーで別ISSUEの開発を進めながら、同じリポジトリのPRレビューも並行して走らせることができるようになりました。
worktreeを使わずにブランチを切り替えてしまうと、進行中の作業が一時的に止まってしまいます。worktreeを前提にすることで、作業の文脈を切らずにレビューだけを別トラックで走らせられるようになりました。
IDEの立ち位置の変化
この2つが組み合わさったことで、同一リポジトリ内の複数作業はもちろん、別リポジトリの作業までも並行できるようになりました。そうなると、作業の中心は自然とターミナルに寄っていきます。
VSCodeはもともと「書く・読む・実行する」のすべてをこなす場所でしたが、今はZedに乗り換えた上で「読む」しかしていません。しかも常時開いているわけでもなく、必要なときだけ立ち上げるスタイルです。
もちろん人間側のボトルネックはあります。5つのPRが同時に上がってくれば、レビューするのは自分ひとりです。それでも「手が足りないから諦める」が減り、「やりたいことを同時に走らせてみる」が選択肢に入ってきたのは大きな変化でした。一人で開発しているのに、まるで小さなチームを抱えているような気分になります。
まとめ
「AIをIDEの中で使う」から「AIを中心に置いてIDEを脇に置く」へ。構造の逆転が起きたというのが、この4ヶ月の一番の実感です。ツール選びの軸も「書きやすさ」から「エージェントとの並走のしやすさ」に変わりました。
cmuxによる複数セッションの並走、git worktreeを活用したレビュースキルの整備。どちらも派手な話ではありませんが、組み合わせることで「一人で複数のエージェントを指揮する」開発スタイルが現実のものになりました。
Claude Codeを日常的に使っている方は、ぜひcmuxやworktreeとの組み合わせも試してみてください。開発の体験が一段変わると思います。
Author Profile

ARIKAWA
バックエンドエンジニアです。 自転車が好きです。
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