Shopeeで越境ECを成功させるFSSとCCB戦略

「これからShopeeで越境ECを始めてみたいけど、何から手をつけていいかわからない…」そんなメーカーの皆さまへ
東南アジアで絶大な人気を誇るShopeeで成功するために不可欠な2つの戦略、「FSS(Free Shipping Special Program)」と「CCB(Coins Cashback Program)」について、分かりやすく解説します。
FSS(送料無料特別プログラム)
ShopeeにおけるFSSは、出品者が送料の一部または全額を負担することで、購入者への送料無料を提供できるプログラムです。
特に東南アジアの消費者は価格に非常に敏感であり、送料無料は購買決定に大きな影響を与えます。
なぜFSSが重要なのか?
購入率アップ: 送料無料はカゴ落ちを防ぎ、購入へのハードルを下げます。
露出度向上: 送料無料対象商品はShopee内で特別に表示され、検索結果での上位表示にも繋がりやすくなります。
顧客満足度向上: 配送コストを気にせず購入できるため、顧客体験が向上します。
FSS導入のポイント
費用対効果の検討: 送料負担は発生しますが、売上増と相殺できるか、利益率を考慮して慎重に検討しましょう。
商品価格への転嫁: 完全に送料無料とするのが難しい場合は、商品価格に送料の一部を上乗せするなどの工夫も有効です。
対象商品の選定: 全商品ではなく、特に売れ筋商品や新規顧客獲得を狙いたい商品に絞って適用するのも良いでしょう。
CCB(コインキャッシュバック)
CCBは、購入者が特定の商品を購入すると、Shopeeコインとしてキャッシュバックを受け取れるプログラムです。
このコインは次回の購入時に割引として利用できるため、リピート購入を促進する強力なインセンティブとなります。
なぜCCBが重要なのか?
リピート購入促進: キャッシュバックされたコインを使うために、再度Shopeeで買い物をする動機付けになります。
新規顧客獲得: コインキャッシュバックは、お得感を求める新規顧客を引き寄せる要因にもなります。
ブランドロイヤルティの構築: 顧客が継続的に購入することで、ブランドへの愛着が深まります。
CCB導入のポイント
キャッシュバック率の設定: 高すぎると利益を圧迫し、低すぎると効果が薄れます。適切なバランスを見つけることが重要です。
対象商品の選定: 新商品や高単価商品、あるいは在庫消化を促進したい商品などに適用することで、効果的に活用できます。
プロモーションとの連携: CCBとFSSを組み合わせることで、より強力な販売促進効果が期待できます。
※FSSおよびCCBの手数料は、Shopee Education Hubをご確認ください。
FSSとCCBへの参加義務について
FSSとCCBの参加が必須(義務)になっている販売マーケット(国)とそうでないマーケットがあります。
参加が必須のマーケット
- シンガポール
- マレーシア
- タイ
参加が任意のマーケット
- 台湾 - ①
- ブラジル - ①
- ベトナム - ②
- フィリピン - ②
①申し込みフォームから参加/不参加を希望することができるマーケット
②セラーセンターから参加/不参加を希望することができるマーケット
⚠️注意点:初めの出品から90日間はFSSとCCBの参加が必須(義務)になっています。
FSS/CCBプログラム参加が適している出品者タイプ
FSSとCCBは、Shopeeのプラットフォームで売上と知名度を向上させるための強力なツールですが、すべての出品者にとって万能な解決策ではありません。参加の成功は、事前の綿密な分析と継続的な評価にかかっています。
- 高利益率の商品を持つ出品者: 高い手数料を吸収できる十分なマージンがある場合。
- 新規参入者やブランド: 初期段階での認知度向上と顧客獲得に有効な投資として活用する場合。
- 高い販売規模を目指す出品者: 販売量が増加することで、手数料の割合が相対的に低くなり、スケールメリットを享受できる場合。
費用対効果を最大化するための戦略
- 初期段階での認知度向上と顧客獲得に有効な投資としてFSS/CCBプログラムを活用する
- 目標数を超えたらFSS/CCBプログラムを停止し、利益獲得のフェーズとする
- その他のShopee内イベントに参加して、販売数を増やす
- 広告の活用とリスティングの最適化を進めて、販売数を増やす
まとめ
FSSとCCBは、Shopeeのビジネスモデルの中心にある「集客」と「収益化」のバランスを象徴するプログラムです。
出品者は、プラットフォームの戦略を深く理解し、自身のビジネスに与える影響を分析した上で、戦略的に参加することが成功への唯一の道です。表面的なメリットに惑わされることなく、データに基づいた意思決定を継続することで、競争の激しいeコマース市場で持続的な成長を達成できるでしょう。
利益を重要視する場合、FSSとCCBは不参加とするのが良いでしょう。
一方で、初期段階での認知度向上と顧客獲得に有効な投資として活用するのもおすすめです。
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M.NIWAYA
なんとなく入った学校で、ITの知識を叩き込まれる。 エンジニアをしたり、カスタマーサクセスをしたり、マーケを楽しんだり。美味しいものと洋服を愛してます。バイクも
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