越境ECを始める前に!マドリッド制度を使えば130カ国で商標権の取得が可能です
越境ECを行う際に、現地での商標登録は必要?
外国において模倣品を取り締まるためには、それぞれの国において商標権を取得しておくことが重要です。
自社の商品を守るために、海外での商標権を効率的に取得し、活用していくことは国際的なブランドを作っていくためのはじめの一歩と言えます。
外国で商標を登録する方法は2つあるが、おすすめは…
外国において商標権を取得するには2つの方法があります。
1つ目は、パリ条約や二国間条約などに基づき日本人が出願できる国に対し、その国の言語で、その国の代理人を通じて、それぞれ直接出願する方法です。
2つ目は、マドリッド協定議定書に基づき、英語で作成した1通の出願書類を日本国特許庁に提出することにより、加盟する複数国に一括して登録出願した効果を得ることができる手続方法です。
この方法の方が、迅速に手続きが可能です。
現在、マドリッド協定議定書(以下、「マドプロ」という。)の締約国は112カ国であり、その中から権利を取得したい国(指定国)を指定することにより、複数国に同時に出願するのと同等の効果を得ることができるという制度です。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota-info/document/panhu/panhu18.pdf
マドプロを利用して国際登録出願(以下、「マドプロ出願」という。)を行うと、従来の各国別の出願制度に比べ、簡単な手続でスピーディーに世界各国で商標の保護を求めることができ、 また経費の節約や手続の一括化など、多くのメリットがあります。
マドリッド(マドプロ)出願利用の3つのメリット
1.経費の節減
各国別出願の場合、各国の国内法令に従って手続をする必要があるため、基本的に、各国ごとの翻訳料及び代理人手数料が発生しますが、マドプロ出願の場合、基本的には各国で代理人を選定しなくても良いため、総額で大幅な経費削減が可能です。
2.出願書類の作成が簡単でわかりやすい
各国別出願の場合、各国の様式に従い、各国の言語で書類を作成する必要があります。
マドプロ出願の場合、1通の出願書類を作成することで指定した各国全てに対応可能です。
また、英語で作成できるので、各国独自の言語で作成する必要はありません。
3.迅速な審査
各国別出願の場合、各国では審査期間が限定されていないので登録される時期が不明確です。
マドプロ出願の場合、各国の審査期間が、国際事務局の通知日から1年(若しくは18月)以内に制限されています。
出願手数料及び支払方法は?
最後に
越境ECをはじめる際に、商標登録から行う日本企業はまだまだ多くありません。
しかし、中長期で海外市場でシェアを伸ばしていこうと考える企業にとっては、商標登録などを行うことによるブランディング戦略は必須です。
マドリッド制度の利用をご検討ください。
参考:
商標の国際登録制度活用ガ イド
マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の概要
マドリッド制度 – 商標の国際登録制度
特許庁国際出願(商標)
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Author Profile
HASHIMOTOHIROKI
1984年香川県生まれ。 早稲田大学第一文学部哲学専修卒。 三味線奏者、豆腐屋、八百屋を経て、現在はスターフィールド株式会社で、あらゆる日本企業を世界進出させるべく越境ECの普及に力を注ぐ。 特に中国、台湾向けECカート導入がメイン業務。
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