まず初めに
今日は、台湾と日本の「働き方」と「コミュニケーションの違い」について、興味深いと感じたことをシェアしたいと思います。
日本と台湾は地理的にも近く、共通している部分もたくさんあります。
一方で、仕事の進め方や、人とのコミュニケーションの取り方には、意外と違いがあると感じる場面もあります。
今回は、「どちらが正しい」という話ではなく、それぞれの働き方にはどのような特徴があるのか、そして、その違いを知っておくことで、仕事をするうえでどのようなメリットがあるのか、という視点でお話ししたいと思います。
まず一つ目は、仕事の進め方の違いです。
日本では、一般的に仕事を始める前にある程度計画を立て、できるだけミスを防ぎながら、決められた手順に沿って進めることを重視するイメージがあります。
例えば、新しい仕事を始めるときには、
「目的は何か」 「誰が担当するのか」 「いつまでにやるのか」 「どのような手順で進めるのか」
といったことを、事前に確認することが多いと思います。
これは、後から問題が発生することを防ぐという意味では、とても合理的な方法だと思います。
一方で、台湾では、もちろん事前の計画も大切にしますが、実際に進めながら、状況に応じて柔軟に変更していくという考え方を重視しているように感じます。
例えば、日本では「できるだけ計画を固めてからスタートする」というイメージがあるのに対して、台湾では「まずやってみて、問題があればその都度修正する」という進め方をする場面が多くあります。
以前の職場で、急にメインの担当者が不在になり、ミーティングに参加できなくなったことがありました。
日本では、メインの担当者が不在の場合、
「担当者がいないので、後日あらためて調整しましょう」
という流れになることがあります。
一方で、その時は 「とりあえず今できるところまで進めて、あとで担当者に確認しましょう」
という形で進めることとなりました。
もちろん、これは会社や個人、業界によっても大きく異なるため、一概に「日本はこう」「台湾はこう」と言うことはできません。
ただ、こうした違いを知っておくことで、仕事をしている中で「なぜ相手はメイン担当者の確認を待たずに進めたのだろう?」と疑問に思ったときにも、
「もしかすると、仕事に対する考え方や進め方そのものが違うのかもしれない」
と考えることができます。
二つ目は、スピード感に対する考え方です。
日本では、正確さや品質をより重視する傾向があります。
例えば、メールを送る前に文章を何度も確認したり、資料を作成した後に、誤字や数字に間違いがないかチェックしたりします。
一方で、台湾では、まずスピードを優先して、一度情報を共有したうえで、必要に応じて後から修正するという進め方も多くあるように感じます。
例えば、共有する内容をすべて完璧に整理してから報告するのではなく、ある程度分かった段階で、
「現在、ここまで分かっています」
と、まず情報を共有するようなイメージです。
この違いは、仕事をするうえで非常に興味深いポイントだと思います。
日本側からすると、
「まだ確認できていないのに、もう共有するの?」
と思うかもしれません。
逆に、台湾側からすると、
「すでに情報があるのに、なぜすぐ共有しないの?」
と思う可能性があります。
三つ目は、コミュニケーションの違いです。
日本では、相手への配慮を言葉で表現することを重視にします。
台湾の方からすると、「少し配慮しすぎでは?」と感じる場面もあるかもしれません。
例えば、何かをお願いするときも、
「これをお願いします」
とだけ伝えるのではなく、
「お忙しいところすみませんが、もし可能でしたらお願いできますでしょうか」
といったように、相手への配慮を含めた表現を使うことが多くあります。
また、相手の意見に反対するときも、直接「それは違います」と言うのではなく、
「確かにその考え方もありますが、別の方法もあるかもしれません」
というように、できるだけやわらかく伝えることがあります。
これは、日本のコミュニケーションの特徴の一つだと思います。
一方で、台湾では、日本と比べると自分の意見を比較的ストレートに伝える場面が多いと感じます。
日本人からすると、
「ちょっと強い言い方だな」
と感じることがあるかもしれません。
ただ、本人としては相手を否定したいわけではなく、仕事をより良く、スピーディーに進めるために、自分の意見を率直に伝えているだけという場合がほとんどです。
つまり、「言い方がストレート=怒っている」というわけではありません。
ここも、コミュニケーションの違いを理解するうえで重要なポイントだと思います。
コミュニケーションの方法が違うと、同じ言葉でも受け取り方が変わります。
例えば、日本人が、
「ちょっと難しいかもしれません」
と言った場合、日本のコミュニケーションでは、「今回は難しい」という意味、つまり実質的には「NO」と受け取ることが多いと思います。
しかし、別の文化圏の人からすると、
「ちょっと難しいということは、まだできる可能性があるのでは?」
と受け取るかもしれません。
逆に、台湾の方が、
「それは難しいです」
とはっきり伝えた場合、日本人は「完全に拒否された」と感じることがあるかもしれません。
でも、本人としては、単純に現状を正直に伝えているだけで、むしろ曖昧に伝えて誤解を生まないよう、はっきり伝えているという場合もあります。
仕事上のコミュニケーションでは、言葉そのものだけを見るのではなく、その背景にある考え方まで理解することが大切だと思います。
特に日本と台湾は、近い国・地域で共通している部分も多いからこそ、「相手も自分と同じように受け取るだろう」と考えてしまうことがあります。
だからこそ、「なぜこのような言い方をするのか」「なぜこのような進め方をするのか」まで考えることで、相手の意図をより正確に理解できるようになるのではないかと思います。
四つ目は、フィードバックの違いです。
日本では、人前で相手を指摘することを避ける傾向があります。
例えば、仕事でミスがあった場合、 「ここが間違っています」 とみんなの前で指摘するよりも、個別に話をして伝えるほうが、相手への配慮になることがあります。
一方で、台湾では、仕事上の問題について、比較的オープンに話し合う場面もあると感じます。
そのため、日本人からすると、 「少し厳しく言われたな」 と感じるような場面でも、相手としては、 「問題点を明確にして、改善するために伝えている」 という場合があります。
ここで大切だと思ったのが、「相手のやり方を、自分の基準だけで判断しないこと」です。
そして、もう一つは、必要以上に個人的に受け取らないことです。
例えば、 「普通はこうするはず」 「仕事ではこうするのが当たり前」 と自分の中で基準を持っていると、相手の行動がそれと違ったときに、 「この人はちゃんとしていない」 と感じてしまうことがあります。
でも、実際には「ちゃんとしていない」のではなく、仕事の進め方やコミュニケーションに対する基準が違うだけかもしれません。
もちろん、会社や個人、業界によっても違いはありますが、こうした考え方を持っておくことで、相手の言い方や行動に必要以上に反応せず、冷静に受け止められるようになると思います。
最後に
日本と台湾、それぞれの良い部分を組み合わせることで、より良い働き方につながるのではないかと思います。
日本の強みとしては、丁寧な準備、正確さ、そして相手への配慮を大切にした表現です。 台湾の強みとしては、スピード感、柔軟性、そして自分の意見を率直に伝える姿勢があります。
国が違えば「仕事の当たり前」も変わるということです。
同じ会社で、同じ目標に向かって仕事をしていても、育ってきた環境が違えば、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方が違うのは自然なことです。
だからこそ、 「自分のやり方が普通」 と考えるのではなく、 「相手には相手の当たり前がある」 と知っておくことが大切です。
相手のやり方を見て、 「なぜこの人はこうするんだろう?」 と思ったときに、すぐに「間違っている」と判断するのではなく、
「もしかすると、自分とは違う考え方があるのかもしれない」
と一度考えてみる。
それだけでも、相手への理解が深まり、仕事上のすれ違いやコミュニケーションのミスを減らせるのではないかと思います。
日本と台湾、それぞれの違いを理解し、お互いの良いところを取り入れていくことが、より良い協力関係につながるのではないでしょうか。




